祐言実行/福永祐一

【ユーイチの眼】ダービー回顧『攻めたクリストフと攻めなかった自分』

2017年05月30日(火)18時01分

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祐言実行

▲カデナで挑んだダービー、自身の騎乗と勝ったルメール騎手の騎乗を分析


なぜ、クリストフはあそこから動けたのか


 カデナで挑んだダービーは、後方から伸び切れずに11着に終わった。攻めたクリストフと攻めなかった自分──正直、騎手としての技量の差を痛感した一戦だった。

 カデナ自身は、これまで乗ってきたなかで一番といえるコンディションだった。精神的にも落ち着いていたし、体も増えていて、中間で食べていたぶん、筋肉の質が違っていた。それだけに、なんとかいい結果を出したかったのだが…。

 振り返ってみて、自分とカデナにとってのポイントは2つあった。まずは1コーナーの入り。スタートはいつも通りというべきか、半馬身ほど遅れ、結果、周りから寄られてやや後ろのポジションに。内にスワーヴリチャード、斜め外前方にレイデオロ、斜め外後方にアドミラブルという隊列で、内外どちらに進路を取るか、一瞬の逡巡の末、自分は外を選択。あのとき内を選んでスワーヴの後ろをついていけば、もう少しロスのない形で直線に向けたのでは──結果論ではあるが、レース後にVTRを見て、ひとつの反省点としてその思いは残った。

 レイデオロを斜め前に見る形で進み、向正面に入ったところでクリストフが動いた。ここが2つめのポイント。次の瞬間、ミルコも動く気配を見せたが、すぐにストップをかけたように見えた。自分も、レイデオロを追いかけるべきか、ミルコが上がっていくなら後ろを付いて行こうかなど迷いはあったが、結果、動かないことを選択。いや、正直に言えば、動けなかったのだ。...
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祐言実行とは

2013年、念願のJRA賞最多勝利騎手に輝き、いまや押しも押されもせぬトップジョッキーのひとりとして、日本競馬界を牽引する福永祐一。“福永洋一の息子”として、長年プレッシャーと戦いながら、ときに挫折を味わいつつも、決して自分自身と向き合うことを恐れなかった。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線で語るレース回顧『ユーイチの眼』や最新の『喜怒哀楽』、さらには福永祐一のルーツに迫る『祐一History』など、盛りだくさんの内容でお届けするコラム。彼のバイタリティーのすべてがここに。

コラムニストプロフィール

福永祐一
福永祐一
1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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