◆重要なのは「前走の使い方」 過去10年の皐月賞で複数の勝ち馬を出しているのはネオユニヴァースとステイゴールド。
そして3着以内馬を最も多く出しているのはディープインパクト。同産駒が出走するようになったのは、11年以降の6年。それでも3着内数は圧倒的な差。
圧巻は昨年の1-3着独占。14年末に中山芝は路盤改修を行いましたが、それも明らかに有利に働いています。
皐月賞のディープ産駒の取捨でまず重要なのは、母系よりも「前走の使い方」ではないでしょうか?
前走1800mに出走していたディープ産駒は5頭が馬券に。複勝率42%。単勝、複勝の回収率はいずれもプラス収支。
一方、前走2000mに出走していたディープ産駒は8頭が出走して2頭が馬券に。複勝率25%。複勝回収率40%。
このように、同じ種馬でも「前走の使い方」によって、成績の傾向が出るのは、競争馬はおそらく「自分が走る距離を自覚していないから」。
よって、今回のレースで発揮するパフォーマンスは「前走までの経験の刷り込み」によって変わるのでしょう。
もっとも「前走1800m以下経験」が有利なのは、ディープインパクト産駒に限ったことではありません。
特に馬場改修後の、近2年は前走1800m経験馬が有利。昨年は1、3着が前走1800m組。一昨年は1-3着が前走1800m組。
馬場改修だけではなく、2、3歳の中距離重賞が増えた番組体系の変化。出走馬の相対的な質の変化も影響しているでしょう。簡単に言えば、以前よりも2000m重賞は出走頭数も減り、流れもますます緩くなっているのです。
それを意識しているのか、偶然なのか、皐月賞に駒を進めた池江厩舎の2頭は、芝2000mを一切経験せずに当レースへ駒を進めました。
アルアインは父がディープインパクト。ペルシアンナイトは父がハービンジャー。いずれも芝1800m以上の方が成績が優秀な種牡馬。
にもかかわらずマイルのレース経験が豊富なのは、母系や自身のマイル適性が高いのでしょう。そして、再三書いているように、当レースは1800m以下のスピード指向に向いた馬が有利。特に馬券になった馬の父自体は中長距離で結果を出している種馬。皐月賞に向く傾向の2頭。
その他ではアウトライアーズは父がヴィクトワールピサ。ヴィクトワールピサの父父サンデーサイレンスも皐月賞馬を複数出しましたが、父のネオユニヴァースも産駒が皐月賞を連覇。
さらに、前走は1800mを経験。2走前はマイルで優勝。産駒も自身も芝2000m以上で実績を残す種馬ながら、マイル指向の経験、実績を積んできたのは当レースを迎えるには有利。
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