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「やっぱりいいよなあ」と率直に呟いた1頭とは… NHKマイルC追い切りチェック!

  • 2017年05月03日(水) 18時00分


とにかく躍動感が半端ないミスエルテ

 いよいよ今週から東京競馬場でのG1が5週連続。先週の天皇賞(春)は◎シュヴァルグランでウマい馬券の予想も当てさせていただきましたが、今週のNHKマイルCは本当に難しい。だって、どの馬を軸にするか、どの馬を相手に選ぶか。さらに馬券の種類まで考えても、どこを基本に持っていけばよいか分かりません。

 ちなみに先週ならシュヴァルグランの単勝を基準として「負けるとしたらどの馬」ということを考えて馬連を選びました。配当を考えて、買い目は多くなりましたが、そこに強弱をつけたことで、当然レース回収率は100%を切らないように設定。キタサンブラックとの組み合わせでも10倍以上ついてくれたため、馬券を組み立てやすかったといってよいでしょう。

 さて、今週はまずどの馬を本命に推すべきか。最終追い切りを見る前に、ある程度は決めていたので、結局そこに落ち着くと思いますが、あとは馬券の種類とか相手とか。このあたりに頭を悩ませることになりそうです。

【NHKマイルC/カラクレナイ】

 3日11時現在、netkeiba.comの予想オッズが1番人気。桜花賞4着ならこの人気も当然かも知れませんが、今回は初めての東京競馬場。輸送に加えて、左回りが初体験など、決して楽ではない条件が多いような気がします。

 ただ、輸送があるからといって、これまでよりも時計の遅い最終追い切りになるとか場所を替えるといったことはしていません。中間も含めて、今まで通り、きっちり調教していけば結果が出る。そんな陣営の信念を感じます。よって、栗東にいる段階での状態に関しては前走時と大きく変わりないと思います。ただ個人的には後方からあの脚質で、まとめて差し切るだけのスピードと体力があるのか。その点は疑問です。

カラクレナイ(5月3日撮影)

カラクレナイは後方からまとめて差し切るだけのスピードと体力があるのか疑問(5月3日撮影)



【NHKマイルC/モンドキャンノ】

 前走スプリングSからここというローテーションは昨年から決まっていた既定路線。前走は前に馬を置くことができず、引っかかってしまいましたが、今回は競馬場も距離も違います。まして、乗り手が違うという点は最大の強み。京王杯2歳Sで騎乗したC.ルメール騎手は素晴らしい折り合いで、後の桜花賞馬レーヌミノルを差し切る脚力を見せてくれました。そして、1週前追い切りにはC.ルメール騎手が騎乗。道中は拳が全く動かない、抜群の折り合い。やっぱりこのコンビ、そんな印象です。

 最終追い切りにジョッキーは跨りませんでしたが、スマートシャヒーンが先行して、両サイドに3歳未勝利馬をおいて、実戦さながらの追い切り。隣で行きたがる素振りを見せる馬がいても、至って平然。前を追い抜くことよりも折り合い重視の動きでした。個人的には前走のように、坂路馬場で行くままの追い切りよりも、朝日杯FS2着時と同じようにCWで我慢する追い切りだった点を評価します。

モンドキャンノ(5月3日撮影)

モンドキャンノは実戦さながらの追い切りで評価できる(写真中・5月3日撮影)



【NHKマイルC/ミスエルテ】

 4戦2勝。勝ったレースはいずれも自身の上がりが33秒台、負けたレースは自身の上がりが34秒台後半よりも遅くなりました。これが馬のキャラクターを示していると思いますが、パワーがあるように見せかけて、馬体重通り、完全なスピードタイプでパワーやスタミナは兼ね備えていないと見ました。

 それは1週前追い切りを見て感じたところですが、とにかく躍動感が半端ないですよね。馬場が緩かったり重かったりすると、我慢している時にスタミナをなくしてしまうのでしょうね。下が走りやすいと、その跳ね返りで脚がたまり、結果的に素晴らしい伸びに繋がっているように思います。最終追い切りでもそんな動きを見せていただけに、良馬場の東京芝マイルなら、ここ2戦とは違った結果を期待してよいと思います。

ミスエルテ(5月3日撮影)

ここ2戦とは違った結果を期待してよいミスエルテ(写真奥・5月3日撮影)



【NHKマイルC/レッドアンシェル】

 過去4戦の調教タイプはすべて標準トラック。坂路を併用することはありませんでしたが、ここには坂路馬場へ移動することが難しい、気性的な問題があったようです。今回はその点が少し改善されたということで、坂路馬場で時計を出しており、併用系統の調教タイプで出走することになりそう。これは大きなプラス材料です。

 気性的に成長しているという意味では、1週前追い切りでの動きが目立っていました。いろんな意味で前走以上といった印象があるだけに、今回の最終追い切りで4F追いになったことは能力をフルに発揮するという意味で、かなり意味のある変化ではないでしょうか。

【NHKマイルC/プラチナヴォイス】

 率直に最終追い切りを見て「やっぱりいいよなあ」と呟いた1頭。前に2頭を見ながら、それを追いかける展開。道中は大きな差があるにもかかわらず、最後の直線を持ったままの手応えで前に並びかけるところが、走るって思わせてくれるところ。

 ただ、一気に行くと内にもたれ気味になるところはやはり課題。軽い東京芝で走ることは、能力をフルに発揮する意味で大きなプラス。初めての左回りでどんなレースをするのか。今年4戦目という意味で大きな上積みはないということも他馬との比較では歓迎できませんが、とにかくレースの位置取りひとつで十分に上位争いできるだけのスピードは持っています。

プラチナヴォイス(5月3日撮影)

十分に上位争いできるだけのスピードは持っているプラチナヴォイス(写真右・5月3日撮影)



◆次走要注意

・4/29 青葉賞【アドミラブル】(1人/1着)

 中3週で2本しか時計を出さずに使うことは音無秀孝厩舎にしては珍しい調整。しかし、これは日本ダービーを見据えた上での余裕を持たせてのこと。それでもこの時計で勝ってしまうのですから、やはり持っている能力は世代トップクラス。

 次走も中3週ですが、次はやっぱり3本の追い切りが目安になると思います。最終追い切りも4F時計は遅くてもよいので、4F目が最速になる栗東坂路での追い切り。これが理想です。

[メモ登録用コメント] [日本ダービー]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・4歳上500万下【ルドルフィーナ】
 先週の時点からCWでの動きが目立っていましたが、今週の最終追い切りではその動きが更に良化しています。追い出してからの鈍さはもともとのキャラだと思いますから、道中での行きっぷりが良いことを評価して。ですから、当然レースでもハナに立つくらいの積極的な競馬を希望します。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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