スマートフォン版へ

狙いは桜花賞、ミッキーアイルの全妹スターリーステージ

  • 2017年05月03日(水) 12時00分
アドマイヤセレン(牝 栗東・友道康夫 父ロードカナロア、母アドマイヤオウカ)
 母アドマイヤオウカは現役時代1戦未勝利。2代母ロゼダンジュはロサード(02年オールカマー-GIIなど重賞5勝)、ヴィータローザ(03年セントライト記念-GIIなど重賞3勝)の全きょうだいにあたる良血。母の父シンボリクリスエスは、父と相性が良さそうなRoberto系で、なおかつこれも相性が良さそうなJesterを抱えている。「カナロア×クリスエス」は期待できる。本馬はラストタイクーン≒Storm Cat≒ローザネイ4・3×3という相似な血のクロスがおもしろい。芝向きのマイラー。

スターリーステージ(牝 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母スターアイル)
 ミッキーアイル(14年NHKマイルC-GI、16年マイルCS-GI)の全妹、タイセイスターリー(父マンハッタンカフェ/シンザン記念-GIII・2着)の4分の3妹。Northern Dancer 4・4×3の母スターアイルはディープインパクト向きの配合構成で、Danzig、Alydar、My Bupers、Northern Dancerの強いクロスを併せ持つのでドナブリーニ(ジェンティルドンナ、ドナウブルーの母)とよく似ている。また、2代目にデインヒルとNureyevを並べているのでキングスローズ(サトノアーサーの母)とも似ている。配合的にきわめて優れているので再現性に期待できる。全兄ミッキーアイルに迫る活躍を期待したい。桜花賞向き。

ミカリーニョ(牝 美浦・木村哲也 父ハーツクライ、母ミスエーニョ)
 ファンタジーS(GIII)を勝ったミスエルテ(父Frankel)の半妹。母ミスエーニョ、2代母Madcap EscapadeはいずれもアメリカのG1ウィナー。父ハーツクライはSeattle Slew系と相性が抜群で、この組み合わせからアドマイヤラクティ(14年コーフィールドC-豪G1)、カレンミロティック(13年金鯱賞-GII)、シュンドルボン(16年中山牝馬S-GIII)、カポーティスター(13年日経新春杯-GII)、ベルラップ(14年京都2歳S-GIII)など多くの活躍馬が出ている。本馬の母の父Pulpitは3年連続で北米リーディングサイアーとなったTapitの父で、サイアーラインはA.P.Indyを経てSeattle Slewにさかのぼる。母ミスエーニョはNijinsky≒Storm Bird 5×4・5をベースに、スピード型のアメリカ血統で構成されており、いかにも父ハーツクライにフィットしそうなタイプ。距離は万能で底力もあり、クラシック戦線の王道を歩める器だろう。

ラソワドール(牝 美浦・戸田博文 父ゴールドアリュール、母ルシルク)
 グランシルク(父ステイゴールド/15年ニュージーランドT-GII・2着、17年ダービー卿CT-GIII・3着)、クードラパン(父ダイワメジャー/16年フェアリーS-GIII・4着)の4分の3妹。父はゴールドアリュールに替わった。母ルシルクはブレイクランアウト(09年共同通信杯-GIII)やエネアド(11年東京スポーツ杯2歳S-GIII・5着)の半姉ながら、パワー豊富なDynaformerを父に持つため、ダート向きの種牡馬を付けると容易にダート向きに変質する可能性を秘めている。Dynaformerはブライアンズタイムと約8分の7同血。つまり、「ゴールドアリュール×Dynaformer」という本馬は、砂の名馬エスポワールシチー(ゴールドアリュール×ブライアンズタイム)と配合構成が似ている。ゴールドアリュール産駒は牝馬よりも牡馬が走る傾向が見られるが、本馬は母の父が大きな馬格を伝えるDynaformerなのでサイズ的には申し分ないだろう。牝馬であっても問題なく活躍できると思われる。

ジナンボー(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母アパパネ)
 母アパパネは2010年の牝馬三冠馬。翌年、ブエナビスタを破ってヴィクトリアマイル(GI)も制している。「ディープインパクト×キングカメハメハ」はデニムアンドルビー(13年フローラS-GII、13年ローズS-GII)を筆頭に成功を収めており、連対率35.6%、1走あたりの賞金額567万円という成績。ディープインパクト産駒全体は24.0%、333万円なので優れたニックスといえる。母は筋肉質で大柄な馬体をしており、Kingmambo系の長所であるフィジカル面の強さを持っていた。やや非力で小柄な父にこうした特長は合うだろう。1歳上の全兄モクレレは気性面の難しさがあり、新馬戦で6着に敗れたあと骨折が判明して休養に入っている。本馬は気性に問題がなければ芝中距離で楽しみな存在だ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング