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どの馬も一長一短の混戦模様!/スプリングS

  • 2017年03月15日(水) 18時00分

■スプリングS(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録14頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 スプリングSで注目したいのが、大型馬の活躍である。昨年こそマウントロブソンなど前走馬体重479キロ以下馬が上位を占めたが、そのトータル成績は[2-1-5-46]で連対率5.6%、複勝率14.8%という低調なもの。対照的に大型馬は強く、前走馬体重500キロ以上馬は[4-6-0-19]で連対率34.5%と、その信頼度は非常に高い。前走馬体重が500キロ以上の登録馬は、サトノアレス、サンライズノヴァ、プラチナヴォイスの3頭だ。

 あとは「内枠に入った馬体重480キロ以上馬」が強いのも、このレースの特徴。とくに目立つのが複勝回収率の高さで、馬番1〜4番に入った場合は、単複ともに100%以上をマークしている。枠番が決まってない現時点では評価のしようがないが、内枠に大型馬が入った場合には、評価をかなり引き上げるべきだろう。

【コース総論】中山芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★上位人気が非常に強いコース。6番人気以下の勝率なんと0.9%!
★イメージとは異なり信頼度は「外>内」で、回収率も外が高い。
★脚質は先行勢が優勢。後方に置かれた馬はかなり厳しい結果に。





 スタート直後に、いきなり急坂が待ち受ける中山芝1800m。このタフなコース形態のせいか、人気サイドが非常に強いという特徴がある。フルゲート16頭で行われたレースでは、なんと勝ち馬の90.5%が5番人気以内。6番人気以下馬はトータル[4-13-18-426]で勝率0.9%という成績で、ほぼ勝てないといっても過言ではない。もし波乱があるとすれば、ヒモが紛れたケースだろう。

 意外だったのが、外のほうが信頼度が高いということ。連対率や複勝率が最も低いのは、内枠である馬番1〜4番なのだ。とくに差が大きいのが複勝率で、単純な内外の比較でも、外の圧勝。回収率や枠番値も外枠のほうが優秀なのだから、これを理由に評価を割り引く必要はいっさいない。

 枠番は不問だが、脚質については明らかに先行勢優勢。4コーナーを11番手以下で回った馬は、トータル[0-1-1-70]と不振にあえいでいる。また、芝の中距離戦であるにもかかわらず、最速上がり馬が[1-2-0-16]と負けまくっているのも、注目すべきポイント。中団よりも前のポジションが取れないと、勝ち負けに持ち込めないコースである。

【レース総論】スプリングS(G2) 中山過去10年(9回)

・レースの要所!


★1番人気は[3-3-3-0]と4着以下なし。コースデータ同様に人気馬優勢。
★コースデータとは対照的に枠番は「内>外」の傾向で判断が難しい。
★脚質は完全に先行勢優勢。4角先頭の複勝率も44.4%と非常に高い。
★朝日杯FS以外の距離延長組は苦戦。外国人騎手の強さが目立つ。







 レースの平均配当は、単勝667円、馬連5439円、3連複5766円と低めの水準。高配当となったのはスマイルジャックとフローテーションで決まった2008年だけで、順当決着傾向がきわめて強い。それもそのはずで、1番人気が馬券圏内を外したケースは一度もなく、2000年以降の過去16回までさかのぼっても、たったの2回だけ。ここを「消し」で勝負するのは、かなりの無理スジといえる。

 枠番データでは、内枠の好成績が目立つ。馬番1〜4番は勝率、連対率、複勝率のいずれもダントツの高さで、文句なしの内容だ。とはいえ、コースデータと対照的な結果であるのは気になるところで、平均人気の差を考えると成績がよくて当然。「特注データ」以外の枠番データは、気にしないほうがいいかもしれない。

 脚質はコースデータ同様に先行勢が優勢。4角先頭の信頼度がこれほど高いのは、芝の中距離重賞としてはかなり珍しい。差し一辺倒のタイプは買いづらいレースである。前走クラス別では、G1である朝日杯FSからのローテが好成績。また、前走が新馬や未勝利だった馬は、まったく馬券に絡めていない。それ以外は、重賞に出ていようが500万特別だろうが、あまり成績差がない印象である。

 あとは、ゆったりしたローテほうが好成績であることや、朝日杯FS組をのぞく距離延長組の成績がイマイチなこと、外国人ジョッキーの強さが目立つことなども、押さえておいて損はなさそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 今週も引き続きAコース。やや差し優勢の馬場バイアスという印象。

・天候予測
 穏やかな天候が週末まで続く見込み。良馬場前提の予想で問題なし。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○

 差しがビシバシ決まっていた、先週土曜日の中山芝コース。日曜日になって先行勢の成績が多少は持ち直したが、それでも差し優勢のバイアスと思われる。天候が崩れる気配もないので、おそらく今週もバイアスに大きな変更はないはずだ。血統面は、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒をプラス評価。ハーツクライ産駒も悪くないが、上と比較するといささか分が悪い。

★出走登録馬・総論×各論

 朝日杯FSの覇者サトノアレスと、同2着馬モンドキャンノがここで始動。この2頭に立ち向かうのが、超ハイレベル戦だった百日草特別でアドマイヤミヤビやカデナと差のないレースをしているアウトライアーズだ。ただし、今年の牡馬クラシック路線が混沌としているのはご存知の通り。トリコロールブルー、エトルディーニュあたりも、じつはそれほど差はなさそうである。

 当データ分析のトップ評価は、サトノアレス。朝日杯FSを勝った実績を、素直に評価したい。前走は後方から素晴らしいキレ味を見せたが、本来はもっと前で立ち回れるタイプで、ゲート次第では好位を取りに行く可能性もありそう。前走馬体重500キロ以上と、大型馬であるのも強調材料だ。

 二番手評価にトリコロールブルー。脚質や血統はもちろん、鞍上が絶好調のM.デムーロ騎手に乗り替わる予定というのも、大きな魅力である。センスのいい走りを見せる馬で、プラス評価となった項目の多さも十分。中3週のローテも、今年の場合はそう気にする必要はあるまい。

 三番手評価に、ハナを切れる可能性が高いオールザゴー。今年の出走メンバーで、一発があるならこの馬だろう。逃げた前走の白梅賞は完勝といえる内容で、展開次第では重賞のここでも通用する余地アリ。「朝日杯FS以外の前走芝1600m組」という点がマイナス材料も、人気薄ならばそこに目をつぶって買える。

 四番手評価にエトルディーニュ。これまでに9戦を消化しているが、掲示板を外したことが一度もない、堅実な走りを見せている。地味な血統のせいか常に人気がないが、トップクラスと差のないレースをしており、その能力はここでも決して侮れないはず。こういう「好走しても人気にならない馬」は、追いかけて絶対に損はない。

 以下はプラチナヴォイス、アウトライアーズ、モンドキャンノ、ウインブライトという評価順だが、特注データによる評価が反映されていないので、序列はここから大きく上下すると思われる。「内枠に入った馬体重480キロ以上馬」がどの馬になるか、枠番が決まる金曜日を楽しみに待ちたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



阪神11レース フィリーズレビュー(G2)
1着 16カラクレナイ
2着 15レーヌミノル
3着 13ゴールドケープ

レーヌミノル降着を願ったのは秘密(#^ω^)ビキビキ

とはいえ、そもそもが波乱決着狙いだったワケで、コレは外れて致し方なし。4頭ボックスを買って1・3・4・7着という結果でも、悔しくありません(歯ぎしり)。う〜ん、また今年もいいカンジに負債が積み上がってきたぞ……。

※コース&血統データは2014年以降。レースデータは2007年以降中山競馬場で行われたスプリングSが集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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