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セレクトセールで1億3500万円の値がついたディープ産駒サトノオンリーワン

  • 2017年04月19日(水) 12時00分
≪2歳≫

キューグレーダー(牡 美浦・栗田徹 父ダノンシャンティ、母バグダッドカフェ)
 母バグダッドカフェは「Broken Vow×Honor Grades×Hold Your Peace」というパワー型のアメリカ血統を重ねており、現役時代にダート短距離で1勝を挙げた。父ダノンシャンティは現役時代に芝1600mのJRAレコードを樹立し、代表産駒のスマートオーディンは京都新聞杯(GII)など芝重賞を3勝しているが、この母との配合ではパワー型となりそうだ。同産駒のなかではサイタスリーレッドのようなダート短距離タイプだろう。ミルレーサー≒Gana Facil 3×4、Millicent≒Mill Reef≒Homespun≒Secretariat 5・6・6×5・5はおもしろい。

サトノオンリーワン(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母クリームオンリー)
 全兄ソールインパクトは東京スポーツ杯2歳S(GIII)3着、ホープフルS(GII)4着、京成杯(GIII)4着などの成績があり、現在1000万条件だが、クラス最上位の実力馬なのでもうじき勝ち上がる可能性が高い。本馬は2016年のセレクトセール1歳セッションで1億3500万円の値がついた。母の父Exchange RateはトムフールH(米G2・ダ7f)の勝ち馬。血の質はやや硬めで、ダートあるいは洋芝の短距離、というタイプ。同馬の代表産駒の1頭でアップルブラッサムH(米G1・ダ8.5f)を勝ったアーマインも日本に輸入されており、ディープインパクトとの間にキングオブアームズ(16年共同通信杯-GIII・7着)を出している。本馬の母クリームオンリーは米15戦3勝。パワー型のアメリカ血統で構成され、ダート8ハロンのステークスを勝っている。本馬はディープインパクト産駒らしい追って味のあるタイプというよりも、リアルインパクトのようなスピードの持続力を活かした先行型のマイラーだろう。

ハヤブサレジェンド(牡 美浦・伊藤圭三 父ヘニーヒューズ、母イチゴイチエ)
 母イチゴイチエは現役時代に3勝を挙げた。その血統は非常におもしろく、ビワハイジの母アグサンのファミリーから誕生し、父はマンハッタンカフェ。ビワハイジとマンハッタンカフェはいずれもドイツ血統のSanta Lucianaのファミリーに属しているので、イチゴイチエはSanta Luciana 3×4という牝馬クロスを持っている。いかにも繁殖牝馬向きの配合構成だけあって産駒成績は上々。初子のダイシンサンダー(父アドマイヤムーン)はOPで走っており、いずれ重賞でも上位争いをするかもしれない。本馬の父はヘニーヒューズ。日本で走った同産駒のマル外は14頭中11頭が勝ち上がり、そのなかからモーニン、アジアエクスプレス、ヘニーハウンド、ケイアイレオーネと4頭の重賞勝ち馬が出ている。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ミュージアムヒル(牝 美浦・古賀慎明 父ハーツクライ、母ロレットチャペル)
 アルター(現OP/父ネオユニヴァース)、チャーチクワイア(準OP/父ネオユニヴァース)、カレンバッドボーイ(1000万下/父ディープインパクト)の4分の3妹。母ロレットチャペルは現役時代に未勝利馬ながら、近親にキングストレイル、シンコウラブリイ、タイキマーシャル、ハッピーパスなど多数の活躍馬がおり、産駒成績も上々。優れたポテンシャルを秘めている。本馬はハーツクライが父。「ハーツクライ×フレンチデピュティ」はアドマイヤエイカン(15年札幌2歳S-GIII)を筆頭に、キラージョー(15年東京スポーツ杯2歳S-GIII・4着)、エクスクライム(11年函館2歳S-GIII・5着)などが出ている。晩成傾向があるハーツクライ産駒にしては珍しく2歳時から走れる産駒が目に付く。本馬もそうした活躍を期待したい。

ムスコローソ(牡 美浦・手塚貴久 父ヘニーヒューズ、母ルナレガーロ)
 母ルナレガーロは現役時代に2着が最高成績だったが、兄弟にエガオヲミセテ(98年阪神牝馬特別-GII、99年マイラーズC-GII)、オレハマッテルゼ(06年高松宮記念-GI、06年京王杯SC-GII)、フラアンジェリコ(15年京成杯オータムH-GIII)、トゥリオンファーレ(08年ラジオNIKKEI杯-GIII・3着)、エノク(10年カペラS-GIII・3着)などがいる良血。3代母ダイナカールはオークス馬で、一族にエアグルーヴ(年度代表馬)もいる。父ヘニーヒューズはパワー型のマイラーで、どちらかといえばダートのほうがいいタイプだが、本馬は母の父が芝向きのアドマイヤムーンなので、芝・ダート双方で走れるタイプだろう。仕上がりが早く2歳戦の早い時期から走れるはず。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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