◆目下の勢いと、距離適性ではむしろ一枚上だろう 4歳以上のクラス再編成では、クラス移動、降格が大きなポイントになるが、1000万条件の4歳馬が新「500万」に平行移動しても、降格というほどのことはない。大半は勝てないでいたから、最下級条件に戻っただけであり、素質のある3歳馬にとっては元1000万クラスの4歳馬は、格上ではないことが多い。
今年、条件再編成後の新500万条件は、まだ最初だから3歳馬に対して4歳馬やや優勢だが、連対率では3歳馬の方が上である。ただ、オープン→1600万条件、1600万→1000万条件となると降格とするにふさわしいケースが多い。
今回の組み合わせでいえば、別定56キロの負担重量で2月の「東京新聞杯」をクビ差2着してエアスピネル(3着)に先着し、「金鯱賞」では、直後に定量57キロで大阪杯をキタサンブラックと0秒1差の2着するステファノスと同タイムだった
プロディガルサン(金鯱賞2番人気)にとっては、1000万条件を勝ったばかり、あるいは1600万条件に長くとどまっている古馬と同じ新1600万に移動するのは、これは(結果はともかく)降格といえる。
しかし、ここは前回1600万特別を自己最高の2000m1分58秒2で快勝し(事実上オープンに昇格)、直後のクラス移動で再び1600万条件から出発できる4歳
ヴォージュ(父ナカヤマフェスタ)の上昇を評価したい。2走前の初コースだった府中Sを含め、この1600万条件の2000mは3戦して【1-1-1-0】。格上がりだった昨秋の修学院Sで0秒2差の3着がもっとも悪い成績であり、素晴らしいのは距離適性。2000mは通算【4-1-1-0】である。
同じ4歳のプロディガルサン、
ドレッドノータスにオープンの戦績では見劣るが、目下の勢いと、距離適性ではむしろ一枚上だろう。
父ナカヤマフェスタ(その父ステイゴールド)は、凱旋門賞の2着馬。2000m級ではちょっと時計に物足りないところがあったが、このヴォージュは1分58秒台が2回あり、前回の1分58秒2は「59秒9-58秒3」のスローだったから、まだまだ時計短縮はある。
もちろんプロディガルサンの評価は下げられないが、上がりの速くなりそうな2000mを考慮すると、2000m【3-2-0-0】の
トーセンマタコイヤが伏兵。