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確固たる本命馬が不在のNHKマイルC

  • 2017年05月05日(金) 18時00分


◆当たりさえすれば一定の配当は得られそう

 確固たる本命馬がいない今年のNHKマイルC。最初から人気割れするだろうし、無理にひねった穴馬を持ち出さずとも当たりさえすれば一定の配当は得られそうだ。

 桜花賞組が多く、しかも例年以上に脈がありそうなのが今年の特徴。最先着してきたのはカラクレナイだが、この馬は1400m適性があるぶん、マイルのGIで軸にはしづらい。今回人気になりそうということでなおさらだ。

 アエロリットは当時カラクレナイとクビ差。関東馬で今回は輸送のない競馬、さらに東京芝1600mの1分33秒3はこのメンバー中では光る存在。人気次第だが2頭ではこちらを重視したいように思う。

 桜花賞の着順はずっと悪いのだが、ミスエルテは馬そのものの持つスケール感で前述の2頭を逆転してきてもおかしくない。この馬も強みは決め手で、桜花賞時はそれが生かせる馬場ではなかった。時計の出る良馬場ならば、一気に進出してきても不思議はない。

 そのミスエルテが1番人気だった朝日杯で、2着したのがモンドキャンノ。スプリングS→NHKマイルCというのは、レース間隔があって距離短縮という点で理想的なローテではある。この馬の場合問題はスタミナ。朝日杯2着馬ではあるのだが、1600mは距離の上限という感じがあるしスプリングSの結果もそんな感じだった。東京のGIとなると1600mきっかりではなく、もう少しスタミナの余裕がほしい。

 スタミナに余裕があるということでは皐月賞組だろう。アウトライアーズはもともと皐月賞→NHKマイルCを意識していた馬。皐月賞では良いところを出せなかったが着差は0.6秒だし、捌きさえうまくいけば内枠もプラスになる。早くから田辺をキープするべくこのローテを決めた小島茂師の判断が生きる結果になると期待したい。

 皐月賞ではプラチナヴォイスのほうが先着しているが、この馬はラップの緩急やコーナーワークをうまく利用するタイプなので、ワンターンで直線が長いこの舞台は向くかどうか微妙に思う。それでも同じ皐月賞組のトラストよりはチャンスがあるかというところ。

 ニュージーランドトロフィー組は連対してきた馬を買わず、3着以下組を買うというのがNHKマイルCのセオリー。まずは朝日杯でも3着に来ているボンセルヴィーソだろう。あとはタイムトリップタイセイスターリーを3着に狙う手もあると思うが、そこまでシルシが回るかどうかだ。

 穴ではガンサリュートに触れておきたい。一応距離短縮組だし、父は同じレースの勝ち馬。GIに強い鞍上への乗り替わりでもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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