◆高速ではない標準的な芝コンディション 中京1200mの勝ちタイム予測は困難をきわめたが、コース改修後6年目の今年、ようやく収まるところに落ち着きそうに思える。
改修直後の2012年はまだ路盤も柔らかかったためか、カレンチャンの勝ちタイムは「1分10秒3」だった。他場のように高速決着を求めるものではなく、「少しタフな芝コンディションを目ざしたい」のコメントが聞かれた。
しかし、そのとき1分10秒4の3着だったロードカナロアが快勝した翌2013年は、一変してレコード「1分08秒1」となり、2014年は不良馬場で基準外だが、1年置いた2016年は、なんと超高速の「1分06秒7」だった。良馬場で初年度から「3秒6」も走破タイムが短縮されたのである。さすがにこの週はやりすぎで、芝1200mは500万下も、1000万下もレコード決着だった。
今年は第1週の1400mで1分19秒6のレコードが生まれ、先週のファルコンS1400m(3歳)が改修後最速の1分21秒1。これにG1の週仕立ての整備が行われたら、また昨年と同様かと懸念されたが、土曜日午前中の未勝利戦の結果から推測すると、硬い馬場ではない。推定「1分07秒6-8」ではないか、と思われる。高速ではない標準的な芝コンディションである。
ただ、抜けた実力馬が存在しないところに、1分07秒台後半の予測されるスプリントG1は、これこそ難解の頂点に近い。今年のメンバーが7頭も出走していた昨年のスプリンターズSが、1分07秒6「33秒4-34秒2」だった。勝った
レッドファルクスから、9着
レッツゴードンキまで「0秒2差」だけ。すべて写真判定に相当する「頭、首、鼻……」の微差が「11頭」に及んだのである。今回は、同じようなメンバーで、同じような勝ちタイムが予測されるのである。
思い切って、ただ1頭だけ芝でもダートでも「1200m」は初めての
フィエロ(父ディープインパクト)から入りたい。スプリント戦では、91年ダイイチルビー、97年タイキシャトル、99年ブラックホーク、06年オレハマッテルゼ、14年コパノリチャードが「初の芝1200m」でG1を勝っている。高松宮記念といえばついにG1馬となったキングヘイローだが、同馬も1200mは未勝利で2戦目だった。
フィエロは、1600mで1分31秒5を筆頭にマイルCS「2着、2着、6着」。1400mは1分20秒4を筆頭にスワンS、阪神Cを「3着、2着、9着、3着」だから、あと一歩の詰めは甘くとも、今年のメンバーではマイル以下の「総合スピード能力」はNO.1にも相当する。1分07秒台後半で乗り切れないはずがない。8歳ながらまだまだ元気いっぱいの快調教を見せている。Bコースに移った今週、内の2番なら文句なし。中京芝はすべて1600m以下で【3-0-0-1】。鞍上は好調=内田博幸。ゴール寸前の甘さなど許さないはずである。8歳馬の初の芝1200m挑戦に期待する。