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ミルコ or ルメール? デジャヴ or ホンコン?

  • 2017年06月01日(木) 12時00分
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ルメール or タナ〜ベ
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今年もスローに落として〜の

逃げて〜の

してやったり〜の

と思いきや、

ワオ!すぐ後ろにルメールがいるーよ!

今のルメールの好調っぷりについて、田辺リズムでトツギってみた。

今年も田辺が絶対に逃げると言いたいわけではない。
ルメールが絶対に番手につけると言いたいわけでもない。

ただ田辺がもし、シメシメと逃げたとしても、それを見越して番手につける感覚の冴えが今のルメールにはあるのではないか? と言いたいだけだ。

とはいえ、今年も田辺が逃げたら、去年のデジャヴはあり得るとも思っている。

インタビューで田辺は「逃げることも想定している」と語っていた。こう言われると素直に取れなくて「フリ?」と思ってしまうのが自分の悪いクセだけど、田辺の場合はフリではなくマジに思える。

トリッキーな騎手だけど、東京ではトリッキーは控えめだ。っていうか、東京でのトリッキーさは、スタート次第で逃げるか、逃げないかの決断に凝縮されているようにも思える。

田辺が逃げて、ルメールが番手につける。

とてもシンプルでわかりやすくベタな隊列に思えるけれど、ロゴタイプは吉田照氏の馬で、イスラボニータは社台RHの馬であることを考慮すると、この隊列は自然でリアリティを感じる。

ルメールが2番手にいたら、全騎手のマークがルメールに注がれて、田辺にとってはむしろ歓迎かもしれない。ルメールにとっても、最後の直線でロゴタイプを差すことだけに専念できるなら、それはそれでありだろう。

去年はロゴタイプが逃げて、1人気モーリスが番手だった。
モーリスはスローペースに引っ掛かりそうになりつつも、Tベリーが必死に制御して、番手で競馬をしていた。

引っかかりそうなモーリスを見て、その後ろを追走していた陣営たちは、みんなシメシメと思っていたのではないか? でも直線に向いてもモーリスを捕えることは誰もできなかった。

モーリスはモーリスで、後方の迎撃を凌ぐのがやっとで、軽快に逃げていたロゴタイプを捕えることは出来なかった。

「本当にシメシメだったのは田辺のロゴタイプだったのでした」

モーリスをルメールに置き換えると、去年が再現されそうに思えるから不思議だ。
田辺が逃げて、ルメールが番手につけて、ルメールの周囲をルメールには負けたくない騎手たちが集結する。

デジャヴ!

ロゴタイプは去年8人気だった。
予想では現在7人気。ヌヌヌ。
モーリスの替わりの1人気は予想ではイスラボニータ。ムムム。

デジャヴは整いつつあるか?

それもこれも、ロゴタイプが逃げて、番手をルメールが取ることが大前提だ。
田辺の番手を他の騎手が狙っている可能性もあるし、そもそも逃げを狙っている陣営もいるかもしれない。

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ミルコ or ルメール
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Mデムーロとルメールがいっしょに重賞に騎乗していたら、どちらかが来やすいとNHKマイルの週のコラムで書いた。

「去年は.765、今年は(その時点で).800の確率でどちらかが来ている」

そう書いた途端にNHKマイルで2騎手は馬券圏外に散った。
ルメール 3人気9着 モンドキャンノ
デムーロ 1人気17着 カラクレナイ

1人気、3人気での惨敗だから、とんだ赤っ恥だ。でも、その後の二人の活躍を見ると、やっぱりナイガシロにできないし、3連系の軸に悩んだらルメールとMデムーロで間違いないとも思う。

2017年(4月30日まで)
同時重賞騎乗 15回
どちらか、もしくはいっしょに馬券圏内に入った回数は12回。
確率.800

その後、
NHKマイル 
Mデムーロ 1人気17着 カラクレナイ
ルメール 3人気9着 モンドキャンノ
京王杯SC 
Mデムーロ 2人気1着 レッドファルクス
ルメール 3人気11着 キャンベルジュニア
ヴィクトリアマイル
Mデムーロ 5人気6着 クイーンズリング
ルメール 6人気1着 アドマイヤリード
オークス
Mデムーロ 2人気3着 アドマイヤミヤビ
ルメール 1人気1着 ソウルスターリング
ダービー
Mデムーロ 1人気3着 アドミラブル
ルメール 2人気1着 レイデオロ
目黒記念
Mデムーロ 2人気9着 ウムブルフ
ルメール 8人気1着 フェイムゲーム

NHKマイル以外ではどちらかが1着。
21回いっしょに走って、どちらか、もしくはいっしょに馬券圏内に入った回数は17回。
確率.809

5月の原動力はルメールだけど、二人の差し馬は、
Mデムーロ 10回先着
ルメール 11回先着
ほぼいっしょで、Mデムーロもナイガシロにできないことがわかる。

にしてもだ。
ダービーのルメール1着、Mデムーロ3着を見て、目黒記念は二人とも凡走するんじゃないかとニラんだら、8人気のルメールに勝たれてしまった! ひぃ〜! 
さしたる根拠もなく軽卒にニラんでもダメってことを痛感した。ニラみの眼力のない自分はなんでもかんでも二人を絡めたほうが無難ってことだろう。

取りあえず宝塚記念まではいっしょに走る機会が多そうだから、あれこれ考えずに大切にしたほうがいいと反省した。

今週は鳴尾記念と安田記念をいっしょに走る。

鳴尾記念
Mデムーロ スマートレイアー 予想1人気
ルメール バンドワゴン 予想2人気

安田記念
Mデムーロ レッドファルクス 予想5人気
ルメール イスラボニータ 予想1人気

今週も強力そうだ。どちらか1頭は馬券圏内にトツギーノしそうに思える。

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安田記念注目馬
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ロゴタイプ
ビューティーオンリー

イスラボニータとレッドファルクスをナイガシーロすることなく、タナーベとパートンに注目。

ロゴタイプは前記したとおり、なんだかんだで今年も逃げると想定。

仮に、ブラックスピネルかサンライズメジャーが逃げたとしても、番手につけられれば、流れの主導権は握れるのではないか? 主導権を握れれば田辺は上手だ。むしろ怖いのは田辺が逃げて、ブラックスピネルが番手になったとき。

先週のダービーで「なにもできなかった」と反省していた松山が「なにかをしなきゃ!」と張り切っていたら怖い。具体的に何をどうするのかわからないけれど、結果的に同厩舎のアンビシャスの援護射撃になるかもしれないし、予断は許されない。

だから隊列の期待は、前記したように「ロゴタイプ」-「イスラボニータ」の社台Fラインが望ましい。
で、思った以上に流れて、アンビシャスやレッドファルクスにちょーどいい展開になるなら、ビューティオンリーに期待したい。

ビューティーオンリーは香港で1600・1分33秒2の馬。
香港の計測と日本の計測は違う。
だいたいタイム差「1秒〜1.5秒」と言われている。

香港→日本の場合はマイナスになるから、ビューティーオンリーの持ち時計は1分32秒2〜1分31秒7と想定できる。

安田記念に3回出走したグロリアスデイズは良馬場の2回で、
1分32秒4(14着)
1分32秒2(11着)
で走った。
香港では1600を1分33秒7くらいで走っていた馬で、「1秒〜1.5秒」で変換すると、1分32秒7〜1分32秒2だから、だいたい想定どおりだ。

ロゴタイプは日本の1600では1分32秒0の時計を持っていて、香港では1分33秒6だった。「プラス1.6秒」。だいたいだ。
サトノアラジンは日本の1600で1分32秒7で、香港では1分33秒8だった。「プラス1.1秒」。これまただいたいだ。

前記したように机上の計算では、ビューティーオンリーは1分32秒2〜1分31秒7で走れると想定できる。
しかも硬い馬場希望だから、少なく見積もっても、1分32秒くらいでは走れそう。
しかも東京競馬場の勝ち負け経験のある主戦パートンが騎乗する。それなりの勝算あっての挑戦に思える。少なくともここ数年の香港馬より期待できるのではないか?

モレイラ騎乗のコンテントメントの香港での1600時計は1分33秒6。モレイラ騎乗は魅力だけど、時計の速い馬場ではビューティーオンリーの方が上ではないか? むしろモレイラは挨拶代りの東京遠征で、日本の馬でいっぱい勝ちそう。

というわけで、今年の安田記念は、去年のデジャヴと久しぶりの香港馬の好走に注目している。

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鳴尾記念注目馬
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レッドソロモン 
ミュゼエイリアン 

レッドソロモンの鞍上は岩田。鳴尾記念の岩田はナイガシロにできない。
ミュゼエイリアンはセン馬3戦目。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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