競馬最前線/矢野吉彦

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「SMILE」という5つの距離区分

2017年04月01日(土)12時00分

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◆新しいG1を創設する余地はまだあると思っています

 今週は大阪杯。キタサンブラック、マカヒキ、サトノクラウンなどの役者が揃って、いいレースが見られそうです。

 このレースがG1に昇格すると聞いた時は、ほぼ同時期に行われるドバイワールドカップとの兼ね合いがどうなるのかと思いましたが、今年の顔ぶれを見ると棲み分けはうまくできたようです。まぁ、ドバイのほうはメインのワールドカップがダート戦なので、メンバーがかち合うことはないわけですけど。

 これで、春の競馬シーズンにポッカリ空いていた古馬2000メートル路線の“すき間”が埋められることになりました。もう新しいG1を創設する余地はほとんどなくなったような感じですが、私は、まだあると思っています。

 日本のレース体系は、大ざっぱに言って短、中、長距離の3つの距離で分けられていますが、競走馬の格付けに利用されるインターナショナルクラシフィケーションには「SMILE」という5つの距離区分があります。

 ご存知の方も多いでしょうが、改めて説明するとこうなります。

S=SPRINT(1000〜1300メートル)
M=MILE(1301〜1899メートル)
I=INTERMEDIATE(1900〜2100メートル)
L=LONG(2101〜2700メートル)
E=EXTENDED(2701メートル以上)

 大阪杯の昇格によって、春にはSMILEの距離区分すべてにあてはまる古馬のG1が取り揃えられました。一方で、秋にEのG1がないのはもうおわかりですよね。

 かつて3200メートルだった天皇賞・秋を2000メートルに縮めたくらいなので、これを新設するのは時代に逆行していると言われそうです。でも、SMILEの距離体系を重視するなら、思い切って菊花賞を古馬に解放するっていう“ウルトラC”があってもいいかもしれませんよ(3歳3冠の価値を優先する方々からの大ブーイングは必至?)。

 それよりも、私が「あったらいいなぁ」と思っているのが、3歳S路線のG1です。NHKマイルC、皐月賞、日本ダービーがありますからMILは揃っているんですが、SとEがありません。まぁEがないのはやむを得ないとして、SのG1はあってもいいんじゃないですか?

 桜花賞やNHKマイルCの距離でも長すぎる、という馬はいるはずです。そういう3歳馬向けに、世代限定の1200メートルのG1を春のシーズンに作るんです。ついでに、それに勝った馬が、同じ年のスプリンターズSで優勝したらボーナスを与える、というのはいかがでしょう?

 とにかく、短距離馬はマイルのG1でガマンしろっていうのは、ちょっと乱暴ですよね。これは何とかしなくちゃいけません。

 でも、実際にこれを新設するとなると、春のどの時期にやるのがベストでしょう?先の話とは矛盾しますが、勝った馬が桜花賞やNHKマイルCにも出られるような、3月上旬くらいがいいんでしょうかねぇ。
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コラムニストプロフィール

矢野吉彦
矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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