◆「スローの追い比べでこそ、能力の優劣が判明する」 6歳ながらものすごい動きを取り戻した
イスラボニータ、巻き返しを図る
エアスピネルなど、マイルのチャンピオンを目指す馬がそろい、頭数は少なくても好カード。
前々走の東京新聞杯1600mで素晴らしいスピード能力と、高いマイル適性を示した4歳
プロディガルサン(父ディープインパクト)が主軸。久しぶりの勝機だろう。
マイル戦に出走は2歳初夏の新馬戦以来の2戦目だったが、断然人気のエアスピネルを鋭く交わし、マイペースの
ブラックスピネルを首差に追い詰める2着快走だった。
今回もスローに近い流れが予想されるが、東京新聞杯は「49秒8-45秒1」=1分34秒9という超スロー。ゆるい流れの追い比べは「秘めるスピード能力の優劣が判明する」とされるが、レース上がりは32秒7(10秒9-10秒8-11秒0)。このラップで逃げ込んだブラックスピネルも、上がり32秒3で追い詰めたエアスピネルもなかなかの内容だったが、中位から上がり32秒0(推定3ハロンラップ10秒8-10秒8-10秒4)でブラックスピネルの首差同タイム2着に突っ込んだプロディガルサンは素晴らしい。
一直線につづく新潟コースのスローならともかく、東京のマイル戦で上がりを3ハロン連続10秒台の「32秒0」はまずない。2013年秋、府中牝馬Sで後方から差を詰めたゴールデンナンバーが32秒0を記録しているが、勝ち負けに加わった記録としては、長い坂のある東京コースでは史上最速としていい。
マイル戦はここまでまだ2戦【1-1-0-0】。前回の金鯱賞2000mでかかり気味になって凡走しているから、ここでもう一度好内容を示すなら、同期のエアスピネル、ブラックスピネルなどとともにマイル戦にマトを絞りそうである。一歩早くマイル路線に転向し、ここまで1600m【3-1-1-0】のエアスピネルを、超スローの展開から上がりタイムで上回ってきれいに差した自信は大きい。「スローの追い比べでこそ、能力の優劣が判明する」という金言を当てはめたい。
全兄リアルスティールを身体全体のボリュームでしのぐところがあり、迫力も互角以上。兄は1800m〜2000m中心。マイラーとしてはこちらが一枚上だ。マイルにマトを絞るとき、3代母にミエスク(G1の10勝を含み、16戦12勝の名マイラー)のいる血統背景が意味を持ってくる。
完調に戻ったと思えるイスラボニータが最大の強敵。エアスピネル、ブラックスピネルはその次の評価。浜中騎手に戻る
ダッシングブレイズと、1年ぶりでも仕上がっている
クルーガーが押さえ。