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脚抜きのいい馬場で果たして届くか!?/プロキオンS

  • 2017年07月05日(水) 18時00分

■プロキオンS(G3・中京ダ1400m)フルゲート16頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜




 プロキオンSは、簡潔にいえば「前走人気馬」と「前走500キロ以上馬」が強いレース。現在の条件で施行されるようになってからの過去5年で、前走2番人気以内馬は[4-5-4-14]で複勝率48.1%、前走馬体重500キロ以上馬は[3-2-2-24]で同22.6%と、非常に信頼度が高い。後者に物足りなさを感じるかもしれないが、これは「前走地方交流組」が含まれていないためで、こちらも総じて大型馬のほうが強い傾向にある。

 前走馬体重別で成績を比較すると、前走馬体重が499キロ以下だった馬は[0-1-3-25]で複勝率13.8%、複勝回収率28%という低調な成績。それに対して前走馬体重が500キロ以上だった馬は、単勝回収率409%、複勝回収率100%と、信頼度だけではなく回収率の高さも目立っている。どちらのほうが期待できるかは、一目瞭然だろう。

 ここに前走での人気を加味すると、成績差がさらにハッキリ。前走馬体重499キロ以下で3着以内に好走した4頭は、すべて「前走3番人気以内」という条件を満たしていた。そして前走馬体重500キロ以上馬も、前走3番人気以内馬を狙ったほうがいいのは確実。この両条件を満たす馬は、[2-2-2-9]で複勝率40.0%、複勝回収率104%という優秀な成績を残している。両条件を唯一クリアするエイシンバッケンが、特注データ推奨馬である。

【コース総論】中京ダ1400m

・コースの要所!

★1着馬は人気サイド優勢も相手はけっこう紛れる。ヒモ荒れが要警戒。
★芝スタートながら、枠番は内枠のほうがベター。外枠は少し割り引く。
★最後の直線は長いが脚質は先行勢優勢。逃げ馬も高確率で残っている。






 2コーナー奥のポケットから発走し、スタート直後は芝を走るという、東京ダ1600mによく似たコース形態。最後の直線は400m以上と長く、しかも高低差1.8mの急坂が待ち構えているという、なかなかタフなコースである。能力をキッチリ発揮できるのか、勝ち馬の60.3%が3番人気以内、82.5%が5番人気以内と、1着馬に関しては人気馬のシェアが非常に高いのも特徴といえる。

 しかし、そうそう堅くは決着しないのがこのコースで、2〜3着はけっこう紛れる印象。もっとも妙味がありそうなのは4〜6番人気だが、10〜12番人気や13番人気以下の大穴も、決して軽くは扱えない。人気サイドでの順当決着を狙うよりも、人気馬からのヒモ荒れ決着を狙っていったほうが儲かりそうである。

 次に枠番だが、東京ダ1600mとは違って内枠のほうがベター。単純に内外を比較したデータでも、複勝率には約5%という大きな差が出ている。また、内枠である馬番1〜4番は、勝率・連対率・複勝率のいずれも高く、回収率や枠番値まで優秀という好内容。幸運にも内枠を引き当てた馬は、少しプラスに評価したほうがいい。

 いかにも差せそうなコース形態なのだが、そこはやはりダート戦。4コーナーを先頭で回った馬を筆頭に、先行勢が好成績を残している。これは新潟のダートもそうだが、直線が長いからといって、そうそう簡単に差せるものではない。前々のポジションが取れる馬から入ったほうが、ここも好結果を呼び込めるはずだ。

【レース総論】プロキオンS(G3) 過去5年

・レースの要所!

★1番人気は[2-0-2-1]と高確率で好走するも、人気薄の激走率も高め。
★コースデータ以上に内枠有利。真ん中よりも内の枠番はプラス評価。
★中団から差した人気馬が高確率で好走。人気薄は先行勢が狙い目か。
★OP特別か地方交流からのローテが好成績。前走JRA重賞組は全滅中。









 2012年に、阪神から中京へと舞台を変えたプロキオンS。過去5年の平均配当は、単勝2740円、馬連8084円、3連複9296円となっている。2012年に12番人気のトシキャンディが優勝しており、以降も人気薄がそれなりに好走。昨年は人気馬が上位を独占したが、2年連続で堅い決着というのは、いささか考えづらい条件である。

 コースデータでも内枠有利だった枠番だが、レースデータではその傾向がさらに加速している。平均人気に大きな差があるので内のほうが好成績で当然ではあるのだが、連対率で約10%の差があるというのは、さすがに大きすぎる。それに、内の馬は平均人気以上の結果を残しているわけで、内枠有利&外枠不利と考えたほうがしっくりくるはず。勝ち負けには、最低でもひとケタ馬番、できれば馬番1〜6番が欲しい。

 脚質面はコースデータよりも差し優勢だが、道中の流れが厳しくなる場合が多いので、当然といえば当然の結果。「中団から差す人気馬」の信頼度は高いが、4コーナーを11番手以下で回るようだと、間に合わないケースも出てくる。後方待機組が人気を集めそうな今年、果たしてどのような結果が出るかが興味深い。人気薄を狙うならば、回収率が高い先行勢がオススメである。

 年齢別では4〜6歳馬がまんべんなく好走しているが、7歳以上の高齢馬はイマイチ。前走クラス別成績では、前走でJRAのOP特別を使われきた組と、地方交流重賞に出走していた組が好結果を残している。そして、冒頭の「特注データ」でも解説したように、前走で2番人気以内だった馬が猛烈に強いのも、絶対に押さえておくべき攻略ポイント。前走、OP特別か交流重賞で2番人気以内だった馬は、ノータイムで「買い」だと断言する。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 ダート戦。先週は雨の影響もあってスーパー前残り馬場だった。

・天候予測
 今週も週末にかけて天候が崩れる模様。脚抜きのいい馬場になるか。

・注目血統
 プリサイスエンド産駒◎、ゴールドアリュール産駒○

 先週の中京ダートは、逃げ・先行勢のパラダイス。前に行けなければ勝負にならない、超先行有利の馬場だった。もともと前有利のコースで脚抜きのいい馬場になれば、前が止まらなくなるのは当然の話。今週も日曜日の降水確率が高く、先週同様に「まったく差せない」馬場が発生する可能性がある。

 血統面では、プリサイスエンド産駒とゴールドアリュール産駒をプラス評価。プリサイスエンド産駒が見せている適性の高さはとくに素晴らしく、カフジテイクとメイショウウタゲは、これだけで「買い」といっても過言ではないほどだ。ゴールドアリュール産駒は人気での強さが目立っており、パターン的にはイーデンホールも激アツである。

★出走登録馬・総論×各論

 今年の登録馬でとにかく目立つのが、末脚自慢の多さだ。上位人気に推されるであろうカフジテイク、エイシンバッケン、キングズガードは、いずれも後方で脚をタメる競馬をしそうな組。さらにイーデンホール、メイショウウタゲ、ブライトラインあたりも中団待機組で、最後の直線では壮絶な決め脚勝負が展開されそうである。

 しかし、中京ダ1400mは内&前有利のコースで、しかも今週末は天候が崩れる予報が出ている。先週のように前が止まらない馬場になって、果たして後方待機組が届くのか、届かないのか? ここを、現段階でジャッジするのはじつに悩ましい。あとは、枠番による有利・不利が大きいコースであるのも、評価を難しくしている。

 脚質や枠番を加味しないのであれば、トップ評価はエイシンバッケンだ。冒頭の「特注データ」条件をクリアした唯一の登録馬で、ダート1400m戦は[3-2-2-0]とすべて馬券絡み。中京では初出走となるが、東京での実績から考えて、左回りは苦にしないはずだ。順調に使われていることや、重〜不良での好走実績があるのもプラス。あとは、この馬が届く展開になるかどうかだ。

 二番手評価にイーデンホール。この馬もいいキレ味の持ち主だが、末脚一辺倒ではないというのは大きなプラスである。スタート次第で中団が取れるだろうし、早めに自分から動いてマクるような競馬もできるはず。こういうタイプにM.デムーロ騎手が騎乗というのも魅力的で、ぜひ積極的な競馬を期待したい。

 三番手評価にアキトクレッセント。前走の欅Sではエイシンバッケンに突き放されたが、先行勢で唯一粘ったのは高く評価できる。OP特別で好走してからのローテは、このレースで勝ち負けする上での「王道」であり、楽に先行できるのも間違いなし。もし内枠でも引き当てようものなら、本命級の評価をしてしかるべきだ。

 人気薄になりそうなところでは、メイショウウタゲを上位に評価しておこう。前走でオープン特別を快勝している以外にも、前走馬体重500キロ以上馬であることや、プリサイスエンド産駒であることなど、プラス材料を豊富に持ち合わせている。末脚勝負になると分が悪いので、前走のように好位を取りに行く競馬ができると、なおさら面白い。

 以下は、ベストマッチョ、カフジテイク、キングズガード、トウケイタイガー、ナンチンノンという評価の序列。末脚だけなら「最強」であるカフジテイクは、海外遠征帰りである点や馬体重などから、今回は割り引いて考えるべきだと判断した。あとは枠番や当日の馬場次第だが、前残りの展開を狙い撃つ「先行勢の馬単ボックス」は、必ず押さえておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中京11レース CBC賞(G3)
1着 07シャイニングレイ
2着 14セカンドテーブル
3着 04アクティブミノル

前に行ける5歳馬なんだから押さえとけよ(#^ω^)ビキビキ

 上位評価組が揃って外枠を引いてしまったので、本命は「わりと内のほう」を引き当てた07シャイニングレイに。ここから手広く流す馬券で勝負したんですが……14セカンドテーブルがヌケで大魚を獲り逃してしまいました。さすが、某匿名掲示板で「馬券下手で毎週ビキビキしているほうの小林」と評されただけのことはある(赤面)。

※コースデータと血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象で先週分の成績は含みません。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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