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年度代表馬モーリスの全弟ルーカス

  • 2017年05月17日(水) 12時00分
シエラネバダ(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母ミスパスカリ)
 スプリングS(GII)を勝ったマウントロブソン、青葉賞(GII)4着馬ポポカテペトルの全弟。母ミスパスカリはマーメイドS(GIII)3着馬で、クロフネの半妹にあたる良血。1〜3番子の成績はもうひとつだったが、4、5番子にあたる前記2頭が好成績を挙げている。その全弟にあたる本馬は期待できそうだ。母の父Mr.Greeleyは仕上がりの早さやダート向きの単調なスピードを伝える血で、ダート向きだった2番子のハワイアンソルトはこちらの影響が強く出たのだろう。マウントロブソンやポポカテペトルは父ディープインパクトの影響が感じられる。配合構成はアドマイヤダイオウ(16年若葉S-OP)、アドマイヤロブソン(17年あずさ賞-3歳500万下)の兄弟とよく似ている。芝中距離で重賞級の活躍が見込める。

シャンデリアスピン(牝 栗東・松永幹夫 父ノヴェリスト、母ダンスインザムード)
 カイザーバル(16年秋華賞-GI・3着)、ダンスファンタジア(父ファルブラヴ/11年フェアリーS-GIII)、シャドウダンサー(父ホワイトマズル/14年京都新聞杯-GII・4着)、フローレスダンサー(父ハービンジャー/京都2歳S-GIII・4着)などの半妹。母ダンスインザムードは桜花賞(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)の勝ち馬で、ダンスパートナー(95年オークス-GI、96年エリザベス女王杯-GI)、ダンスインザダーク(96年菊花賞-GI)の全妹にあたる超良血。繁殖牝馬としての能力も高い。父ノヴェリストは現2歳世代が初年度となる新種牡馬。ドイツ血統のドイツ調教馬で、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)を5馬身差でレコード勝ち(2分24秒60)するなど4ヵ国のG1を制覇した。母はどんな種牡馬を相手にしても最低1勝以上の産駒を出してきたので、ノヴェリストが相手でもそれなりの産駒を出すだろう。芝中距離向きで、本格化するのは古馬になってから。

ルーカス(牡 美浦・堀宣行 父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス)
 安田記念(GI)、マイルCS(GI)のほか香港で3つのG1を制したモーリスの全弟。2代母メジロモントレーは、牡馬相手にアルゼンチン共和国杯(GII)、アメリカJCC(GII)など4つの重賞を制した名牝だが、モガミを父に持つ和合性に乏しいステイヤー血統なので、優れた能力を持ちながらその資質をコンスタントに伝えることができなかった。母メジロフランシスも現役時代は8戦未勝利と見どころなし。繁殖牝馬としては、1〜5番子まで中央1勝(父メジロベイリー)、中央0勝(父サクラバクシンオー)、中央0勝(父アグネスデジタル)、中央0勝(父アルカセット)、中央0勝(父マヤノトップガン)という成績だったが、スクリーンヒーローを付けて誕生した6番子のモーリスが突如大噴火した。よほど配合の相性が良かったのだろう。本馬はその全弟。馬体は兄よりもひと回り小柄だが、全体の雰囲気はそっくり。大いに期待できそうだ。

レピアーウィット(牡 美浦・堀宣行 父ヘニーヒューズ、母ランニングボブキャッツ)
 朝日杯フューチュリティS(GI)とレパードS(GIII)を勝ったアジアエクスプレスの全弟。兄はアメリカで誕生し、その後日本に輸入されたマル外だったが、本馬は母が日本に輸入されたあと同じく日本に輸入されたヘニーヒューズと交配して誕生した。母はフロリダ州を中心に走り、重賞こそ勝てなかったものの、ステークスを4勝した。母の父Running Stagはヨーロッパでデビューしたあとアメリカに移籍し、香港やドバイにも遠征した国際派。ヨーロッパの芝でもアメリカのダートでも重賞を勝っている。「Orsini×アイアンリージ」という母方の血の影響か、Cozzene産駒でありながらピリッと切れる脚はなく、先行して粘るタイプの競走馬だった。父ヘニーヒューズは現役時代、ヴォスバーグS(米G1・ダ6f)、キングズビショップS(米G1・ダ7f)など6〜7ハロンの重賞を4勝。日本で走った同産駒のマル外は14頭中11頭が勝ち上がり、そのなかからモーニン、アジアエクスプレス、ヘニーハウンド、ケイアイレオーネと4頭の重賞勝ち馬が誕生している。このうちGIを制したモーニンとアジアエクスプレスは母方にCozzeneを持つという共通点がある。順調に稽古を積まれており、馬体重は兄と同様に500kgを優に超える。早期デビューから大きなところを狙えるのでPOG向きだろう。

ワグネリアン(牡 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母ミスアンコール)
 テンダリーヴォイス(15年フェアリーS-GIII・3着)、ミンネザング(現500万下)の全弟。母ミスアンコールは現役時代1勝馬で、2代母ブロードアピールは驚異的な末脚を武器にガーネットS(GIII)、根岸S(GIII)など6つの重賞を制覇した名牝。「ディープインパクト×キングカメハメハ」の組み合わせはデニムアンドルビー(13年フローラS-GII、13年ローズS-GII)などが出て成功している。これまでの兄弟は確実に1勝以上は挙げているので、この馬も最低限のラインは保証されているだろう。もちろん、馬体に大物感があれば、テンダリーヴォイスを超えてくる可能性は大いにあるだろう。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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