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今年はチョイ荒れ決着もあるか!?/ユニコーンS

  • 2017年06月14日(水) 18時00分

■ユニコーンS(G3・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録24頭


【特注データ】〜レースデータより〜




 今回は珍しく、騎手関連の「特注データ」をお送りする。あくまで想定ベースのものであり、最終的にどの馬にどの騎手が乗るか変わってくる可能性もあるので、そのあたりはご了承いただきたい。

 ユニコーンSのレースデータで目立っているのが、騎手が継続騎乗する場合と、乗り替わる場合での成績差だ。前者が[7-8-4-41]に対して後者が[3-2-7-86]と、ここは明らかに継続騎乗組のほうが上。両者の連対率を比較すると、約20%という大差が出ている。ここは迷わず、騎手が継続騎乗する馬を上位に取りたい。

 また、関東圏で行われるレースながら、ホームである関東所属騎手よりも、関西所属騎手や外国人ジョッキーのほうが好成績。関東所属騎手も、馬券絡みの「回数」自体は多いのだが、トータル連対率5.9%、複勝率10.9%と、信頼度はかなり低め。回収率ベースの比較でも、その差は歴然である。

 この二つをミックスしたのが、「その2」に掲載しているデータ。関東所属騎手以外が継続騎乗する馬は、信頼度、回収率ともに超優秀な内容となる。この条件を満たしそうな登録馬は、ウォーターマーズ、サヴィ、サンライズソア、タガノカトレア、テイエムヒッタマゲ、ブルベアバブーン。あとは、アンティノウスとラユロットにもその可能性がある。人気薄となりそうな馬が多いので、非常に楽しみだ。

【コース総論】東京ダ1600m

・コースの要所!

★基本的に人気サイドが強いコース。迷ったときは人気馬を信頼すべき。
★内枠不利&外枠有利。馬番1〜4番に入った馬には、大幅な割引が必要。
★先行勢が優勢も、瞬発力の要求度が高いコース。末脚のキレは要確認。






 2コーナー奥の引き込み線からの発走で、スタートからしばらく芝を走る東京のダ1600m。芝区間を走る長さが内と外でけっこう違うため、外枠のほうが有利に立ち回れる場合が多い。しかも、最後の直線が長いため瞬発力の要求度も高いという、かなりトリッキーなコース形態である。

 まずは人気別だが、基本的に人気サイドが強いコース。人気薄が買えないわけではないが、リスク相応のリターンが得られるかどうかは微妙なところだ。素直に、1〜3番人気や4〜6番人気を中心に買い目を組み立てたほうが、いい成果を得られそう。少なくとも、極端な穴狙いは避けたほうがいい。

 枠番はやはり外枠有利。単純に内外を比較したデータでも、連対率や複勝率は、外のほうが4%前後高い。回収率や枠番値も外のほうが優秀で、逆に内枠である馬番1〜4番はハッキリと成績不振。ここに入った馬は、人気でもかなり割り引いて考えるべきだ。「外枠に入った人気サイド」から流す馬券がオススメである。

 直線が長い東京コースなので差しも決まるが、トータルで見るとやはり先行勢が優勢。4コーナーを先頭で回った馬の信頼度や回収率も高く、ある程度は前のポジションを取れる馬のほうが買いやすい。ただし、瞬発力の要求度がダートコースとしては非常に高いのも事実で、上がり3F順位が3位以内だった馬は、信頼度だけでなく回収率の高さもバツグン。速い上がりが使える馬なら、中団や後方からでも「買い」となる。

【レース総論】ユニコーンS(G3) 過去10年

・レースの要所!

★連対馬20頭中18頭までが3番人気以内。もし紛れがあるなら3着か。
★内枠である馬番1〜4番はやはり大不振も、馬番5〜16番は大差なし。
★瞬発力の要求度はコースデータ以上に高い。勝つための必要条件。
★前走が地方交流か中央のOP特別で、4着以内であるかどうかも重要。









 ユニコーンSというレースの傾向をひと言で表すならば「堅い」だろう。1番人気[5-3-0-2]で3番人気以内[10-8-4-8]と、上位人気はほとんど崩れていない。対照的に4番人気以下はトータル[0-2-7-119]で連対率1.6%と、2着にくるのさえ珍しい。人気馬がここまでキッチリと結果を残している重賞というのは、かなり珍しい。

 当然ながら、平均配当も単勝487円、馬連2261円、3連複7062円という低さ。3着が紛れたケースはそれなりにあるが、1〜2着に関しては徹頭徹尾、紛れない。今年は例年よりも混戦模様だが、それでもなんだかんだで、上位人気のワンツー決着となる可能性が高い。生粋の穴党には「ケン」をオススメしたいほどだ。

 コースデータでは「内枠不利&外枠有利」だったが、レースデータでは「内枠不利」に。馬番1〜4番の成績が悪いのはまったく同じだが、その他は思ったよりも差が出ていない。信頼度が高いのは馬番9〜12番だが、平均人気が7.5と飛び抜けているので、これは当然といえば当然の結果。内枠に入った馬だけを割り引くのが正解と思われる。

 脚質別では、先行勢と中団待機組が互角に張り合っている印象。ハナに行ったり後方に置かれると厳しいが、好位〜中団のポジションが取れれば、あとは能力次第で好走可能のようだ。それよりも重視すべきなのが「末脚のキレ」で、ラストで脚色が鈍るようでは、勝ち負けに持ち込むのは難しい。

 前走クラス別では、中央のOP特別を使われてきた組や、交流重賞からのローテが好成績。中央の重賞からここに出走してきた馬は、トータル[0-1-1-21]とアテにしづらい。人気の中心となりそうなリエノテソーロには、けっこう危なっかしい面があるのだ。あとは、前走大敗からの巻き返しがきかないレースであるのも、大きな特徴。前走5着以下馬は、その時点で期待薄である。

 最後に、前走馬体重からの分析。ダート重賞なので「デカイ馬が強い」イメージだが、一概にそうとも言えないようだ。とくに目立っているのが、人気薄の好走もそれなりに期待できる、3着馬における成績差。なんと、前走馬体重が479キロ以下だった馬ばかり来ているのである。1〜2着にはOP特別や重賞に出走していた前走480キロ以上馬を狙い、3着には前走479キロ以下馬を狙う──という決め打ちも面白い。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 ダートコース。展開次第で前も粘るし差しも決まる。

・天候予測
 週末は曇り空だが降雨はなさそうな雰囲気。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ゴールドアリュール産駒◎、プリサイスエンド産駒○、ファスリエフ産駒▲

 ダート戦なので、芝ほどバイアスを気にする必要はなし。それよりも、東京ダ1600mが数あるダートの中でも有数の「差せる」コースであることを意識したい。梅雨時なので天候が気になるところだが、今のところ雨予報は出ておらず、良馬場での開催となる可能性が高そうだ。

 血統面は、ゴールドアリュールなど3種牡馬の産駒をプラス評価。ゴールドアリュール産駒が高いコース適性を有しているのは有名なところで、出走数が多いにもかかわらず勝率はトップ。単勝回収率も219%と猛烈に高く、文句なしに「買い」といえる。プリサイスエンド産駒とファスリエフ産駒も、回収率の高さは超優秀である。

★出走登録馬・総論×各論

 確実に出走できるのは4頭だけで、残りの12枠は賞金900万の19頭による抽選。netkeiba.comでの現在の予想オッズは、NHKマイルCで好走したリエノテソーロが2.4倍で1番人気に推されている。全日本2歳優駿を3馬身差で完勝した馬なのだから、それも当然といえば当然。以下はアディラート、サンライズソア、サンライズノヴァと続いている。

 しかし、リエノテソーロに関しては不安材料もある。ここで鞍上が乗り替わることや、中央重賞からのローテは大きな割引材料で、東京ダ1600mも初出走。芝での前走で素晴らしい瞬発力を見せているだけに不安はない──かもしれないが、3着あたりに取りこぼすケースも十分あるはず。その能力は高く評価するが、今回に関しては過信禁物とジャッジした。

 トップ評価はサンライズソアだ。前走で東京ダ1600mの青竜Sを制しており、ローテに関しては文句なし。冒頭の「特注データ」該当馬であるように、鞍上が継続騎乗予定であるのも大きなプラスである。好位で流れに乗れるセンスの良さや、ダートでは2戦2勝と底を見せていない点も魅力的。いかにも好走が期待できそうなプロフィルといえる。

 二番手評価にアディラート。ドバイに遠征した前走は12着に大敗したが、2走前には東京ダ1600mのヒヤシンスSで、エピカリスと0秒1差の接戦を演じている。鞍上が内田博騎手に乗り替わる想定なのはマイナスだが、先行力やこれまでの実績からも、決して軽くは扱えない1頭だ。

 三番手評価にハルクンノテソーロ。前走でサンライズソアの2着に好走しており、しかも上がりは最速。それ以前のレースでも、いい決め脚のあるところを見せている。血統面などのプラス材料もあり、中穴人気になりそうなのも魅力的。「テソーロはテソーロでもハルクンのほうだ!」となる可能性も、けっこうありそうである。

 以下は、サンライズノヴァ、リエノテソーロ、ブルベアバブーン、リヴェルディという評価の序列。もっとも、抽選の結果や、大幅割引である馬番1〜4番にどの馬が入るか未確定であるため、評価はここから大きく入れ替わりそうだ。いずれにせよ、今年は例年と違って混戦模様。とんでもなく堅いレースだが、多少の波乱は期待できるのではないか。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース エプソムC(G3)
1着 12ダッシングブレイズ
2着 10アストラエンブレム
3着 07マイネルハニー

厳選予想は当たったのに(#^ω^)ビキビキ

トップ評価の10アストラエンブレムが2着で、二番手評価の07マイネルハニーが3着。それなのに、実馬券では勝ち馬がスカッと抜けるあたりが、いかにも小林クオリティである(自嘲気味)。ここのダッシングブレイズ、データ的には買いづらいパターンなんだよなあ。3連単勝負だから、どのみち当たらないんだけどさ!

※コースデータと血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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