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アルアイン池江師から昨年もらった“お土産”生かせず/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年04月19日(水) 18時00分


◆「いい走りをしてくれると思いますよ」

 桜花賞、皐月賞が終わっての実感は今年の3歳クラシックは本当に読みづらい。客観的に情勢を見てしまって、かえって事態を難しくしているのは職業柄仕方ないことなのか…。今、思い返すと、あの時の発言を重視していれば、もっと予想の方も…と思わずにはいられない。

 デビュー前から「なんていうか“普通の感じ”じゃないんだ。こういう馬がGIを勝つのかな」とレーヌミノルを評していたのは古川助手。8番人気での勝利で波乱に映った桜花賞も、古川助手自身はGIを勝つイメージができていたに違いない。桜花賞を制した後に当の本人に改めて聞いてみた。いったい、レーヌミノルを未来のGI馬と予想したのはどこがどう違ったからなのか?

「普通の馬なら“これ以上は伸びないな”って感じるところで止まるんだけど、この馬はそこからさらに伸びていく感じ。小倉2歳Sを勝った時も“1200メートルで終わるような馬じゃない”って言ったでしょ。馬もレースを使うごとに疲れるどころかどんどん良くなっていって。やっていて限界を感じるところがないのが並の馬とは違うところなんですよね」

 この時期の3歳GIは適性以前に、絶対能力が反映されることが多い。次走はNHKマイルCではなく、オークスに向かうことが正式に決まったが、怪物娘ソウルスターリングを破った実力をもってすれば、“春2冠”を達成する可能性は決して小さくはないだろう。

 一方で桜花賞で敗れた他16頭の中には「道悪が敗因」と割り切れる馬が多い。阪神1600メートルから東京2400メートルに舞台が替わっても、レーヌミノルが限界を見せない走りを披露するのか、ソウルスターリングやアドマイヤミヤビが巻き返すのか、はたまた思いもよらぬニューヒロインが誕生するのか。胸が躍る一方で、予想をする立場としては今から頭が痛い。

 POGコラムを担当する身としては、こういった経験を今後の2歳馬のドラフトに生かしたいところだが、“これ”というマニュアルがそう簡単には完成されないからこそ、POGは難しく、楽しくもある。

 近年の傾向から「ディープインパクト産駒一色」と思えば、今年の牝馬路線のようにフランケル産駒をはじめとする非ディープ産駒が頑張り、「牡馬のディープ産駒がピリッとしない」などと言っていると、皐月賞では9番人気のアルアインが底力を見せつけたり…。

 ひとつ確実に言えるのは、より“精度”を増すためには、これから調教が進むにつれて出てくる関係者の手応えが重要なものになるということだ。これは昨年の当コラムでも取り上げたことなので、ご記憶の方もなかにはいると思うが、昨年「ザッツPOG」発行後に池江調教師に届けにいった際、「動かしてみて良さそうなのはアルアインだね。血統的に(将来的には)マイルに寄るかもしれないけど、(クラシックでは)いい走りをしてくれると思いますよ」という“お土産”をもらったりすることもある(どうも予想にうまく生かしきれてはいないのだが…)。

 これから2歳馬が徐々に入キュウし、調教ピッチを上げていくことになるが、今後も当コラムでは現場の「ナマの声」を、他よりも早くお伝えするつもり。来月発行の「ザッツPOG」だけでなく、オーナー別、キュウ舎別の2歳馬紹介ほか、POG情報満載な本紙を普段からお手に取ってみていただければ幸いだ。

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