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ナスルーラの持続性が活きる福島芝

  • 2017年06月30日(金) 19時00分


◆競走馬の能力の方向性は一定ではない

 夏(7月)の福島芝の風物詩ともいえる、馬柱のパターンに「前走東京芝で6着以下凡走馬の巻き返しがあります」

 昨年も「前走東京芝で6着以下凡走」の馬が出走したレースのうち、約半分の49%のレースで「東京6着以下」が馬券に。一昨年も48%のレースで東京6着以下が馬券になりました。

 あえて理由も、書きますが、福島芝は、東京芝とは要求される能力の方向性が異なるレースパターンが増えます。

「競走馬の能力の方向性は一定ではない」ですから、東京芝で凡走した馬が福島芝で巻き返すのです。

 なお、この時期は降級馬もいますので、前走凡走が走るのは当たり前じゃないか? と思う方もいるかもしれませんが、このパターンで走った降級馬は比率が少ないですし、期待値も低いです。

 ラジオNIKKEI賞も、東京芝6着以下凡走馬が走りやすいレース。

 前走東京芝で6着以下だった馬は過去5年で複勝率38%、複勝回収率312%。

 2012年にオペラダンシングが16番人気3着。2013年にケイアイチョウサンが8番人気1着、カシノピカチュウが14番人気2着。2014年にウインマーレライが5番人気1着、ウインフェニックスが7番人気3着。2015年にマルターズアポジーが12番人気3着。2016年にダイワドレッサーが9番人気2着、アーバンキッドが5番人気3着。

 血統的には、ナスルーラのスピードの持続性が強調されたタイプが走りやすい傾向にあります。

 東京芝が「スピードの伸び」が要求されるとしたら、福島芝は「加速したスピードを持続する能力」が要求される傾向にあります。

 今年の出走予定馬で前走東京芝6着以下はロードリベラルとマイネルスフェーン。

 マイネルスフェーンはステイゴールド産駒で母系にジェイドロバリー。そういえば、ラジオNIKKEI賞と同じコーナー4つの1800m重賞、スプリングSを今年優勝したウインブライトもステイゴールド産駒で母系にジェイドロバリー。育成者も同じ。ロードリベラルはブレイクランアウト産駒。同種牡馬の産駒は、ダートと短距離寄りで米国的なスピード持続の能力が要求されるレースの方が得意。実際に福島芝を勝っているように、福島芝は歓迎。

 ニシノアップルパイの父はリーチザクラウン。当レースに特に相性の良いボールドルーラー系を母父に持つ種牡馬。母母父はトウショウボーイ。やはりナスルーラ系有利の馬場では名血。

 前走は東京の芝で5着。6着じゃないからダメというのは、ちょっと違うと思うので、個人的にはいい負け方だと思います。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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