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ここは二強が順当に強い!/桜花賞

  • 2017年04月06日(木) 17時59分

■桜花賞(G1・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録22頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 桜花賞というレースの「質」を端的に表しているのが、速い上がりの重要性だ。末脚のキレなしには好走できないレースといっても過言ではなく、上がり3F順位が「6位以下」だった馬は、過去10年で1頭も勝っていない。5番人気以内に限定したデータでも、なんと[0-2-1-20]で連対率8.7%、複勝率13.0%と、不振にあえいでいるのだ。対照的に「5番人気以内かつ上がり3位以内」だった馬は、連対率63.2%と高信頼度。つまり「速い上がりを確実に繰り出せる人気馬」は、信頼してナンボなのである。

 それを見極めるために活用したいのが、近3走における上がり3F順位。コレが「前2走ともに3位以内」である馬であれば、桜花賞でも高確率で好走が期待できる。さらに、当日の人気が6番人気以内であれば鬼に金棒。今年の出走馬では、アドマイヤミヤビカラクレナイソウルスターリングミスパンテールリスグラシューの5頭が、この条件をクリアしそうだ。

【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用

・コースの要所!

★人気サイドよりも、4〜9人気あたりの中穴のほうが狙ってオイシイ。
★信頼度に大きな差はないが、枠番値からは内のほうがベターと推測。
★逃げた馬も強いが、基本的には差し優勢。後方からでも相応に届く。





 バックストレッチからの発走で、高低差の大きい外回りコースをぐるりと回る、阪神芝1600m外。上がって下がって、最後にまた急坂を上がるというタフなコース設定である。1番人気の勝率、連対率は優秀だが、人気サイドのトータルでみると、信頼度は「並」程度。4〜6番人気や7〜9番人気あたりを積極的に狙ったほうが、オイシイ配当にありつけそうなイメージだ。

 枠番別データでは、信頼度に意外なほど差が出ていない。連対率などは完全に横並びで、複勝率でようやく差が出てくる。しかし、注目すべきは枠番値で、内枠である馬番1〜6番がプラス0.6という高い数値をマーク。複勝率も内枠がもっとも高いわけで、この数字以上に実際は内有利である可能性が高い。

 脚質に関しては、逃げた馬が[3-1-3-13]とけっこう残っているが、基本的に差し優勢。勝率、連対率、複勝率のいずれも、中団待機組がもっとも高くなっている。速い上がりを使える馬であれば、後方からでも届くのがこのコース。上がり上位馬の成績も良好で、末脚のキレが高いレベルで要求されている。

【レース総論】桜花賞(G1) 過去10年

・レースの要所!

★3番人気以内馬が14連対。3着は紛れるが1〜2着は順当決着傾向。
★内枠が複勝率5.0%と大不振。内容がもっとも優秀なのは中枠。
★コースデータよりもさらに差し優勢で、追い込み勢も好成績。
★軸足は必ず前走芝1600m戦組に。外国人騎手の強さにも注目。








 レースの平均配当は、単勝964円、馬連2万1394円、3連複9万4305円とバカ高。とはいえ、これは2008年の大波乱が要因で、3番人気以内[7-7-1-15]で連対率46.7%と、人気サイドの信頼度はかなり高い。3着はかなり紛れるが、連対馬が大きく紛れるレースではない──というのが、近年の桜花賞である。

 コースデータと大きく異なるのが、枠番別での成績だ。平均人気が低いのもあるとはいえ、内枠である馬番1〜6番の成績の悪さは、壊滅的といっても過言ではない。ここまで極端に内枠不利とは思えないが、この結果は念頭に置いておく必要がある。対照的に好成績なのが、中枠である馬番7〜12番。枠番値もプラス0.5と高く、文句なしに「買い」といえる内容である。

 脚質はコースデータ以上に差し優勢。後方待機組の信頼度がもっとも高いという、きわめて珍しい結果が出ている。末脚のキレ味が要求されるレースであるのは、冒頭の「特注データ」の項でも解説した通り。先行勢が買えないワケではないが、中団〜後方から差すタイプのほうが、ここは安心して見ていられる。

 前走距離別成績では、前走芝1600m戦組が圧倒的な強さ。チューリップ賞からのローテが強いのはよく知られる話だが、クイーンCやエルフィンSからのローテも要注目といえる。あとは、鞍上の乗り替わりが大幅マイナスであることや、外国人ジョッキーの猛烈な強さも、意識しておきたいポイント。最後に「小ネタ」で、なぜか3月生まれの馬が非常に弱いのも紹介しておこう。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Bコース継続。大きな有利&不利がないフラットな馬場という印象。

・天候予測
 現在の降雨が日曜日まで続く見込み。降雨量は少ないが馬場悪化も。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハービンジャー産駒○、ダイワメジャー産駒▲

 先週からのBコース替わりで、もっと前有利&内有利のバイアスになるかと思われた阪神の芝コース。実際にはそうでもなく、先行勢から差し馬までまんべんなく馬券に絡んでいた印象だ。問題は雨で、どうやら週末まで降り続きそう。馬場の悪化は避けられず、重〜不良でのレースとなる可能性もけっこう高い。

 血統面では、ディープインパクト産駒など3種牡馬の産駒をプラス評価。侮れないのがハービンジャー産駒で、信頼度に関しても、ディープインパクト産駒と互角に張り合っている。さらに回収率は単複ともに100%オーバーと、高い適性を有するのは間違いなし。というわけで、血統面での爆穴はディアドラだ。

★出走登録馬・総論×各論

 無敗の2歳女王14ソウルスターリングと、3連勝でクイーンCを制した15アドマイヤミヤビによる「二強」オッズとなりそうな、今年の桜花賞。いずれも外枠を引いたが、レースセンスの塊のような2頭だけに、大きな問題とはならなさそうだ。06リスグラシューや01ミスエルテ、16ミスパンテールなども侮れず、ハイレベルな激戦が期待される。

 当データ分析のトップ評価は、順当に14ソウルスターリング。関東馬であるのが一応はマイナス材料だが、それ以外は見事なまでにプラス材料のオンパレードだ。渋って差しが届きづらい馬場になると、この馬がさらに有利となりそう。コース適性の高さも証明済みで、さらに桜花賞と好相性の外国人ジョッキーが継続騎乗と、崩れる要素がほとんど見あたらない。

 二番手評価も順当に15アドマイヤミヤビ。カデナやアウトライアーズといった牡馬のトップクラスを百日草特別で完封し、クイーンCでも素晴らしい末脚のキレ味を見せている。こちらも、プラス評価となった項目がズラリ。ただし、距離が延びていいタイプという印象もあり、本領発揮の場は桜花賞ではなくオークスという可能性もあるか。

 三番手評価に08カラクレナイ。「フィリーズレビュー組」という大マイナスと、鞍上が乗り替わるという中マイナスもあるが、それを承知の上で狙ってみたくなる1頭だ。末脚のキレ味は極上で、阪神芝コースの適性も高く、この血統ならば距離延長もとくに問題ないはず。田辺ジョッキーらしい思いきった騎乗を期待したい。

 四番手評価に爆穴の17ディアドラ。1勝馬でもありまったく人気はないが、コレが意外に侮れないプロフィルの持ち主なのだ。近3走はいずれも上がり3F順位が3位以内で、キレ味もなかなかのもの。ハービンジャー産駒であるのも、大きなプラスといえる。大舞台に強い岩田ジョッキーらしい騎乗で、一発を期待する。

 以下は、06リスグラシュー、16ミスパンテール、03サロニカ、10レーヌミノル、01ミスエルテという評価の序列。大きな紛れはなく、あってヒモ荒れ程度──というのが、現時点における見立てである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース 大阪杯(G1)
1着 05キタサンブラック
2着 04ステファノス
3着 13ヤマカツエース

キタサンから流してヌケ(#^ω^)ビキビキ

キタサンブラックの強さは想像通り。パドックも迫力満点で、超一流馬らしいオーラが漂っておりました。しかし我ながら、ステファノスとアンビシャスを買うリズムが完全に食い違っとるなあと。アレだ、名前やキャラが似てて紛らわしいからだ(責任転嫁)! そして馬券が神がかり的に当たらないよママン!

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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