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新馬戦が面白い!(前編)――POG大魔王が語る新馬戦への道のり

  • 2017年06月26日(月) 18時01分
ジナンボー

▲6月11日の新馬戦ではアパパネの子・ジナンボーが勝利。2歳戦はこの時期から見逃せない!(撮影:下野雄規)


上半期の中央GIは全て終了し、いよいよ本格的な夏競馬に突入。これで競馬シーズンは一段落……と思われがちですが、この時期ならではの楽しみといえば、なんといっても2歳馬のデビュー。とはいえ、新馬戦なんて分からない・興味がないという人も少なくありません。そんなとっつきづらい新馬戦ならではの魅力、楽しみ方、さらには儲け方まで、2歳戦のプロフェッショナルのお二人にお聞きしました。

前編となる今回は“POG大魔王”こと丹下日出夫さんが登場。セールからクラブの募集ツアー、POGの取材まで。デビューの何年も前から、数多くの馬を見てきた丹下さんにとっての、新馬戦の位置付けとは…?



血統の精度が、勝ち負けに高い確率で繋がる


 毎年7月の第2週目は、北海道でセレクトセールが開催されます。初日は約250頭の1歳が、二日目は約230頭の当歳がセリに上場予定ですか。「セレクト」という冠がつくくらいだからこのセリに上場されている馬のカタログの1ページには、父・母系ともにブラックタイプで強調された重賞活躍馬がズラリと名を連ね、日本でもトップレベルの良血馬たちのお披露目の機会にもなっている。

 世界の競馬サークルの中にあっても、「7月第2週は日本のセレクトセール」という約束事が、競馬カレンダーとして頭の中に刷り込まれているくらいで、予想家にとっても、遠く3歳春のダービー――日本でもトップランクの血統背景を持つ同馬たちの動向と成長を待ち、いざデビュー戦でどんな印を打つか。このセレクトは、予想家にとっても、1年後もしくは2年後の新馬戦やクラシックの原石をみつけるスタートでもあります。

セレクトセール

▲昨年のセレクトセールでは「オーサムフェザーの2015」が1歳馬の最高価格で落札(撮影:田中哲実)


 JRAのひと世代の登録馬は、およそ4000頭といわれていますが、冒頭に挙げたセレクトセールでは、当歳・1歳とあわせた500頭が上場。そのくらいの頭数なら、ワタクシでもだいたいは覚えられるか。

 その他、デビュー前の1歳馬と、クラブ馬主の馬は、募集ツアーに参加したり、カタログなどがあれば、なるべくそれを見るようにし、さらに500頭以上は立ち姿など、その存在を知ることができる。この段階で、併せて1000頭以上の、ある程度名前の知られた血統馬のシルエットを頭に入れる作業を済ませておける。

 ありがたいことに最近は、鈴木淑子さんと「POGの王道」という本で、毎年3月、社台グループを中心に2歳取材を敢行。育成状況もある程度は把握できるようになった。牧場で

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