今回の『太論』はルドルフィーナでの勝利と、なんとシンガリ人気で勝利したローズプリンスダムについて語ってくれました!
前回に続き、5月のレース回顧です。前回「情けない競馬をしてしまった…」と反省しきりだったルドルフィーナでの勝利、そして、シンガリ人気で勝利をもぎ取ったローズプリンスダムの走りについて、道中の心理も含めてじっくりと振り返ります!
(取材・文/不破由妃子)
失敗を経ての勝利、本当にうれしかった
──今回も引き続き、5月のレース回顧を。5月21日、京都8R(500万下)のルドルフィーナが、昨年6月の未勝利戦に続き、小牧さんで勝利。逃げ切りでしたね。
小牧 ルドルフィーナは、前回(5月7日・京都8R)内が空いたのに、よう突っ込み切らんと、情けない競馬をしてしまったから…。勝てて本当によかったですわ。たまたま逃げる馬がいなかったし、今回も出遅れはしたけど1番枠だったからね。あの週は、この馬が一番自信がありました。
──馬にとっては初めての逃げる競馬でしたが、戸惑うようなところはありませんでしたか?
小牧 うん、なかったね。直線はもう必死やったけど、僕が(笑)。本来は逃げるタイプではないし、控えていったほうが持ち味が生きる馬だと思う。
──これまでコンビを組むこと6戦、いろんな競馬を試されてきました。
小牧 口が利かんことがあったり、ちょっと乗り難しいところがあるから。なんせ内ラチから離れない。でもまぁ、内ラチを頼らせたほうが、人間側も余裕を持って乗れるね。力があるのはわかっていたし、前回の失敗があったから、今回は本当にうれしかったです。もう少し絞れそうな気もするんで、上積みがありそうやね。
──続いては、鳳雛S(5月21日・京都10R・3歳オープン)のローズプリンスダム。シンガリ人気とは思えない強い競馬でしたね。
小牧 前に行ってほしいとの指示だったんやけど、出遅れてしまってね。だから、無理せずジッとしておこうと思って。そうしたら、砂を被って嫌がって、ふわーっとしてきたもんやから、ペースが落ち着いたところで動いていって。
──マクリ気味に上がっていって、前の2頭を外から突いて脚を使わせたのちに控える…というような、実に老獪な騎乗でした。
小牧 そうそう、前にいってた人気の2頭があそこで脚を使ってね。だからこっちが有利になった。ただ、いつもならマクリ切るんやけど、手応え的にマクれそうになかったから控えたまでで。でも直線に向いたら、あれ?って思うくらい手応えが良くて、そこからはもう必死に追いましたわ。初めて乗った馬やからわからんけど、道中も直線も、脚を使うタイミングが良かったんやろうね。勝つときはそんなもんですわ。
──見ている側としては、小牧さんがペースを自由自在に操ったような印象がありました。
小牧 そんなカッコいいもんじゃないで(笑)。ただ、確かにペースを読んでレースができたとは思う。あとね、メンコをしていて、スタート前に外したんやけど、本当は外す馬じゃなかったらしいわ。発走委員さんに「どうします?」って聞かれて、「外してもいいですよ」って言ってしまったんやけど、もしかしたらそれがよかったのかもしれんね。
──今回はシンガリ人気でしたが、もともと前走の端午S(浜中騎手騎乗)でもいいところまできていた馬ですものね(コンマ5秒差6着)。
小牧 そうそう。これまでずっと好位で競馬をしていた馬で、今回はちょっと違う展開になったけど、おそらく常に一生懸命に走る馬やと思う。そんな印象を受けたわ。
──テン乗りだったローズプリンスダムは別として、毎回レース回顧をしていて思うのは、お世辞でも何でもなく、小牧さんでしか好走していない馬がたくさんいるなということ。ルドルフィーナもそうですし。
小牧 それがベテランの味っていうやつでしょう(笑)。僕なりに一戦一戦、試行錯誤しているつもりやし。5月の頭は2週くらい勝ち星がなくてね。「あ、またリズムが悪くなったんかな…」と思ったんやけど、長引かんとホッとしたわ。
──最近は数もずいぶん乗ってらっしゃいますものね。
小牧 うん。(GIの)裏で乗ってるからね。去年のことを思えば十分や。今年は多くを望まず、与えられた馬でひとつでも多く結果を出していきたいね。それに、たくさん乗れることは本当に嬉しいことやから。去年しんどかったぶん、最近はいろんなことに感謝をしながら乗れてるわ。
最近はいろんなことに感謝をしながら乗れてるわ