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皐月賞は“上がり3ハロン理論”を頼りにする

  • 2017年04月15日(土) 12時00分


◆去年の皐月賞1〜3着馬、おととしの勝ち馬もそうだった

 いやぁ、ビックリしましたね。と言っても、ソウルスターリングが負けたことに、ではありません。(同馬が牝馬同士のレースで負けたにもかかわらず)皐月賞の前々日発売で牝馬のファンディーナが1番人気になったことに、です。しかも、1.8倍のダントツ人気になるなんて。

 私の想定が甘かったのかもしれませんが、今回の皐月賞の上位人気は割れると思っていました。そこで調べておいたのが、近年の皐月賞で単勝オッズ10倍未満の馬が多くいた年のこと。netkeiba.comのデータベースでオッズの情報を見られるのは1986年以降なので、とりあえずそこから去年までの31年間を調べてみました。

 その結果、オッズ10倍未満の馬が最も多かったのは、1989、90、96、2003、10、14年の各5頭だったことが判明しました。以下は、この6回で1〜3着に来た馬の人気順一覧です。

89年=3、7、2
90年=3、1、2
96年=4、1、9
03年=1、2、3
10年=1、6、11
14年=2、1、8

 1番人気馬が馬券対象になったことが5回あり、1〜3番人気馬のうちの1頭は必ず馬券圏内に来ています。今年の皐月賞で単勝オッズ10倍未満の馬が5頭以上になりそうだったら、これをヒントに狙い目を決めようと思っていたんですけど…。

 でも、そこでくじけているわけにはいきません。別の視点でレースを考えることにしました。それは、“上がり3ハロン理論”。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、去年の皐月賞1〜3着馬は、“デビュー以来すべてのレースで、上がり3ハロンのタイムがメンバー中最速だった馬”でした。さらに、おととしの勝ち馬もそうだったんです。

 そういう馬は強い、と考えれば、今年もそれを頼りにする作戦で行く、というのはいかがでしょう?

 今回、これに当てはまる馬は、カデナ、レイデオロとファンディーナの3頭。ウーン、ここにファンディーナがいるわけですねぇ。

 ただし、ファンディーナにとっては8番枠というのが問題です。皐月賞でこの枠に入った馬が馬券対象になったのは04年3着のメイショウボーラーが最後。2着馬は1981年のロングミラー、優勝馬は1961年のシンツバメ以来現れていません。出走頭数の違いはあっても、皐月賞の8番枠は内と外から挟まれて走りにくい枠番なのかもしれません。

 となると、やはりここは牡馬で弥生賞を制したカデナを頼りにするべきなんでしょうね(レイデオロは休み明けなので割り引きました)。ついでに穴馬として、デビューから前走までの全レースで、上がり3ハロンのタイムが2位以内だったスワーヴリチャードとアウトライアーズを挙げておくことにします。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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