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キタサンブラックのデキはいかに? 宝塚記念最終追い切りチェック!

  • 2017年06月21日(水) 18時00分


攻め駆けする馬としては少し物足りない内容だったシャケトラ


 いよいよ、上半期を締めくくる宝塚記念。その最終追い切りが行われた21日でしたが、あいにくの雨。しかも普通の雨ではなく、暴風雨で立っているだけでびしょ濡れになってしまうくらいのひどさでした。

 運動場の砂も流れて、濁流ができるくらい。ウッドチップ馬場の状態が悪かったというよりも、雨と風の影響で時計を要する状態。CWコースでの追い切りは直線が向かい風になったので、最後の直線を余力ない状態で走っている馬は完全に止まっていました。坂路馬場はウッドチップがたっぷりと水分を含んで走りにくい状態。

 天候と馬場の状態で少し判断の難しくなる追い切り診断ですが、やっぱりグランプリ、なんとか予想的中につなげていきたいと思います。

【宝塚記念/キタサンブラック】

 昨年同様、天皇賞(春)を勝ってのローテーション。昨年は5月25日から栗東坂路で時計を出し始めて、6月に入ってからCWコースでの追い切りという調教内容でした。今年は坂路で時計を出していない分、全体的な追い切り本数は少なくなっていますが、既報されているように、追い切りではない坂路キャンターを3本乗るという調整を6月2日と6月9日に行っています。

 調教欄自体に少し変化はありますが、全体的な追い切り内容として、昨年より負荷が軽くなっている印象はありません。毎回併せ馬を行っていますし、時計も出ています。最終追い切りも3頭併せを最後方から追いかけて、最後は内に潜り込む内容。一番外にいたワキノブレイブの手応えもよかったと思いますが、こちらも当然持ったまま。時計はいつもより遅い6F82.6〜5F67.6〜4F54.2〜3F40.1〜1F11.9秒ですが、これは馬場状態。調教内容から評価を下げることはまずできないでしょう。

キタサンブラック(6月21日撮影)

調教内容から評価を下げることはまずできないキタサンブラック(写真右・6月21日撮影)


【宝塚記念/シャケトラ】

 前走は内枠で出していったら、引っかかって乗り難しくなった。ただそれだけの敗因だと思っています。個人的にはその反動がどのように出るか気になっていましたが、むしろダメージ少ない状態でここへ向かうことができた印象。もともと見映えする馬体と動きの持ち主ですが、今はそれが最高潮といった感じもします。

 それだけに最終追い切りはどれだけ動くのだろうと、かなり楽しみにしていました。3頭併せの隊列で真ん中。前にタニノアーバンシー、後ろからレッドウィズダムが追いかけてくる展開。最後の直線はタニノアーバンシーとの競り合いでしたが、相手の手応えが良すぎて、正直シャケトラが見劣ったという印象。それだけタニノアーバンシーが充実しているということもあるでしょうが、攻め駆けする馬としては少し物足りない内容でした。

シャケトラ(6月21日撮影)

攻め駆けする馬としては少し物足りない内容のシャケトラ(6月21日撮影)


【宝塚記念/ミッキークイーン】

 6月21日11時30分現在、netkeiba.comの予想オッズが7.1倍の3番人気。あまりに人気しているのは、近年の宝塚記念でディープインパクト産駒の牝馬が馬券になっているからなのか、前走のうっぷん晴らしがここであると読んでいるからなのか。とにかく個人的にはここまで人気に推されていることに少々驚いています。

 そういった意味ではあまり馬券的な妙味がありませんが、この中間も前走7着からの巻き返しのために着々とやるべきことをやっているといった感じ。ノーザンFしがらきでの放牧を挟んで、きっちりと追い切りを消化し、最終追い切りは2走前と同じ、前走とは違う併せ馬。ここのパターンは戻してきて、CWコースでの4F追い切りは変えず。動きなどは全く気になるようなところはないだけに、この状態であらためてどうか、といったところでしょう。

ミッキークイーン(6月21日撮影)

動きなどは全く気になるようなところはないミッキークイーン(写真奥・6月21日撮影)


【宝塚記念/シュヴァルグラン】

 2週前追い切りの動きが物足りず、福永祐一騎手が跨った1週前追い切りの動きでは変化を感じる内容でした。実際、追い切りの翌々日に馬体や仕草を確認した時にはかなりいい雰囲気に思えただけに、あとは最終追い切りがどんな動きを見せるかという感じでした。

 前走時同様、栗東坂路での併せ馬。ジュンテオドーラを先行させて、それを追いかける形。その差を詰めていったのが、後半を迎えたあたりでしたが、瞬間的に脚を使うことができるようなタイプでもなく、最後まで前に出ることができない形でのゴール。このあたりは前走と比較しても少し物足りないところ。馬場が悪かったことはこの馬にとって、動きを悪くした要因ではあると思いますが、個人的にも大好きな馬だけに、主観が入らないように評価するのが難しいところ。

シュヴァルグラン(6月20日撮影)

前走と比較しても少し物足りないところがあるシュヴァルグラン(6月20日撮影)


【宝塚記念/ミッキーロケット】

 宝塚記念で面白いのはミッキーの2頭だと思っていましたが、まさかロケットの方がここまで人気がないとは思いませんでした。スタートが悪く、前でレースができないという印象がそうさせるのかも知れませんが、21日の雨でパワーの必要な馬場になれば、大阪杯よりも差せる馬場になると思います。

 それをより感じさせてくれた最終追い切り。アルティマブラッドとの併せ馬でしたが、どちらも一杯になって、最後の我慢比べのようなゴールまででしたが、さすがという動きで先着。だからといって、フラつくようなところはなかったですし、とにかくこの馬らしいパワフルな動きだったと思います。時計が4F52.9秒と遅くなったのは仕方ないでしょうし、あとはどんなレースを見せてくれるか。

ミッキーロケット(6月20日撮影)

この馬らしいパワフルな動きだったミッキーロケット(6月20日撮影)


◆次走要注意

・6/18 米子S【ピンポン】(9人/5着)

 ウマい馬券で本命を打ちましたが、レコード決着でレース上がりが33.4秒では差せるわけもありません。それでも33.0秒を使うことができましたし、やはりワンターンのマイルはいいと思います。個人的には中京記念あたりを使ってくれれば、馬券になると思っています。

[メモ登録用コメント] [中京記念]最終追い切り栗東坂路4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳上500万下【サウンドテーブル】
 雨風の影響で、下級条件の馬にはとにかく走りにくい状況。そんな中でも前に2頭の併せ馬を見ながら、最後の直線は外から2頭を差し切る動き。やはり追い切りは一級品のものを持っています。この走りを見ていると、軽い馬場よりもパワーが必要な馬場でこそ。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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