■NHKマイルC(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録25頭
【特注データ】〜レースデータより〜 レースデータの項目でも解説するが、NHKマイルCは波乱傾向が非常に強いレース。10番人気以下の大穴が、過去10年で[3-1-6-80]と10回も馬券に絡んでいる。昨年も1〜2着は人気サイドだったが、3着には12番人気のレインボーラインが激走。2007年には「1番人気が2着で3連単973万馬券」という、とんでもない荒れ方をしている。
というわけで、今回は特注データも人気薄に着目。10番人気以下馬に限定して、条件別での成績差を比較している。もっとも注目すべきは「生まれ月」で、激走例はなぜか3〜4月生まれの馬ばかり。理由や因果関係は不明ながら、回収率は単勝272%、複勝281%と、ここをベタ買いするだけでも大儲けできそうな勢いである。その他にも、前走馬体重や前走人気、乗り替わりの有無などによる成績差が目立っている。
今年の登録馬に「オール該当馬」は見当たらないが、「A・B・C」をクリアする
キョウヘイ、「A・C・D」をクリアする
ガンサリュートと
タイセイスターリー、「A・B・D」を満たす
タイムトリップの4頭は要チェック。データ的には、激走があって驚けない存在といえる。
【コース総論】東京芝1600m Aコース使用
・コースの要所!
★人気による成績の偏りが小さいコース。妙味があるのは4〜6番人気か。
★内枠に過剰人気の気配アリ。平均人気を加味すると中枠のほうが優秀。
★意外に差しが届かないコースで、先行勢の勝率がイメージよりも高い。
春だけで3回もG1が開催される「チャンピオン選定コース」が、東京の芝1600m。向正面の右奥からスタートするため、最初のコーナーまで500m以上もある。いかにも紛れがなさそうなコース形態であり、実際に人気別成績を見ても、そこに偏りはほとんど感じられない。人気サイドから大穴まで、まんべんなく馬券に絡んでいる印象だ。あえて挙げるならば4〜6番人気や10〜12番人気が妙味アリだが、個々のレースでこれを意識する必要はまったくない。
逆に、ファンが「意識しすぎ」と思われるのが枠番である。連対率や複勝率は、内枠である馬番1〜6番がもっとも高いが、その差はわずかなもの。それどころか、平均人気が9.0と飛び抜けて高いのを考えると、この成績は正直なところもの足りない。内容に関しては、枠番値がプラス0.3と優秀な中枠のほうがいいくらいだ。枠番による有利・不利はほとんどない、きわめてフラットなコースだといえる。
脚質別成績に関しても、ファンのイメージとはいささか異なる部分がありそう。「東京芝=差せる」という印象が強いが、勝率が高いのは先行勢で、4コーナーを先頭で回った馬の成績もかなり優秀。連対率や複勝率が高いのは中団待機組だが、勝率の差がここまで大きいとなると、差し優勢とはいえない。4コーナー13番手以下から突き抜けた馬が1頭しかいないというのが、それを裏付けている。
【レース総論】NHKマイルC(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は高信頼度も、大穴の激走例が非常に多いレースでもある。
★内枠は枠番値マイナス0.9と内容イマイチ。外枠のほうが面白い。
★脚質は展開次第で何でもアリ。距離短縮組の強さが目立つレース。
★儲かるのは社台グループ「以外」の生産馬。人気薄はとくに注目。
毎年のように超人気薄の激走が見られるNHKマイルC。単勝平均からして1759円と高いが、馬連は9204円、3連複は19万9063円とさらに高い。1番人気が[6-1-0-3]と好成績を残しているにもかかわらず、これだけ人気薄の激走率が高いレースというのは珍しい。勝ち馬の脚質もそうだが、何かと「両極端」な結果が出やすいレースといえそうだ。
注目すべきは枠番別成績。複勝率は内枠・中枠・外枠のいずれも16.7%と見事に横並びで、勝率や連対率にもほとんど差がない。しかし、枠番値は内枠がマイナス0.9、外枠がプラス0.7と明暗ハッキリ。回収率も「外>中>内」の順であり、ここは外枠に入った馬を狙ったほうが面白そう。人気薄も、内より外を重視する姿勢でチョイスしたい。
次に脚質。コースデータでは先行勢優勢の傾向にあったが、レースデータでは混沌としている。12連対の先行勢から入るのがもっとも手堅いとは思うが、実際には展開次第で何でもアリ。昨年2着のロードクエストや2013年の覇者マイネルホウオウ、2010年の勝ち馬ダノンシャンティのように、最後方からでも平気で突っ込んで来る。開き直って、脚質をいっさい気にしない予想もアリかもしれない。
続いて、前走距離や前走レースといった「ローテ」について。簡潔にいうと、ここへ順当に駒を進めてきたような馬ではなく、王道クラシック路線から路線変更してきた馬のほうが期待できる。芝での距離短縮組がトータル[3-7-5-33]で連対率20.8%、複勝率31.3%と好成績を残していることや、最重要トライアルであるニュージーランドT組がイマイチな成績に終わっているのが、その証明だ。
そして最後に、生産者別成績を取りあげよう。信頼度が高いのはやはり社台グループの生産馬だが、単勝回収率はわずか21%。つまり、社台グループ以外の生産馬を狙ったほうが、ここは儲けやすいということだ。昨年3着のレインボーラインや2014年3着のキングズオブザサンのように、社台グループの生産馬も穴をあけているが、4番人気以下での連対例は1回だけ。1〜2着で穴馬を狙うならば、社台グループ以外の生産馬から選んだほうがいい。
【馬場&血統総論】 ・現在の馬場
やや差し優勢も東京芝なのでこれが普通。おおむねフラットな状況か。
・天候予測
週末にかけてやや天候が崩れるも降雨はなさそう。良馬場前提で予想。
・注目血統
ダイワメジャー産駒◎、ローエングリン産駒○、クロフネ産駒△
3週目となる東京だが、引き続きAコースで開催。先週は全体的に差し優勢だった印象だが、最後の直線が長い東京芝は、これが普通といえば普通である。極端に差し有利ではない、おおむねフラットな状況といえそう。馬場のバイアスをアレコレ気にせずに済む、馬券を買いやすいコンディションである。
血統面における最大のポイントは、ディープインパクト産駒の不在だろう。東京芝1600mでも連対率30.1%とアホほど強いのだが、今年は産駒を送り込めなかった。こうなると相対的に、ダイワメジャー産駒やクロフネ産駒が有利となりそう。あとは、期間内1勝ながら好内容であるローエングリン産駒も、決して侮れない存在である。
★出走登録馬・総論×各論 ブラックオニキスがオークスに目標を切り替えたため、このままいくとエトルディーニュ、ガンサリュート、タイセイスターリーの3頭のうち1頭が除外される抽選となりそう。「大勢に影響なし」と考える人が多いかもしれないが、実際は大アリだ。なぜなら、この3頭はいずれも激走の可能性を秘める穴馬だからである。
しかもトップ評価は、その抽選対象であるガンサリュート。「アホか」と鼻で笑われるかもしれないが、本気と書いてマジで面白そうなのだ。冒頭の特注データで推した1頭であるだけでなく、毎日杯からの距離短縮組であることや社台グループ以外の生産馬であることなど、買い材料がてんこ盛り。池添騎手に乗り替わる予定であるのも、G1においては強力なプラス材料である。とにかく、まずは抽選突破を願いたい。
二番手評価にカラクレナイ。netkeiba.comでの予想オッズは、現在この馬が1番人気だ。過去10年で2頭が勝っている桜花賞からのローテで、さらに「社台グループ生産の人気馬」という強調材料アリ。ローエングリン産駒であること、M.デムーロ騎手に乗り替わる予定であることなども、プラス評価の対象である。ここでも再び、あの強烈な末脚でレースを沸かせてくれることだろう。
三番手評価にキョウヘイ。前走の敗戦で評価を下げそうだが、2走前にシンザン記念を制し、3走前には皐月賞馬アルアインとも好勝負を演じている。脚質的に展開待ちの面があるのは否めないが、ツボにハマれば強烈な末脚を繰り出してくる、NHKマイルCで一発がありそうなタイプ。G1未勝利の高倉騎手だけに、ここはがぜん力が入るはずだ。
四番手評価にボンセルヴィーソ。重賞を4戦してすべて馬券に絡むという安定感は、この混戦にあって大きな魅力だ。ダイワメジャー産駒らしい先行力と持久力の持ち主で、ここは展開利も見込めるはず。先行馬に乗せるとメチャクチャ巧い松山騎手の継続騎乗で、一挙にビッグタイトル獲得も夢ではない。
以下も、見事なまでにどんぐりの背比べ。アエロリット、ジョーストリクトリ、タイセイスターリー、エトルディーニュ、タイムトリップ、プラチナヴォイス、トラストという評価の序列である。アウトライアーズやモンドキャンノ、レッドアンシェルも実績的に侮れないが、人気になりそうなわりに強調材料に欠ける。思いきって「消し」勝負したほうが、ここは面白そうだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
京都11レース 天皇賞・春(G1)
1着 03キタサンブラック
2着 06シュヴァルグラン
3着 15サトノダイヤモンド
枠連2-3 1090円的中!
当たったのいつ以来だ(*^ω^)?というわけで、馬連(1040円)ではなく枠連を選んだのも正解、3連複(610円)を選ばなかったのも正解。アドマイヤデウスが3着に残してくれていれば、パーフェクトといっても過言ではなかったんですけどねえ(贅沢)。しかしキタサンブラック、果たしてどこまで強くなるやら……凱旋門賞、マジで楽しみかも。
※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!