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木幡巧也騎手鞍上、リゾネーターの4連勝に期待/兵庫チャンピオンシップ

  • 2017年05月03日(水) 18時00分


近年は伏竜Sが最重要ステップ


 5月4日(祝・木)、園田競馬場で行われる『第18回兵庫チャンピオンシップ』。7月のジャパンダートダービーを頂点とする3歳のダートグレード戦線はここからスタート。2013年のコパノリッキー、昨年のケイティブレイブのようにここを足掛かりに躍進を目指す若駒たちが集結します。

2013年優勝馬コパノリッキーは翌2014年、フェブラリーS(写真)を制しダートのトップホースへ(撮影:下野雄規)


 今回はまず、過去5年の1、2着馬がどんな経歴でこのレースに挑んだのかを探ってみることにいたしましょう。

 昨年はデビューから無敗の3連勝で前走・ヒヤシンスS(東京・OP・1600m)を勝ったゴールドドリームが1番人気で2着。勝ち馬ケイティブレイブは前走・伏竜S(中山・OP・1800m)で3着、前々走はヒヤシンスSで4着。

昨年の2着馬ゴールドドリームは今年のフェブラリーS(写真)を制した(撮影:下野雄規)


 2015年は前走・伏竜Sの1、2着馬、クロスクリーガーとリアファルが兵庫チャンピオンシップでも着順もそのままのワンツー。さらにクロスクリーガーは前々走・ヒヤシンスSで3着でした。

 2014年の1着馬エキマエの前走はヒヤシンスSで1着。500万下から3連勝での制覇。2着ランウェイワルツの前走は伏竜Sで1着、前々走はヒヤシンスS・7着。2013年の勝ち馬コパノリッキーの前走も伏竜Sで1着、前々走はヒヤシンスS・3着。2着ベストウォーリアは3歳500万下を勝ったばかり。2012年の1着馬オースミイチバンは未勝利、500万下から3連勝での制覇。2着タイセイシュバリエも500万下を勝ったばかりでした。

 こうして見ると近年の兵庫チャンピオンシップでは伏竜Sが最も重要なステップと言えます。次いでヒヤシンスSの上位馬の活躍が目立ち、その他の路線では“連勝中”など勢いがあることが大事になってきます。

リゾネーターが中心も、相手探しは混戦模様


 以上の検証を踏まえ、今年の出走メンバーを見てみましょう。

 中心となるのは最重要ステップ・伏竜Sの今年の勝ち馬リゾネーター。デビュー戦は4着でしたが、2戦目から着用したブリンカー効果で行きっぷりが良くなり、その後3連勝中。前走・伏竜Sでは好位から直線で先頭に立つと2着に4馬身差をつけての圧勝。勢いも十分でここは4連勝の可能性大。レースごとに馬体重が増え続け、前走540kgと迫力満点の大型馬。デビュー2年目の木幡巧也騎手とともに重賞初制覇を狙います。

リゾネーターは3連勝中、最重要ステップの伏竜S(写真)からここに臨む(撮影:下野雄規)


 ちなみにリゾネーターのデビュー戦は2016年8月14日の新潟6R・ダート1800m戦。その時の1着馬はご存知エピカリス。北海道2歳優駿を含む4連勝ののちUAEダービーで僅差の2着。次走はアメリカのベルモントSを予定してる同世代のトップホース。ここでもしリゾネーターが重賞制覇を果たせば2頭の重賞勝ち馬を輩出した伝説の新馬戦になるかもしれません。

 伏竜Sで8着だったシゲルコング。脚を滑らせたような形でスタートして出遅れ、それを取り戻すように追っ付けて先頭に立ちレースを進めましたが、直線手前で失速してしまいました。昨年12月の全日本2歳優駿でリエノテソーロの2着に健闘した素質馬。スムーズにレースを運ぶことができれば、先行力を活かして巻き返しがあるかも。

シゲルコングは2016年全日本2歳優駿で2着の実績がある(撮影:高橋正和)


 伏竜S組からもう1頭、7着だったノーブルサターン。スタート後徐々に先頭に立ったところで、出遅れたシゲルコングに外から一気に来られて2番手からの競馬に。道中は先行するシゲルコングと外にグランドディアマンに被せられ、精神的に苦しい競馬になりました。今回、楽にレースを進められる展開になれば、先行して残る可能性も。

 クイーンマンボは芝でデビューしましたが、2戦目でダートに矛先を変え未勝利、500万下を連勝中。ダート1800mで2戦2勝。2戦ともに上がり最速で2着に付けた着差も大きくタイムも優秀。勢い十分でこちらも期待の1頭です。

クイーンマンボはダートで2戦2勝と勢い十分(写真は2017年3歳500万下優勝時、(C)netkeiba)


 タガノディグオはデビューから9戦2勝2着5回[2-5-1-1]。着外は芝のデビュー戦のみですべて3着以内という堅実な成績。出遅れて後方からの競馬になることが多いけれど、末脚を活かして上位を狙います。2戦目から8戦続けて手綱を握る川島信二騎手は2012年にオースミイチバンでこのレースを制しているのも心強い。

 地元勢からは前走・菊水賞で3番人気4着のナチュラリーを挙げておきましょう。昨年10月の兵庫若駒賞1着馬ですが、その後は勝ち鞍が無く、このメンバーで上位争いは厳しいでしょう。とはいえ地方勢に関しては“このレースでJRA勢相手にどんな戦い方をしたか”が大事。例えば昨年6着だったエイシンニシパ。逃げ切ったケイティブレイブの2番手につけ4コーナーを回るまで粘り、その後JRA勢に交わされながらも最後にもう一度盛り返して6着。その後の兵庫ダービーで2着。続く金沢のMRO金賞で重賞制覇を果たしました。レース内容に注目しておくと、後々の地方重賞の馬券検討に役立つこと間違いなしです。

 例年通り今年もJRA勢が上位を占めそうなメンバー構成でリゾネーターに人気が集まりそうですが、相手探しは混戦模様。そのリゾネーター自身も初めての地方競馬で小回りコースへの対応は未知数ゆえ、他馬の逆転もあるかもしれません。

 レース経験の浅い3歳馬たちの戦いは未知数の部分も多い分、未来の予想をする楽しみもあります。今年の出走メンバーからコパノリッキーのようなスターホースが誕生するかもしれないと思うとワクワクしますね!

※次回の更新は明日5月4日(木)の18時。船橋競馬場で行われる「かしわ記念」のコラムをお届けします!



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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