ダートグレード競走に魅せられて/荘司典子

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高レベルな混戦模様、ホワイトフーガの女王復権なるか/マリーンC

2017年04月11日(火)18時00分

注目数:8人

船橋競馬場



紛れの少ないコース、1番人気馬が安定の成績


 4月12日(水)、『第21回マリーンC』が行われる船橋競馬場は首都圏在住の私にとってホームグラウンドのひとつ。2015年6月からナイター競馬・ハートビートナイターがスタート。海が近く、これからの季節は心地よい潮風が吹く競馬場です。

 2010年にJBC競走が開催されたのを機に場内の大幅な改装が進み、さらに2013年にはパドック正面の新投票所が完成するなど今まで以上に居心地の良い競馬場になりました。

新投票所・「アタリーナ」全景


 京成線船橋競馬場前駅から3分ほど歩くと駐車場越しに見えてくる競馬場のスタンド。その手前にある巨大な白い屋根が新投票所(愛称・アタリーナ)です。印象的な曲線の屋根は「海が近いので波のイメージをモチーフにしました。さらに躍動するサラブレッドの姿も思い浮かべていただけたら」と、設計者の弁。大屋根の下からはスタンド3階に上がるエスカレーターが伸び、外観の華やかさとバリアフリーを兼ね備えた、若者から高齢者まで楽しめる場所として親しまれています。

 左回りコースは1周1400m(外回り)。コーナーにはスパイラルカーブを採用。JRAの騎手たちからも「乗りやすい」と評判のフェアなコースで、ここからアブクマポーロ、アジュディミツオー、フリオーソら多くの名馬が誕生しました。

 馬本来の力比べとなることが多い紛れの少ないコースだからこそ、船橋の重賞レースを制した馬は本物の王者。マリーンCも1番人気の活躍が目立ち、2012年のミラクルレジェンドから2013年メーデイア、2014年ワイルドフラッパー、2015年サンビスタ、2016年ヴィータアレグリアとここ5年連続JRAの1番人気馬が人気に応えています。

秋華賞でヴィブロスの2着、初ダートのパールコード


 果たして今年はどんなレースになるのか?! さっそく出走メンバーを考察していきましょう。

 今回勝利に最も近いと思われるホワイトフーガ。JBCレディスクラシックを連覇(2015年、2016年)。TCK女王盃では単勝1.7倍に推されるも3着。道中は勝ったワンミリオンスのすぐ外4、5番手でレースを進め、直線ではリンダリンダを含めた3頭の大接戦。内に進路を取ったワンミリオンスとリンダリンダに後塵を拝してしまいましたが、上記2頭の斤量はこのとき55kgでホワイトフーガは58kg。今回も斤量差が鍵となりますが、前走フェブラリーSでも牡馬に混じって9着とはいえ0.8秒差と着順ほど負けておらず、牝馬限定戦で女王の復権を狙います。

復権を期すホワイトフーガ(写真は2016年JBCレディスクラシック優勝時、撮影:高橋正和)


 現在4連勝中のワンミリオンス。TCK女王盃で女王ホワイトフーガを破り重賞初制覇。続くエンプレス杯でも危なげのない走りで1番人気に応えました。逃げていたヴィータアレグリア(昨年のマリーンCの覇者)を直線で捕らえ、外から追いすがるリンダリンダを振り切って重賞連勝。メンバー中最も勢いのある存在です。唯一の不安は距離。1600m戦は昨年4月、阪神の500万下・芝のレースで8着の経験がありますがダートでは初めて。ここまで1400m→1800m→2100mと距離を延ばして勝利を重ねてきただけに一気の距離短縮がどう出るか気になります。

4連勝中のワンミリオンス(写真は2017年エンプレス杯優勝時、撮影:高橋正和)


 タイニーダンサーはホッカイドウ競馬所属時代にエーデルワイス賞と北海道2歳優駿を制したのちJRAに移籍。昨年は関東オークスも勝ってダートグレード競走3勝目を挙げました。その後、古馬に混じってのレースでは勝ち星を挙げていませんが、船橋競馬場初参戦となった昨年12月のクイーン賞でトロワボヌールの2着に健闘。2歳女王の成長力に期待します。

ダートグレード競走を3勝しているタイニーダンサー(写真は2016年関東オークス優勝時、撮影:高橋正和)


 今回のレースを面白くしているのが初ダートのパールコード。昨年秋の秋華賞でヴィブロスの2着。ご存知の通り先日のドバイターフで海外GIを制覇したヴィブロスとの着差は1/2馬身。父はドバイワールドCを制したヴィクトワールピサ。芝の素質馬がダートでどんな走りを見せてくれるのか目が離せません。

初のダート挑戦となるパールコード(写真は2016年新馬戦優勝時、(C)netkeiba)


 今回は地方勢にも強力な有力馬が2頭。

 まずはリンダリンダ。TCK女王盃、エンプレス杯ともにワンミリオンスの2着。東京シンデレラマイルも含めると3戦連続2着。3歳で参戦した昨年のクイーン賞では4着でしたが、その後着実に力を付け、ダートグレード競走でJRA勢を相手に互角に戦える存在となりました。連続2着の悔しさを晴らし、東京プリンセス賞以来の勝利を挙げることができるでしょうか。打倒JRA勢の有力候補です。

前走のエンプレス杯ではワンミリオンスに続く2着だったリンダリンダ(写真は2016年東京プリンセス賞優勝時、撮影:武田明彦)


 2頭出しの大井・荒山勝徳厩舎からもう1頭の有力馬はララベル。ローレル賞、東京2歳優駿牝馬、浦和桜花賞、ロジータ記念、しらさぎ賞を制している南関東競馬の重賞ウイナー。状態次第ではこちらも上位を狙える1頭です。

南関東の重賞を5勝しているララベル(写真は2016年しらさぎ賞優勝時、撮影:武田明彦)


 ホワイトフーガとワンミリオンスが人気を集めそうですが、ここで挙げた6頭すべてそれぞれに魅力があり、高いレベルでの混戦模様となりそうな今年のマリーンC。近年はJRA勢の勝利が続いていますが、2007年のトーセンジョウオー(船橋)以来10年ぶりの地方馬の勝利も夢ではありません。世代別ではホワイトフーガとララベルが5歳。ワンミリオンス、タイニーダンサー、パールコード、リンダリンダが4歳と世代対決にも注目。様々な見どころ満載の中身の濃い一戦となりそうです!

※次回の更新は4月18日(火)18時。大井競馬場で行われる「東京スプリント」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。
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コラムニストプロフィール

荘司典子
荘司典子
埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。