競馬最前線/矢野吉彦

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駿馬の鑑別法

2017年06月10日(土)12時00分

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◆「競走馬の良否を鑑別する」ための13のチェックポイント

 安田記念は500kgを超える馬、と書いたら、ホントに来ましたね、サトノアラジンが!

 2着のロゴタイプも490kg台でしたから、今後もそういう馬を狙いましょう。「で、オマエは勝利の美酒に酔えたのか」って?それはヒミツです。

 さて、春のG1戦線も一段落。このコラムを書くためには、何かネタを探さなければいけません。と思ったら図書館へ行くのが一番、というわけで行ったのではなく、とある調査のついでに見つけたのですが、約90年前の某地方紙に「駿馬の鑑別法」と題した記事がありました。今回はこれを取り上げます。

 その記事が載っていたのは昭和4年4月13日発行の「海南新聞」(愛媛の地方紙) 。近々始まる三津浜競馬の開催にあわせて書かれたもので、「競走馬の良否を鑑別する」ための13のチェックポイントが書かれています。一部、文字が識別できないところがありましたが、おもしろいので全文をご紹介しましょう(漢字、ひらがなを現代風に書き直したところあり)。

一、頭は軽く血管が浮出ていること
二、耳は細く立っていても音響に応じて前後に回転すること
三、目は涼しく澄んでいて活気あること
四、鼻孔は成るべく大きいこと
五、頸は巾も厚さも大き過ぎないこと
六、立っている時は頭を高く上げていても走る時及び歩行の時には余り高く上げないこと
七、肩(前肢両根)はなるべく臥せているもの
八、後躯(腰角から臀端迄)はなるべく長いもの
九、後面より観て股は筋肉が強く発達しているもの
十、前膝及び後膝の上が長くて下が短く見えるもの
十一、尾毛の余り多過ぎないもの、歩く時に静かに左右に動揺するもの
十二、ろく骨が左右に張っているものがよいが、なお上下に発達していること
十三、腹が膨れていてはいけない、十分緊っていること(筆者注=漢字は推測。しまって、との表記か?)

 さらに、「全身の皮膚が薄くて艶があって被毛の少ないものがよい」、「皮下の血管が浮出て見えること」、「痩せて居るのではなく筋肉が○(1字判別不能)く発達していること」、「諸関節が発達して居る事」、「例えば岩に濡紙を張った様に感じられるのがよい」、「歩行する時に弾力がある事(肢を投げ着ける様に歩かないでバネ細工の様に歩く馬)」というのも例示されています。

 これを記者が独自に勉強して書いたのか、どこかの競馬指南書から転載したのかはわかりません。でも的を射ている部分がかなりあると思いませんか?

 馬を見極めるチェックポイントは何十年たっても変わらないのに、馬券はなかなか当たらない。これも何十年も前から変わらないのかもしれませんね。
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コラムニストプロフィール

矢野吉彦
矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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