ダートグレード競走に魅せられて/荘司典子

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タイニーダンサー、距離短縮で再びの輝きを!/かきつばた記念

2017年05月02日(火)18時00分

注目数:3人


牝馬に要注目のレース


 5月3日(祝・水)名古屋競馬場で行われる『第19回かきつばた記念』は、愛知県の県の花・かきつばたから命名されたレース。水辺に咲く美しい紫色の花の名にふさわしく、これまで第2回ゴールドティアラ(2000年)、第3回ブロードアピール(2001年)、第9回メイショウバトラー(2007年)、第17回コーリンベリー(2015年)と4頭の牝馬が制しています。さらに2001年はビーチフラッグ、2007年はサチノスイーティーが2着で牝馬のワンツー。2011年、2012年にはラブミーチャンが2年連続3着となるなど、ダートグレード競走で牡馬相手に上位争いをした経験がある牝馬が出走してきた場合は、必ずと言っていいほど活躍するレースです。

 そこで今回は今年3頭出走する牝馬のうち唯一、ダートグレード競走で戦ってきたタイニーダンサーにスポットを当ててみることにいたしましょう。

 タイニーダンサーは2015年、2歳の5月に門別でデビュー戦を勝利。2戦目はリンダリンダに敗れましたが、7番人気という低評価にもかかわらず2着に好走。3戦目の栄冠賞でモダンウーマン、スティールキングらを相手に重賞初制覇を飾ります。

 同年7月にはJRAの芝のレースに挑戦。函館2歳Sで4着に健闘。続くリリーCが3着、フローラルCが1着。10月のエーデルワイス賞では逃げるモダンウーマンを直線で捕らえて快勝。11月の北海道2歳優駿もスティールキング、キョウエイギアらを相手に1着となりダートグレード競走連勝を果たします。ここまででタイニーダンサーが破ったリンダリンダは後に東京プリンセス賞を勝ち、モダンウーマンは浦和・桜花賞を始め南関東競馬の重賞4勝。スティールキングはホッカイドウ競馬3歳2冠馬となり、キョウエイギアはジャパンダートダービーを制覇。いかにレベルの高いメンバーと戦って勝利を挙げてきたかがわかります。

2015年北海道2歳優駿で早くもダートグレード競走2勝目(撮影:田中哲実)


 3歳となった昨年2016年、JRAに移籍。約半年の休養後、初戦の端午S(京都・OP・ダート1400m)で8着、青竜S(東京・OP・ダート1600m)で6着と振るわない成績でしたが、京都ダート1400m、東京ダート1600mはどちらもスタート地点が芝のコース。そのためスタートで行き脚がつかなかったことが敗因と考えられます。

 JRA移籍後3戦目に選んだレースは関東オークス。川崎の2100m戦で、自身にとって一気に距離延長でしたが、好位からレースを進め見事勝利。ダートグレード競走3勝目を挙げました。

2016年関東オークスでダートグレード競走3勝目を挙げた(撮影:高橋正和)


 その後は古馬との戦いとなり7月のスパーキングレディーCはホワイトフーガの3着、8月のブリーダーズゴールドCはアムールブリエの2着と一線級の古馬牝馬を相手に健闘。9月のレディスプレリュードで7着、11月のJBCレディスクラシックで7着、12月のクイーン賞で2着という成績で2016年を終えます。

 2017年1月のTCK女王盃が8着、3月のエンプレス杯が5着、4月のマリーンCが4着と関東オークス以降勝てないレースが続いていますが、今年に入って徐々に着順を上げてきていることに注目。さらに近走は1600m〜2100mの距離を使っていて1400m戦に出走するのは昨年5月の端午S以来1年ぶり。端午Sの敗因は前述した通りで、本来は短距離でこそ力を発揮できるタイプ。

 そこで今回のかきつばた記念。冒頭で述べた通り、タイニーダンサーの重賞実績はここで好走する牝馬の条件に合致してします。さらにレーザーバレットが58kg、ドリームキラリが56.5kgという負担重量を考えると53kgはなんとも有利!久しぶりの短距離戦で改めて注目です。父は2002年のかきつばた記念の覇者サウスヴィグラス。同じサウスヴィグラス産駒のコーリンベリーも4歳でこのレースを制し、ラブミーチャンも4歳で3着に健闘しました。今後、息の長い短距離馬として活躍するためにも、このレースで大きなきっかけを掴んで欲しいと思います。

ショコラブランが最も怖い存在、地方勢は岩手のラブバレットに注目


 レーザーバレットは一昨年のかきつばた記念で2着、去年は3着。浦和のオーバルスプリントを連覇(2015年、2016年)、2015年の兵庫ゴールドTも制し、1400mの重賞を3勝しているこの距離のスペシャリスト。9歳になった今年も前走・東京スプリントで僅差の3着になるなど、まだまだ元気いっぱい。今回のメンバーでは格上の存在ですが、初めて背負う58kgが不安材料。

レーザーバレットは2016年のテレ玉杯オーバルスプリント(写真)の覇者(撮影:武田明彦)


 ショコラブランは春風S(中山・1600万下・1200m)、京葉S(中山・OP・1200m)を連勝中。ダートグレード競走初参戦、地方の競馬場も初参戦ですが、2014年かきつばた記念で2着のノーザンリバーを管理していた浅見秀一厩舎所属で、鞍上は昨年ノボバカラでこのレースを制したミルコ・デムーロ騎手(春風S以来2度目のコンビ)。末脚が活きる展開になれば、クロフネ産駒の芦毛の馬体が名古屋競馬場の直線で飛んで来るかもしれません。まとめて差し切りもあるかも!?

ショコラブランは2017年の春風S・京葉S(写真)と連勝中、ダートグレード競走初参戦となる(撮影:下野雄規)


 ドリームキラリは前走・名古屋大賞典でケイティブレイブから大きく離れた6着。1400mの経験が少ないのが気になりますが、2走前のポルックスS(中山・OP・1800m)を逃げ切ったように、今回も展開の鍵を握る1頭です。

ドリームキラリは2走前の2017年ポルックスS(写真)を勝利、展開の鍵を握る1頭(撮影:下野雄規)


 2走前の佐賀記念でロンドンタウンの2着だったタムロミラクル。55kgは魅力ですが、こちらも近走は1700m〜2000mを使っていたので久しぶりの1400mがどうでしょうか。

1400mは久しぶりとなるタムロミラクル(写真は2016年平城京S優勝時、(c)netkeiba)


 地方勢の注目は岩手のラブバレット。2015年5月のさきたま杯で4着、先行し直線で抜け出すと一旦先頭に立ち、見せ場十分の競馬をしました。その後クラスターCでは2015年、2016年ともに3着に入り、ダートグレード競走で上位争いができる存在。鞍上は岩手のリーディングトップを独走する山本聡哉騎手。各地の競馬場で活躍し、遠征慣れした人馬のコンビで昨年6着以上の着順を狙います。

クラスターCで2年連続3着など、ラブバレットはダートグレード競走でも上位争いができる存在(写真は2016年トウケイニセイ記念優勝時、写真提供:岩手競馬)


 地方勢でもう1頭忘れてはいけない存在が兵庫のトウケイタイガー。昨年JRAから兵庫に移籍後の成績は7戦5勝[5-1-0-1]で着外になったのは黒船賞6着のみ。前走・東海桜花賞ではダートグレード競走でも活躍している愛知のカツゲキキトキトを破って1着。父タイムパラドックス、母ヒノデモンテローザ、ソルテの一つ下の全弟が、名手・川原正一騎手とのコンビでどんな走りを見せてくれるか目が離せません。

 今年のかきつばた記念。実績馬のレーザーバレットが今回58kgと重い斤量を背負うこともあり、2連勝で勢いのあるショコラブランが最も怖い存在ですが、私は短距離戦に戻って再びの活躍に期待したい牝馬・タイニーダンサーを軸にして応援しようと考えています。

 相手はレーザーバレット、ショコラブランに加えて地方勢のラブバレットとトウケイタイガーの2頭。マルカセンリョウ、ヨシノイチバンボシ、ロッキーアピール、そして2014年のタガノジンガロとこれまで4頭の地方馬が勝利しているかきつばた記念。今年も上位に地方勢が来る可能性大です。

 このかきつばた記念を皮切りに、4日は兵庫チャンピオンシップ(園田)、5日はかしわ記念(船橋)と3日間連続でダートグレード競走が行われます。このコラムも3日間連続で掲載。ゴールデンウィークの豪華3連続重賞、ぜひお楽しみください!!



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。
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コラムニストプロフィール

荘司典子
荘司典子
埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。