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101回目のプロポーズは聞いたことあるけど、140回目のプロポーズは聞いたことない。七夕賞は何頭立てになるのかな?

  • 2017年07月06日(木) 12時00分
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七夕賞
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去年はヤマニンボワラクテ(天の川)という「いかにもな馬」が出走して、4人気に支持されて10着に負けた。その一方で、オリオンザジャパン(オリオン座)という、天の川ほどでなくてもそれなりに「いかにもな馬」も出走して、11人気という薄い支持ながらも3着に好走した。

人気の天の川ではなく、人気薄のオリオン座だった。
天の川がわかりやすくフリになっていたわけだ。ちなみに当コラムでもオリオン座に注目したので当たってしまった(オリオン座だけが理由じゃないけど)。

今思えばとてつもなく簡単だった気がするけど、ことばアソビだけで、ヤマニンボワラクテやオリオンザジャパンだと書くことはそれなりに勇気のいることだったりもする。当たればいいけれど、外したらとてつもなくカッコ悪いからだ。だけど、なぜだろう? 七夕賞の週はいつも星に願うようなことばかり書いてる気がする。

だから今年もことばアソビだけで凌げたら楽チンでいいなと思っていたけど、今年はそう簡単にはいかない。「いかにもな」ベタベタな馬名馬がいないからだ。
ではどうしたらいいか? 


『まっとうに馬の能力を比較せい!』


まったくその通りだ。レース実績や福島2000との相性やハンデや展開などを考慮して、一番好走しそうな馬を抽出する。それに勝る行為はない。

だが、しかし。

まだ付け入るスキはあったりする。「七夕」だけに「たなばん」の馬が頑張っていたりもするからだ。

この10年で一番馬券になってる馬番は7番で、5回来ている。2年に1回、七番(たなばん)が来てることになる。7枠は09年に1着・3着してるだけなので、七夕で七を大事にするなら、枠番より馬番となる。

ちなみに七夕賞は15頭立て以上になりやすいから、7番は4枠に入りやすくなる。もしかして七夕賞(福島2000)は4枠が走りやすいのかな?と思ったら、4枠(7番か8番)が10年で8回(7頭)も来ていた。

ちなみに2番目に多い枠は5枠の5回(5頭)。4枠か5枠が常に馬券になっていて、この10年でどちらかの枠の馬が来なかった年はなかった。
要は、真ん中あたりの枠が走りやすいということだ。迷ったら、4枠と5枠の馬をじ〜っと見て、選べばいいってことだ。

星がダメなら、七に注目すればいい。うむ、やっぱり七夕賞は簡単だ。

とはいえだ。

今年は14頭しか登録していない。この10年で14頭立て以下だった年はない。フルゲートに近い15頭立て以上だからこそ、真ん中あたりの4枠・5枠が走りやすくなっているとしたら、この決まり事は崩れる可能性がある。

先週のラジオNIKKEI賞も14頭が登録していて、確定は12頭だった。結果的に最内の隊列で逃げたウインガナドルが2着し、ほぼ最内を追走したロードリベラルが3着したけれど、一番重要視していた上位人気の最内枠の馬(該当はニシノアップルパイ)は惨敗してしまった。

必勝データは100発100中ではないから、外れることはある。ただ出走頭数によって強度の変わりそうなデータの場合は、もっと繊細に扱うことで、データの無効度も察知できたはず。

フルゲートでのデータが少頭数では当てはまらないことは多々ある。そこを加味すると、今回の馬番系のデータは、すべてフルゲート系のデータでもあり、先週以上に繊細に扱う必要があるということだ。14頭立てならギリでセーフかもしれないけれど、頭数が減るごとにご破算になる可能性もある。

つまり、今年は「たなばん」にこだわるのは危険というわけだ。

う〜む…星が封じられ、七も封じられてしまった。

さて、どうしよう!
最近はずっと田辺に注目して、タナベタ賞かよ!という体勢をしいていたけれど、今年は落馬負傷によりそれも封じられた。


『まっとうに馬の能力を比較せい!!!』


まったくそのとおりでございます。

だが、しかし。
しかし、だが。

まだなにか手はあるような気がする。

そうだ、こういう場合は、基本に立ち返るにかぎる!

「七夕とは織姫と彦星が1年に1度会うことの許された日」。

ここだ。

2月19日の小倉大賞典をマルターズアポジーで勝って以来、1勝もできていない武士沢騎手。

現在139連敗中(地方2戦含む)。しかも通算299勝。あと1勝で300勝。

自分は3週前のコラムで「118回目のプロポーズ」と称して、少し記した。そこからさらにプロポーズの回数は増えて、今週は140回目へ突入だ(地方で騎乗しないとして)。

フリのつもりはなかったけれど、結果的にフリになってしまったとしたら、それはそれで仕方がない。

マルターズアポジーで300勝へ王手して、約5ヶ月後を経て、マルターズアポジーで詰める。なかなかにドラマチックだ。

1年に1度しか会うことが許されない織姫と彦星に比べたら短いけれど、競馬において、約5ヶ月勝ち星に出会えないのはツラいことだろう。

つまり、十分、星に願えるというわけだ。やったー!

メインまでにプロポーズが成就してしまう可能性はある。でもそれならそれでいい。きっとマルターズアポジーよりは人気がなさそうで、むしろそちらを狙ったほうがおいしいかもしれない。

ちなみに彦星賞のペンタプリズム、織姫賞のテンツクテンに騎乗予定だ。どちらも人気はなさそうだ。

かくて、今年も星に願えることになった。本当は、マルターズアポジーには触れずに静かに願っておこうと思ったけど、あれもダメ、これもダメで、結局プロポーズに頼ってしまった。

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七夕賞・注目馬
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スズカデヴィアス
バーディーイーグル

スズカデヴィアス陣営は、横山の典さんに脚質メンテナンスを依頼してるのかと思っていた。実際、脚質転換を生業にしていると感じることも多い騎手だ。

先行で頭打ちなら差し・追い込みをテストドライブしてもらい、差しで頭打ちなら逃げ・先行でテストドライブしてもらう。スズカデヴィアスの場合は先行から差しへの転換だった。

(16年12月の金鯱賞で差して、着順は10着だったけど、上がりは1位だった。その後別の騎手が騎乗して2戦後に1着、3月の金鯱賞でも3着した)

でも今回は前走・鳴尾記念に続いての連続騎乗。罠のような、少し釣られてるだけの気もしないでもないけど、七夕賞は差してくる馬が馬券に絡みやすいから……………………

って、今年は出走頭数がいつもより少ないから過去に頼っちゃいけないんだった!忘れてた!

でもいい意味でも悪い意味でも、そういうのとは次元の違うところでレースをする騎手だから、気にする必要はない。

バーディーイーグルは、去年より良さげな気がするけど、これも気のせいかな?

とにかく、この2頭は、どちらも差しのはず(スズカは決めつけられないけど)。今回はマルターズアポジーに離されずに付いていきそうな馬が多いから、ちょっとは食い込めないかな? そう思って注目することにした。

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プロキオンS・注目馬
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メイショウウタゲ
エイシンバッケン
※注:エイシンバッケンは回避が決定しました。

エイシンバッケンが根岸Sでヘビみたいにニョロニョロと馬群を割って、3着したレースが好き。

そのニョロニョロが見たくて、フェブラリーSでも注目したけど、外を回って4着。ニョロニョロは見られなかった。欅Sでも外から豪快に差して1着。ニョロニョロは見られなかった。

今回は1・2人気必至で、馬群を縫うような騎乗はしないように思える。

帝王賞はドバイ組が3頭出走していて、1・2・4人気で3着・5着・7着だった。1着・2着は非ドバイ組だった。カフジテイクは今回唯一のドバイ組。しかもこれまた1・2人気必至。人気ならば、お疲れの方に賭けてみたくなる。

予想3人気のキングズガードはカフジテイクとエイシンバッケンに先着できていない。中京では不発はないけど、1着もない。

上位人気馬が差し・追い込みだと、どうしたって逃げ・先行に目が行く。けど、だからといって、上記の3頭が揃って不発とも思いにくい。上記3頭ならば、ニョロニョロのエイシンバッケンを買いたくなる。

メイショウウタゲは出走するようなら、人気的にも脚質的にも拾いたくなる。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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