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チューリップ賞の勝ち組、負け組

  • 2017年04月04日(火) 12時00分


◆「負け組をいかに上手く買うか」

 今週の桜花賞は、ファンディーナが皐月賞に回ったことでソウルスターリングが1番人気だろうか。場合によってはアドマイヤミヤビのほうが人気ということもあるかもしれないが、僅差でソウルになるのではと思う。

 デビュー戦で多少もたついたところはあったが、それ以降は完璧な競馬を続けているソウルスターリング。普通に考えたら文句のないところなのだが、ひとつだけ気になるのがチューリップ賞→桜花賞の連携である。

 チューリップ賞が重賞に昇格した1994年以降について、桜花賞に出走したチューリップ賞組の前走着順別成績、つまりチューリップ賞の成績ごとの本番での成績は、以下のようになっている。

前走着順   着度数  勝率 複勝率 単回収率 複回収率
前走1着 [3-3-0-14] 15.0% 30.0% 18 41
前走2着 [5-2-1-14] 22.7% 36.4% 111 84
前走3着 [2-1-3-17] 8.7% 26.1% 122 80
前走4着 [3-1-0-1] 60.0% 80.0% 400 296
前走5着 [0-0-1-4] 0.0% 20.0% 0 66
前走6〜9着 [0-1-2-11] 0.0% 21.4% 0 200
前走10着〜 [1-1-0-6] 12.5% 25.0% 198 123

 以上のように、チューリップ賞組というのは「負け組をいかに上手く買うか」がテーマであり、勝ってきて今回人気というのは、リスクの高いものでもあるのだ。

 もっともソウルスターリングの場合は阪神JFも勝っているし、チューリップ賞も1番人気で1着という立場。「チューリップ賞1番人気1着」に限れば[3-1-0-1]で、スイープトウショウが5着に敗れた以外はすべて連対している。

 そう考えると、ソウルスターリングの評価を無理に下げるのではなく、他の「負け組」を世間以上に評価するという方向性が正しいのかもしれない。それはリスグラシューなのか、ミスパンテールなのか、もっと人気薄でアロンザモナなのか……そのチョイスと、3連単の並べ順が今年の桜花賞では予想のポイントになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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