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混戦と言われる今年のダービー

  • 2017年05月26日(金) 18時00分


◆皐月賞が波乱だったことが、ダービーを難しくしているひとつの理由

 混戦と言われる今年のダービー。上がり馬アドミラブルが大外を引くなど枠順の有利不利も絡み、さらにややこしくなりつつある。

 皐月賞が波乱だったことが、ダービーを難しくしているひとつの理由だ。皐月賞馬アルアインはもともとマイルにこだわっていた時期があるので、距離が不安とも思われているのだろう。ただ位置は取れる馬だし、距離も先週のレーヌミノルのようなレベルの不安というわけではない。枠も内半分を引いたし、なんらかのシルシは必要かと思う。

 ペルシアンナイトはハービンジャー産駒のなかでは決め手もあるタイプ。皐月賞は持続力型の有利なレースだったと思うが、上がり偏重の競馬になってもある程度対応できそうだ。戸崎騎手とこのコースの相性も良い。

 ダンビュライトは明らかにキレるタイプではなく、スロー寄りになると厳しい。内枠も気性的に微妙なようだが、位置もとれる馬なので、出していって好位から自分で競馬を動かしていけば、キレ負けしないですむかもしれない。

 逆に同じくキレないタイプのレイデオロは後ろから進める馬だし、自分で競馬は作れない。展開待ちの立場だ。

 皐月賞の負け組ではスワーヴリチャードに魅力を感じる。手前を替えなかった云々もあるが、前走はレースの進め方も明らかに失敗。内枠からの好スタートを放棄する差し策で、しかも直線は相対的に伸びない外からとなった。逆に言うと今回は上昇要素がたくさんある。

 カデナは前走の流れだと、この馬の持ち味である決め手が生きない。今回うってかわってスローになることを望んでいる1頭だろう。ただ外寄りを引いたのでうまく壁を作れるかどうか。壁を作ることが自己目的化してしまうと、今度は位置が後ろになりすぎる。

 別路線組ではやはりアドミラブルが気になるが、枠は正直悪い。ただ調教の動きなども含めて、馬そのものは本当に良くなっている。この枠でもなお買いたくなる馬だ。

 枠も悪くない別路線組というとサトノアーサー。潜在能力の高さはこの中でも上位だが、動きたいときにすっと動けないところが課題。多頭数競馬の経験もないし、狭いところを縫うような競馬ができるかどうかは微妙。

 ダイワキャグニーはプリンシパルSの勝ちっぷりが良かったが、このローテ自体好走例が少ない。また、混戦すぎてこの馬までシルシが回らないというのが本音だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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