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藤沢厩舎のレイエンダがかなりいいとの情報も気になるのは「ダービー連覇厩舎なし」という歴史的事実/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年05月31日(水) 18時00分


◆勢いに乗って連覇という偉業も簡単にやってのけそうなのが…

 学生時代、数学がとことん苦手だった記者も、確率には非常にこだわる。もっとも“筋金入りの文系”の場合は、理系のそれと違って基本的には丁か半かの世界。せいぜい野球の打率、防御率、スロットの確率…その程度の“経験則”から拙い結論を導こうとする。

 日本ダービーの長い歴史において、同一厩舎による連覇はない。となるとPOG的には今年、ダービーを制した厩舎は“なし”としてしまうのがスレにスレまくったギャンブラー理論。しかし、この春にノーザンファームに研修に行った某氏から「ラドラーダの2歳馬はいいですよ。完成度が文句なしに高い」という信頼度の高い情報を得ているだけに…。

 ご存じの通り、先週の日本ダービーを制したのは、このレイエンダ(牡=父キングカメハメハ)の全兄にあたるレイデオロ。ついに悲願を達成した名門・藤沢和厩舎ならば、勢いに乗って連覇という偉業も簡単にやってのけそうなのがなんとも迷いどころだ。

 一方、アドミラブルでダービー3着と涙をのんだのが音無調教師。千載一遇のチャンスを逃したトレーナーの心情は察するに余りあるが、ドライにPOG戦略を語れば今年の2歳馬は一層、指名しやすくなったと言えるのではないか。

 その音無厩舎のシエラネバダ(牡=父ディープインパクト、母ミスパスカリ)は先週中、2度目のゲート試験で見事、合格を果たした。「シーッ。ウチのは取り上げないで、放っておいてよ」と担当の橋本真助手が冗談めかして笑うのも、その乗り味にかなりの手応えを感じているからこそだろう。このまま無事に行けば、今週末開幕の3回阪神開催中でのデビューになりそう。やはり、これからも取り上げないわけにはいくまい。

 音無厩舎の要チェック馬はこれだけではない。ダービー5着で2冠制覇はならなかった皐月賞馬アルアインの全弟ダノンマジェスティ(父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ)も「放牧中のケガなどで遅れていたが、ここにきて馬が良くなってきた。もともと、そう深刻なものではなかったし、ただ進め方を遅らせただけのこと。バタバタするほどのことではないんだよ」と音無調教師。たとえデビューが遅くなったとしても、今年のアドミラブル(初勝利は3月)で培った経験が助けになるはずだ。

 他にもディープインパクト産駒のフランツ(牡=母ロベルタ)、ミッキーアイルの全妹にもあたるスターリーステージ(母スターアイル)など、音無厩舎の2歳馬の陣容は3歳世代を上回ろうかというくらい強力。今年流した涙は、来年のダービーで報われる“確率”は確実に高まっている。

 最後に妙味のありそうな即戦力候補も挙げておこう。3回阪神開催でのデビューを予定しているタニノミステリー(牡=父タニノギムレット、母ブライダルベール・松田)だ。

「今現在で430キロくらいかな。スタートが速いし、早い時期から動いてくれるのでは」と松田調教師も明るい見通しを立てている。この時期から坂路2本乗りの“マツクニ流”に耐えられていること自体が大きな強調材料だし、「ダービー馬はダービー馬から」の格言もある。ドラフトの枠に余裕がある人はぜひ、この馬もリストアップしてほしい。

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