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距離が延びて渋い味が出てきた/ユニコーンS

  • 2017年06月17日(土) 18時00分


◆伝統の牝系は、いまダート巧者の牝系に変化しつつある

 注目の人気馬は、NHKマイルCを1分32秒5の快時計で2着しているリエノテソーロ(父スペイツタウン)。破格の快調教をみせながら人気薄だったのは、ダート馬ではないかと思われたため。ミスタープロスペクター、セクレタリアト(ボールドルーラー)、ノーザンダンサーなどのクロスが入り乱れる中に、ストームキャット、トムフール、イージーゴア…など、アメリカを代表する名馬、名種牡馬がこれでもか、これでもかと重ねられている血統図は、異様なくらいのアメリカ血筋の集合体である。しかし、ダート専用馬ではなかった。坂のある芝コースをこなし、追って鋭く伸びたのである。

 それが、今度はダートに戻る。マイナスはほとんどなく、プラス大のはずである。信頼できそうに思える。

 調教の動きは前回と同様に鋭い。

 ただ、しいて難をいえば、前回のNHKマイルCはメジャーエンブレム(引退)を上回る時計であり、ムリ使いはしていないものの、さらに成長してパワーアップしてくれるのか。早熟型のスピード系の外国産馬が、ある日を境にパタッと平凡な馬になってしまうケースを山のようにみてきているだけに、能力は認めても、このままずっと能力を発揮してくれるかには心配もある。まして、牝馬である。

 距離が延びて渋い味が出てきた男馬のハルクンノテソーロ(父ファスリエフ)に期待したい。前回はサンライズソア(父シンボリクリスエス)に完敗だが、初距離であり、締まったダートで先行残りの馬場だった。道中もまれながら、上がり35秒4。0秒2差に追いすがった内容は悪くない。もまれるレースで結果を出したから、多頭数の東京ダート1600mで相手強化も心配ないはずである。
 
 サンデーサイレンス産駒の祖母トウカイティアラは、トウカイテイオーの半妹。ヒサトモにさかのぼる牝系はダート巧者を思わせないが、父ファスリエフ(その父ヌレイエフ)は、競走成績とはだいぶ異なり日本ではダート巧者を送る種牡馬だった。13年に死亡しているので、ハルクンノテソーロは最終世代。この世代には東京ダービー2着のキャプテンキングもいる。

 ハルクンノテソーロの母の父はトランセンドなどの父として知られるワイルドラッシュ。伝統の牝系は、いまダート巧者の牝系に変化しつつある。というより、ヒサトモの牝祖になる輸入牝馬の星友は、アメリカからの輸入馬であり、世界の名馬物語に出てくるダートの名馬コリン(ベルモントSなど15戦不敗)の近親馬である。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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