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休み明け、キタサンブラックの状態は!? 最終追い切りでチェック!

  • 2017年03月29日(水) 18時00分


この中間は入念に乗ってきたマカヒキ

 調教開始時間には、厚めのジャンバーが必要なくらい、まだまだ寒い栗東トレセン。今朝29日もその状況は変わっていませんが、いざ追い切りが始まると寒さを忘れるくらいの熱気。あちらこちらでG1レースの出走予定馬が追い切っています。何度も書いていることですが、忙しいとはいえ、これだけ予想につながる追い切りをライブで見ることができるのは本当にありがたいことです。

 もちろん追い切りだけでなく、その後の様子を確認できるのも栗東で毎朝調教を見ているからこそ。高松宮記念のソルヴェイグは馬券になりませんでしたが、マーチSのインカンテーションはスマッシュヒットになりました。追い切りの動きとレース前々日の調整の様子を見ていて、これなら復活できるという手応えを感じていただけに、やっぱり見ていて良かったと思える瞬間。

 28日に羽月友彦調教師には「おめでとうございます。僕は◎にしていました!!」と自信満々に伝えると、師も苦笑い。レース前からレース後まで一連の流れを机上だけでなく、現場で体感していける幸せを感じる瞬間でもあります。今週の大阪杯。ここもなんとか、いい結果を出して、あの調教師に「◎にしていました!!」と伝えたいと思います(笑)。

【大阪杯/キタサンブラック】

 昨年と全く同じ、有馬記念から大阪杯というローテーション。昨年は2月末から坂路で15-15を開始していましたが、今年は帰厩が3月2日。そういった意味で調教の開始時期が遅くなっており、当初はそのあたりを個人的に気にしていました。しかしCWでの追い切りを見ていると、安定したフォームで走れており、逞しくなったからこそ、これでいいのかなといった感じ。

 最終追い切りはアキトクレッセントを追走するCWでの併せ馬でしたが、内から楽に先着すると思いきや、最後は相手の方が脚色がいいくらいでの同入。これについて、どうなんだろうと首を捻りましたが、相手は動く馬ですし、昨年の最終追い切りは同入といっても3歳未勝利。今年は走る相手でもそれなりに動くことができる、そう見た方がいいと思います。休み明けをひと叩きしている馬たちとの状態差はあるでしょうが、昨年と同じパフォーマンスを発揮できるのは間違いないでしょう。

キタサンブラック(3月29日撮影)

昨年と同じパフォーマンスを発揮できるのは間違いないキタサンブラック(3月29日撮影)


【大阪杯/アンビシャス】

 ドゥラメンテとクビ差の2着だった昨年の中山記念。当時と比較すると、明らかに余裕残しだった今年の中山記念。これについては音無秀孝調教師も承知。その上、スローペースだったレース展開が影響して4着だと思えば、ここへ向けての上昇度はかなりのものがあると思っていました。で、実際に追い切り本数を強化して、坂路で6本は昨年と同じ本数。状態に関しては、昨年同様のものを期待したくなります。

 しかし、昨年と違うのは1週前、最終追い切りでの併せ馬の動き。1週前はミッキーロケットが相手だったこともありますが、最後は突き放されました。最終追い切りは福永祐一騎手が跨って、アードラーを追走しましたが、最後まで追い抜くことができず、ラスト1Fは12.8秒。昨年の最終追い切りでは先行していたとはいえ、きっちり相手に先着していました。個人的には1週前の動きがあまり良く見えておらず、そもそもあまり高い評価ができないかもと思っていたところに、この動きを見てしまうと、という感じです。

アンビシャス(3月28日撮影)

状態に関しては昨年同様のものを期待したくなるアンビシャス(3月28日撮影)


【大阪杯/ヤマカツエース】

 前走が重賞5勝目。5歳という年齢を考えると、ここで人気しないと不思議なくらいの実績馬。有馬記念でのパフォーマンスを見ても、ここで上位争いできる実力があることは間違いないと思います。個人的には調子の波があまり変動しないタイプで、大敗している時は本州での夏競馬というイメージです。

 それを思えば、まだ寒さがある現在の気候はいいと思います。だからというわけでもありませんが、追い切りの動きが抜群。最終追い切りは単走でしたが、無駄のない、しっかりとスピードが乗った走り。阪神競馬場では3着以内がありませんが、過去は条件が合わなかっただけ、というところを見せてくれるはずです。

ヤマカツエース(3月29日撮影)

ヤマカツエースは追い切りの動きが抜群(3月29日撮影)


【大阪杯/ミッキーロケット】

 前走はまさかの出遅れ。「もう大丈夫と思ったけどね(笑)。それでもメンバー最速上がりを使っているように、力は見せているから」とは音無秀孝調教師。確かに途中から動く場面がありながら、最速上がりをマークしたのは力がある証拠。追い切りでの動きも1年前とは比較にならないほど、終いがしっかりしてきました。

 それを示すような最終追い切り。アルティマブラッドを追走する内容でしたが、最後はきっちりと先着。時計は4F52.4秒、2F24.1秒。まだ余裕がある状態でこの数字をマークできるのですから素晴らしいと思います。あとはレースで普通にゲートを決めてくれれば。

ミッキーロケット(3月28日撮影)

ミッキーロケットはレースで普通にゲートを決めてくれれば(3月28日撮影)


【大阪杯/マカヒキ】

 前走京都記念は凱旋門賞以来とはいえ、少々物足りない内容。振り返ってみると、追い切りでは動けていましたが、馬体の迫力などは日本ダービー直前と比較して、かなり物足りないと思っていました。仕方ないという言葉では片づけることができない人気馬ですが、今回は前走からどのくらい上昇してくるかがポイント。

 中間は本当に入念に乗ってきました。坂路だけでなく、CWでも追い切りを消化。最終追い切りはジュンスパーヒカルを追走しましたが、最後は楽に前を捕まえる内容。一瞬での反応の良さ、フットワークがブレないあたりはさすがといった感じ。ただ個人的には漲るようなオーラを感じることがなく、雰囲気が少し物足りません。このあたりは31日まできっちり見守ってから、ウマい馬券の予想に反映させようと思います。

マカヒキ(3月28日撮影)

中間は入念だが雰囲気が少し物足りないマカヒキ(3月28日撮影)


◆次走要注意

・3/26 高松宮記念【ソルヴェイグ】(6人/9着)

 担当者に聞いても当日の状態は素晴らしかったとのこと。でも雨の影響で前に進んでいかなかったとか。◎を打っているだけに、参考にしてくださった方には申し訳ありませんが、ここはご勘弁いただきたいところ。
 今年になって馬が変わってきているのは間違いないだけに、次走以降、そしてスプリンターズSではきっちり巻き返してくれると思います。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り栗東坂路で1F11秒台なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・マーガレットS【ラプソディーア】
 武豊騎手が跨って、CWで抜群の脚捌き。時計も素晴らしく、やっぱり走るという印象でした。この中間は在厩調整とのことですので、そのあたりもいいリズムになっていると思います。デビュー勝ちのこの舞台なら。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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