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ベテランの復活に期待したい/エプソムC

  • 2017年06月10日(土) 18時00分


◆もうひと花咲かせられるか

 2歳馬のデビューが始まり、世代交代の波が大きくなっている。2歳戦のスタートが早まったころから、エプソムCの年齢別の成績が微妙に変化し、近年は4歳馬の成績が断然になった。

 ただ、中には「もうひと花咲かせたい」ベテランもいて、ここをステップに夏のローカル重賞に転戦を予定している。今年は、7歳以上のベテランが「7頭」も含まれている。4〜5歳馬の秋に向けた上昇度を重視するのは当然だが、人気が落ちたベテランを絡めて、春シーズンの芝では、関東の最終重賞に挑戦したい。

 この春、ソウルスターリングでオークスを、レイデオロで日本ダービーを制した美浦の藤沢和雄厩舎は、息の長い活躍を目ざすのが基本流儀に近いから、「エプソムC→夏のローカル重賞」はずっと以前からひとつのパターンだった。管理馬が多いから、いまもベテランホースはいっぱい存在する。

 7歳レッドレイヴン(父スマートストライク、母ワンダーアゲイン)の挑戦に期待したい。今回はいつもより長い休養明けだが、乗り込み量は多い。きっちり仕上がっている。この馬、入念に乗り込んで出走するため、休養明け(新馬を含む)は、【4-2-0-2】。全連対が9回なので、ほとんどがポン駆けである。叩き2戦目は【1-1-0-5】。かかげるローテーションはひと叩きして目標の一戦に…でも、買うなら休み明けなのである。

 北米で24戦7勝(G1を含む)の母ワンダーアゲインは、宝塚記念、有馬記念2勝など締めくくりの重賞に強かったグラスワンダー(父シルヴァーホーク)の全妹。全兄の日本での活躍にあやかった命名が大正解だった。休み休みのレッドレイヴンだが、タフという点では、本当はグラスワンダーに似た一面がありそうに思える。

 もう、すっかり忘れられたに近い評価だが、こと1800mでは昨年は巴賞を楽勝。中山記念では脚を余しながらドゥラメンテと0秒4差の5着がある。まだ、能力減はないはずである。今回は、デビュー戦から日本ダービーまで5戦連続して【2-1-0-2】のコンビだった内田博幸騎手に戻してきた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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