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1番人気は絶対に買うべし!/エプソムC

  • 2017年06月07日(水) 18時00分

■エプソムC(G3・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜


 詳しくは後述するが、エプソムCは人気サイドが非常に強いレース。過去10年の連対馬はすべて6番人気以内で、1番人気の信頼度も非常に高い。また、コースデータでも1番人気の強さが突出しているなど、なかなか穴党泣かせのレース&コースといえる。基本的には、人気馬を素直に信頼すべきだ。

 とはいえ、人気薄がまったく買えないワケではない。3着にはそれなりに人気薄が来るケースが多く、2012年には15番人気のマイネルスターリーが激走。1〜2着は堅実に選び、3着はやや大胆に攻める──というスタンスが、もっとも好結果を呼び込めそうだ。というわけで、今回は6番人気以下馬に限定した「買い&消し」データを掲載している。

 枠番に関しては現時点では何とも言えないが、出走間隔と斤量増減から注目したいのが、トーセンレーヴマイネルハニーの2頭。いずれも「中3週より長い間隔で出走する斤量増減なし」と、激走条件にピタリと当てはまる。馬番1〜6番に入れば、なおさらアツい。逆に、中2週かつ斤量増であるバーディーイーグルあたりは期待薄だ。

【コース総論】東京芝1800m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気が異様なほど強いコース。「消し」で勝負するなど言語道断。
★枠の内外での成績差はかなり小さい。外枠でもとくに問題なさそう。
★勝率が高いのは中団待機組だが、複勝率や回収率が高いのは先行勢。





 驚いてしまったのが、東京芝1800mにおける1番人気馬の強さだ。[23-13-7-14]で連対率62.5%、複勝率75.0%と破格の数値をマークしており、回収率も単複ともに100%オーバー。他の上位人気と比較しても明らかに優秀で、ここを消して勝負するなど言語道断。1番人気は、素直に信頼すべきである。

 人気薄も買えなくはないが、1着に穴を狙うのはあまり効率が良くないはず。人気馬の1着軸から入って、相手に7〜9番人気や10〜12番人気あたりを狙うのが、もっとも適しているコースといえる。1番人気がこれほど強いコースでありながら、馬連平均8217円、3連複平均2万2419円と、悪くないリターンが期待できるのだ。

 次に枠番だが、こちらはかなりフラット。コース形態を考えると少しだけ内有利になりそうなものだが、実際の信頼度は、内でも外でもほとんど差が見られない。外枠である馬番13〜18番の枠番値が低いが、そこまで気にする必要はなさそう。他に比べれば、外枠を買いやすいコースであるのは間違いない。

 最後に脚質。直線の長い東京芝コースらしく、勝率がもっとも高いのは中団待機組だ。しかし、連対率や複勝率は先行勢のほうが上で、回収率には比較にならないほどの差が出ている。逃げた馬の複勝率も29.4%と高いことから、軸足は先行勢に置いたほうがいいはず。「人気の差し馬→人気薄の前残り」といった決着を想定して、馬券を組み立てたい。

【レース総論】エプソムC(G3) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータ同様に人気サイドの強さが目立つ。無茶な穴狙いは禁物。
★レースデータは内枠有利。平均人気も高いが、それ以上の結果を残す。
★逃げた馬の半数が馬券絡み。前有利で後方に置かれるとかなりキツい。
★4歳馬が複勝率33.3%と絶好調。前走馬体重480〜499キロ馬も高評価。








 冒頭でも述べたように、人気馬が「ものすごく強い」エプソムC。単勝平均配当が467円、馬連平均配当は1326円という低さで、連対馬はすべて6番人気以内である。さらに、1番人気が[4-3-1-2]で連対率70.0%と高信頼度であるのも、このレースの特徴。昨年も、1番人気のルージュバックが見事人気に応えている。

 そうなると厳しいのが人気薄で、ふたケタ人気はトータル[0-0-2-78]とかなりの低空飛行。「3着の穴」を狙うとしても、極端な人気薄だと手を出しづらい。狙う価値があるのはおのずと7〜9番人気あたりになるが、これを現時点で読むのは至難の業だ。ベルーフ、マイネルハニー、マイネルミラノあたりが候補と見るが、どうか。

 次に枠番だが、フラットだったコースデータとは違って、こちらはハッキリを内枠有利。信頼度、回収率ともに、内枠である馬番1〜6番が断然のトップとなった。とくに目立つのが勝率の高さで、過去10年の勝ち馬のうち、じつに7頭までが内枠。単純な内外の比較でも、明らかに内のほうが好成績だ。ここは、コースデータよりもレースデータを重視するスタンスで臨みたい。

 脚質面で真っ先に目がいくのが、逃げ馬の好成績だ。4コーナーを先頭で回った馬は[1-2-2-5]で複勝率50.0%と、なんと半数が馬券絡み。昨年はマイネルミラノが3着に粘り、一昨年はエイシンヒカリが逃げ切っている。コースデータ以上に前有利の結果で、後方に置かれるとその時点でアウトといっても過言ではないはず。軸馬には必ず、中団よりも前のポジションを取れそうな馬を選ぶようにしたい。

 年齢別で、飛び抜けて好成績なのが4歳馬である。[7-5-2-20]で連対率35.3%、複勝率41.2%という素晴らしい結果を残しており、この傾向は近年さらに強まりつつある。今年は4歳馬がアストラエンブレム、タイセイサミット、デンコウアンジュ、マイネルハニーの4頭しか登録していないが、それでもここから勝ち馬が出そうだ。

 前走距離別では、前走で芝1600〜2000m戦に出走しているのが、好走の必要条件。前走が芝1400mの京王杯SCであるダッシングブレイズは、この時点で大きなビハインドだ。あとは、前走馬体重が459キロ以下、もしくは480〜499キロであるのもプラス材料。1番人気になりそうなアストラエンブレムが、この条件をクリアしていないのは、ちょっと気がかりである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きCコース。先週の東京芝は前にやや有利な馬場だった印象。

・天候予測
 梅雨前線の北上で週末の天候が崩れそう。道悪になるケースも想定。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、メイショウサムソン産駒○、ダイワメジャー産駒▲、ブライアンズタイム産駒△

 先週の安田記念では後方から追い込んだサトノアラジンが接戦を制したが、馬場自体は前に有利なバイアスだった印象。道中のペースを考えれば前が止まるのは当然の話で、ギリギリまで逃げ粘ったロゴタイプの強さには、本当に驚かされた。ただし、今週末は雨予報で、また馬場のバイアスが変わりそう。極端に先行有利でも差し有利でもない、フラットな馬場を想定したほうがいいかもしれない。

 血統面は4種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。ディープインパクト産駒はここでも順当に強く、複勝率35.3%をマーク。それに次ぐ存在がメイショウサムソン産駒で、こちらは回収率が単複ともに100%以上という優秀な内容である。あとは、ダイワメジャー産駒とブライアンズタイム産駒も侮れないところ。逆に、クロフネ産駒は信頼度・回収率のいずれもイマイチで、高くは評価しかねる。

★出走登録馬・総論×各論

 5月に行われたメイSの1〜6着馬が揃ってエントリー。アストラエンブレム、タイセイサミット、クラリティスカイなど、この組が人気の中心となりそうだ。デンコウアンジュ、フルーキーなど重賞で好走してきた組も侮れず、そうそう順当には決まらなさそうな雰囲気である。netkeiba.comでの予想オッズでは、現在のところアストラエンブレムが1番人気に推されている。

 さんざん繰り返してきたように、ここは「1番人気が猛烈に強い」レース&コース。ならば素直に、アストラエンブレムを信頼したい。東京芝[1-1-1-0]というコース適性の高さで、4歳馬であるのも大きなプラス。前走馬体重466キロという割引材料はあるが、ダイワメジャー産駒であることなど、プラス評価となった項目も多い。

 二番手評価にマイネルハニー。前走の小倉大賞典は最下位に終わったが、その後は放牧に出て立て直されている。冒頭の「特注データ」の対象である以外にも、実績のある東京替わりや4歳馬であること、前走馬体重が480キロであることなど、プラス評価となった項目はじつに豊富。「6番人気以下かつ馬番1〜6番」であれば、さらに期待できるはずだ。

 三番手評価に、牝馬のデンコウアンジュ。ヴィクトリアマイルで2着に好走し、その力を改めて証明してみせた。ここに入ると大威張りできる近走実績であり、メイショウサムソン産駒であることや年齢、前走馬体重など、プラス評価となった項目の多さも文句なし。これなら久々に、勝利の美酒を味わえるかもしれない。

 以下は、クラリティスカイ、マイネルミラノ、ナスノセイカン、フルーキー、ベルーフ、トーセンレーヴという評価の序列。人気を集めそうなヒストリカルは、不器用な脚質が大きな減点材料となった。あとは枠番次第だが、1着候補は必ず、ひとケタ馬番に入った馬から選びたいところである。


■総論×各論・先週の馬券回顧





東京11レース 安田記念(G1)
1着 14サトノアラジン
2着 16ロゴタイプ
3着 06レッドファルクス

レッドファルクス、前が壁!(#^ω^)ビキビキ

というわけで、06レッドファルクスと04アンビシャスからそれぞれ流す馬券で勝負した安田記念。04アンビシャスはスタート直後に「あ、このノリさんは…」と察したが、06レッドファルクスのほうはけっこうアツかった(歯ぎしり)。直線で、あんなに前が開かないとは……やれやれだぜ。

※コースデータは2012年以降、血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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