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大混戦を断つのはこの2頭!/高松宮記念

  • 2017年03月22日(水) 18時00分

■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録21頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 スプリント戦なので当然といえば当然だが、高松宮記念は基本的に「大型馬」が強いレース。前走での馬体重が479キロ以下だった馬は、トータル[0-0-2-26]と1頭も連対していない。出走できそうな馬ではソルヴェイグ、トーキングドラム、レッドファルクスなどが、この条件をクリアできていない。レッドファルクスは前走が海外なので「対象外」ではあるのだが、それでも割引であるのは間違いない。

 また、前走馬体重480キロ以上馬を前走人気別で集計したところ、好走馬のほとんどが前走で「2番人気以内」に推されているのがわかる。人気サイドが強いレースなので、こうなっても不思議ではないが、それにしても前走1番人気馬の成績はズバ抜けている。こちらはシュウジメラグラーナレッツゴードンキの3頭が、この特注条件をクリア。いずれも人気なのが残念だが、ここは絶対に「買い」ジャッジで臨むべきだ。

【コース総論】中京芝1200m Bコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度はおおむね平均。2ケタ人気の不振が目立つコース。
★多頭数の外枠はハッキリと割引。馬番13番より内であるのが望ましい。
★最後の直線が長く差しや追い込みも相応に届くが、優勢なのは先行勢。





 1番人気の信頼度は「並」だが、勝率や連対率はなかなか優秀。上位人気が連対し、3着に人気薄が突っ込む──という決着パターンが多いコースである。また、2ケタ人気の穴馬が総じて不振であるのも、このコースの大きな特徴。フルゲートであれば紛れそうなものだが、10番人気以下はトータル[3-4-9-432]で連対率1.6%、複勝率3.6%と低空飛行。穴を狙うなら、7〜9番人気がオススメだ。

 枠番別成績では、外枠である馬番13〜18番の成績不振が目立つ。内枠が有利というよりも、「外枠が極端に不利」である印象を受ける。平均人気が低いのも事実だが、枠番値がマイナス0.8というのは低すぎる数値。単純な内外の比較でも「内>外」であるのは明白で、馬番13〜18番に入った馬は、かなり割り引いて考えたほうがいい。

 最後に脚質。最後の直線が長い中京芝コースだけあって、差しや追い込みも相応に決まっている。最速上がり馬が好成績&高回収率であるのも、覚えておきたいポイントだ。しかし、トータルでみると先行勢のほうが優勢で、逃げた馬が[7-3-1-27]で勝率18.4%と、逃げ切るケースもけっこう多い。極端に前有利というわけではないが、それでもある程度は先行勢のほうが高信頼度と考えたほうがいい。

【レース総論】高松宮記念(G1) 中京過去5回

・レースの要所!

★3番人気以内[4-3-4-4]と人気馬が圧倒的に優勢。波乱は期待しづらい。
★枠番別での傾向はコースデータと大違い。コースデータを信頼すべき。
★後方からの追い込みは不振で、先行勢から入るのが勝ちのセオリー。
★前走着差0秒2以内が好走の必要条件。巻き返せるのは上位人気のみ。








 リニューアル以降の過去5回が集計対象であり、通常のレースデータよりも信頼度が低くなる点を、まずはご理解を。平均配当は単勝466円、馬連4038円、3連複7228円と、かなり低めの水準だ。勝ち馬はすべて4番人気以内であり、3番人気以内がトータル[4-3-4-4]と素晴らしい成績を残しているなど、順当決着傾向の強さはかなりのもの。大波乱を狙うのは無理スジといえるほど、近年の高松宮記念は堅い。

 枠番別成績は評価が難しいところ。外枠である馬番13〜18番の複勝率や複勝回収率、枠番値などが優秀なのだが、いかんせん試行回数が少ない。平均人気がもっとも低い馬番1〜6番が勝率トップであることからも、内枠が悪いとは思えないのだ。枠番については、レースデータではなくコースデータを信用したほうが絶対にいい。

 脚質面は、コースデータ以上に先行勢が優勢。4コーナー13番手以下から好走したのは、2014年の2着馬スノードラゴンだけだ。ハイレベルなスプリント戦で前が止まらないのは当然の話で、ある程度は前のポジションを取れないと、勝ち負けは難しいと考えるべき。気性的な難しさを抱える馬を買いづらいレースといえそうだ。

 年齢別では、6歳以下馬と7歳以上馬との間に分水嶺が存在。7歳以上の高齢馬もそれなりにエントリーしているが、過度の期待は禁物である。また、前走で0秒3以上の着差をつけられて負けていた馬が巻き返せないのも、高松宮記念の大きな特徴。ここから巻き返した馬のほとんどが、前走で1番人気に推されていた実力馬だった。

 あとは、鞍上の乗り替わりがマイナス材料であることや、関東所属ジョッキーの成績がイマイチであるのも、ぜひ覚えておきたいデータ。大混戦となりそうな今年の高松宮記念だけに、事前に各種データから、候補をしっかり絞り込んでおきたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。前有利の馬場にシフトする可能性があるので要注意。

・天候予測
 週末にかけて天候は下り坂だが降雨はなさそうな雰囲気。良馬場前提で。

・注目血統
 とくになし

 変則開催だった先週の中京。差しがキッチリ届く馬場だった印象で、少しだけ差し優勢という印象を受けた。しかし、今週からA→Bコース替わりであるため、バイアスに大きな変化がありそうだ。一気に前有利となる可能性もあるので、土曜日の結果は必ずチェックするべき。当データ分析では、かなりフラットな状況になると予測している。

 血統面は、プラス評価の対象なし。データをご覧になってもわかるように、飛び抜けて成績がいい種牡馬は見当たらない。連対率20%以上はディープインパクト産駒だけだが、それでも「コース適性が高い」とはいえない内容だ。今年に関しては、血統というファクターを完全無視でも、大して問題にはならないと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 3歳牡馬クラシック路線とタメを張れるほどに「混戦」である、現在のスプリント戦線。netkeiba.comでの予想オッズは、現在レッドファルクスが1番人気だ。しかし、同馬は香港スプリント以来の「ぶっつけ」であり、これは過去に好走例がないローテ。馬体は太め感なく仕上がっているが、それでもアテにはしづらい部分がある。

 逆に、データ面での評価が非常に高いのがメラグラーナである。この相手関係でどうかという面はあるが、割り引く材料は「関東所属騎手が騎乗予定」という点のみ。それも戸崎ジョッキーが継続騎乗の予定であり、決して大きなマイナスにはならない。特注データの対象である以外にも、プラス評価となった項目がズラリ。混戦を断つ可能性がもっとも高いのは、間違いなくこの馬だ。

 二番手評価にシュウジ。前走の阪急杯では人気を裏切ったが、気性的にカリカリしたところのある馬だけに、久々の影響は大きかった。こちらは「前走8着」が大きな割引材料だが、それ以外は文句なし。前走での大敗から巻き返せる馬の条件も、キッチリと満たしている。特注データの条件も満たしており、人気を下げたここがじつは狙い目──となる可能性も十分にありそうだ。

 この2頭から大きく離れた三番手評価がセイウンコウセイ。前走はダンスディレクターとクビ差の接戦と、一線級が相手でも通用することを証明してみせた。大きな強調材料も減点材料もないという印象で、割り引いたのは幸ジョッキーへと乗り替わる予定である点くらいのもの。あっさり通用しても、今年の場合は何の不思議もない。

 四番手評価にヒルノデイバロー。こちらもセイウンコウセイと同様に、大きな強調材料と減点材料の両方が見当たらないパターンである。さすがに上位人気に推されることはないだろうし、うまく7〜9番人気あたりにおさまってくれれば、狙ってみる価値は十分アリ。人気薄で推奨できる、数少ない存在といえる。

 以下は、レッツゴードンキ、レッドファルクス、ソルヴェイグ、フィエロ、ナックビーナス、クリスマスという評価の序列。ただし、馬番13〜18番に入った馬は、評価をここからかなり割り引く必要がある。特注データの対象であるレッツゴードンキがここまで評価を落としたのは、「脚質」がネックとなりそうだから。それが気にならないのであれば、メラグラーナやシュウジと同列の評価となる。


■総論×各論・先週の馬券回顧



中山11レース スプリングS(G2)
1着 10ウインブライト
2着 08アウトライアーズ
3着 07プラチナヴォイス

……かすりもしねえ(#^ω^)ビキビキ

前回はまだナンボか「惜しい」と感じさせるものがあったが、今回は4〜7着の馬単ボックスというパーフェクトなハズレ。朝日杯FS組がアテにならなさそうな雰囲気はありましたが、それにしてもアカンかった。参考にしていただいた方、誠に申し訳ない(陳謝)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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