スマートフォン版へ

キタサンブラックとは馬体を離して差してくるはず/宝塚記念

  • 2017年06月24日(土) 18時00分


◆雨で馬場がどれくらい変化するのだろう

 馬場コンディションが予測しにくい。雨の影響を受けること必至だが、先週の阪神の芝は超高速コンディションだった。少しタフなはずの洋芝の函館が超高速馬場と化し、土日の芝のレース14鞍で「5つ」のコースレコード(函館スプリントSは日本レコードと0秒3差)が続出したのも驚きだったが、阪神の芝もとても6月の阪神とは思えなかった。マイルで1分31秒9のコースレコードが記録されただけでなく、3歳上500万条件の内回り2000mが「1分57秒9」である。宝塚記念は、同じ内回りで2200m。500万条件の2000mの時計に、あと200m12秒0を加えても2分10秒0を切る計算になるほどだったが、近年にない高速コンディションの芝は雨でどのくらい変化するのだろう。

 切れ味(全14戦中、7戦が上がり33秒台)と、2000m1分56秒9が示すスピード能力が生きるとみて、牝馬ミッキークイーン(父ディープインパクト)を中心にしたが、金曜日あたりから梅雨前線の予測がどんどん変わって、日曜日は「雨」の予報になってしまった。ミッキークイーンは阪神の芝の重馬場【2-0-0-0】だが、それはともにマイル戦のこと。この相手の2200mで「渋馬場」となっては、トーンを下げざるを得ないが、あれほどの高速コンディションだったから、雨量しだいでは実質稍重馬場くらいに回復してくれるかもしれない。実際、重馬場は下手ではないから方針は変更しないことにしたい。

 キタサンブラックの充実、パワーアップには素晴らしいものがあり、まず上位から消えることはありえないが、「体力を鍛練で強化しても、スピード能力がアップし、切れ味が鋭くなることはない」。そういう格言もある。

 高速馬場の翌週なので、予測されるより各馬のスパートが早まり、最後の直線は競り合いではなく、並んで勝負強いキタサンブラックとは馬体を離して差してくるはずのミッキークイーンから入る。

 逆に流れが落ち着くようだと、一気にペースを上げて勝負に出そうなゴールドアクター(横山典弘)も怖いので、ミッキークイーンから手広く流したい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング