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なぜか弱い前走GI・GII組

  • 2017年07月04日(火) 12時00分


◆他のハンデ重賞とは違って…

 ハンデ重賞の予想をするときに、私はよく「ハンデ戦は敢えて背負うほうから」という話を書く。いまのハンデでは昔のような酷量を課さないので、結果的に能力差を斤量差で埋める効果が十分ではなく、格上タイプの成績が良くなりがちなのである。

 ただ、七夕賞に関しては、「格上タイプが良い」とも言い切れない面がある。斤量別成績を見ても背負っている側が極端に強いというわけではない。それ以上に、「格上」という言葉でイメージしがちな、前走GI・GII組の成績があまり良くはない。

 七夕賞過去10年の前走クラス別成績は以下の通りである。

前走クラス 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
1000万下[0-0-0-1] 0.0% 0.0% 0 0
1600万下[1-0-0-15] 6.3% 6.3% 120 38
OPEN特別[2-2-6-31] 4.9% 24.4% 58 199
GIII[6-4-4-47] 9.8% 23.0% 169 81
GII[1-2-1-28] 3.1% 12.5% 14 31
GI[0-1-0-6] 0.0% 14.3% 0 32

 前走GI・GII組の勝率や複勝率は、オープン特別組を下回っている。しかも回収率はかなり低い。GII組で馬券に絡んだ馬は1,1,2,8番人気、GI組で馬券に絡んだただ1頭の馬は6番人気(複勝230円、3着同着のあった2010年)で、全体の回収率を支えるには至っていない。

 今年はゼーヴィント、マルターズアポジー、メイショウカドマツの3頭が該当。ゼーヴィントは1番人気になる可能性もある。前走GI・GII組で七夕賞1番人気だった馬は過去10年[1-0-1-3]。過去20年までにすると[1-2-2-4]になるので買えないわけではないが、軸はなにかしら配当妙味のある馬にして、ヒモに組み入れる形にしたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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