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日本ダービーに出走がかなう最終便/京都新聞杯・プリンシパルS

  • 2017年05月05日(金) 18時00分


◆今回勝たないと、日本ダービーは好走も出走も難しくなる

 日本ダービーに出走がかなう最終便とあって、両レースにダブル登録した馬が多く、また、美浦の菊沢厩舎、栗東の角居厩舎は1頭ずつ使い分けることになった。指定OPのプリンシパルSで優先出走権を獲得できるのは「1着馬だけ」。

 GII重賞「京都新聞杯」の1着賞金は5400万円、2着賞金は2200万円。勝ち馬には条件賞金「2700万円」が加算されるので、日本ダービー出走可能なラインを楽に超えるが、2着の加算賞金は1100万円。全馬がここまでの条件賞金900万円以下の今年は、2勝馬が2着しても「2000万円」止まり。

 今週の2競走が終了すると、今年のボーダーラインはちょうど2000万になると見込まれるので、日本ダービー出走はかなり難しくなる。

 京都新聞杯を最終ステップに日本ダービーに出走し、「3着以内(1着2頭、2着3頭、3着1頭)に快走したのは、この重賞が5月になって17年間に計6頭いるが、みんな京都新聞杯の1着馬だったという記録がある。京都新聞杯に回った馬も、やっぱり勝たないと、日本ダービーは好走も出走も難しくなる。

 京都新聞杯は、1戦ごとにパワーアップし、追っての鋭さを増しているプラチナムバレット(父マンハッタンカフェ)のチャンス。ここ2戦より相手有利になったうえ、楽に2〜3番手で流れに乗れる組み合わせと思える。

 タフな7歳牝馬スマートレイアーの下、こちらは最初から好位差しタイプに育ててきた強みがあり、同じく人気のサトノクロニクルには新馬で勝っている。また、サトノリュウガには福寿草特別で負けているが、あのときこちらは2戦目、相手は4戦目だった。今回は順調さで追いつき、成長力で並んだはずである。

 芦毛は1979年のケンタッキーダービーなど【26-2-1-1】の伝説の名馬スペクタキュラービッドの芦毛である。能力とは関係ないが、スペクタキュラービッドに芦毛を伝えた優れたブルードメアサイアーである種牡馬プロミストランドは、サンデーサイレンスの母の祖父として登場する。

 5月に移った最初の京都新聞杯を制したのは、河内騎手のアグネスフライトだった。同馬は日本ダービー馬となっている。河内調教師の期待の大きさが伝わってくる気がする。

「プリンシパルS」は、ミッキースワローを子息の菊沢一樹騎手で京都新聞杯に出走させると同時に、こちらにはダイワキャグニー(父キングカメハメハ)で日本ダービー出走権を取ろうという菊沢隆徳厩舎の使い分けに注目。ゆったり流れること必至の平均ペース型で、セントポーリア賞を上がり33秒4(最後は推定10秒6-11秒4)で楽々と抜け出すなど、東京芝【2-0-0-0】。だからダイワキャグニーは東京に出走する。弥生賞凡走で評価は少し下がったが、東京の2000mなら巻き返せる。勝機十分だろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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