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東京ダービー馬・ヒガシウィルウィンが混戦を断つ!/ジャパンダートダービー

  • 2017年07月11日(火) 18時00分


中央勢はレース毎に勝ち負けを繰り返している混戦模様


 7月12日(水)、大井競馬場で行われる『第19回ジャパンダートダービー』。南関東クラシックの3冠目であると同時にJRA勢も加わって繰り広げられる3歳ダートチャンピオン決定戦。これまでトーシンブリザード、ゴールドアリュール、カネヒキリ、フリオーソら記憶に強く残る名馬たちを輩出している真夏の頂上決戦。未来のダート界を見据える意味でも重要な位置付けのレースです。

 過去5回を振り返ってみると1番人気馬は2012年のハタノヴァンクールが1着、2013年のクリソライトが1着、2014年のハッピースプリントが2着、2015年のクロスクリーガーが2着、2016年のゴールドドリームが3着で、2勝2着2回3着1回。馬券圏内は外さない結果となっています。

2013年のクリソライトなど過去5回、1番人気は必ず馬券圏内に(撮影:高橋正和)


 例年、人気を集めるJRA勢が上位に来るレースですが、これまでもオリオンザサンクス、トーシンブリザード、フリオーソ、マグニフィカと4頭の地方馬が制覇。過去5年では2012年に大井のアートサハラが3着、2014年に大井のハッピースプリントが2着、2015年に浦和のラッキープリンスが3着と、地方勢も上位に食い込み、必ずしもJRA勢が絶対的存在とは言えません。

 今年のJRAの7頭を見てみると、ユニコーンSや兵庫チャンピオンシップを制した重賞ウィナーをはじめ、OP勝ち馬も揃って有力馬がずらり。とはいえ今回は国内無敗のエピカリスが不在で、レース毎にお互いに勝ち負けを繰り返しているメンバー構成。この状況ならば地方勢の南関東クラシック組も十分に出番ありと見ています。

本田正重騎手とヒガシウィルウィンの新コンビに注目


 打倒JRA勢の筆頭はヒガシウィルウィン。ホッカイドウ競馬所属時代に門別の出世レース・サンライズCを制すると、北海道2歳優駿ではエピカリスの2着。全日本2歳優駿はリエノテソーロの4着。その後船橋に移籍し、年明け1月のニューイヤーC、京浜盃と重賞連勝。羽田盃ではキャプテンキングの2着に敗れましたが、「次は勝ちますよ」という鞍上・森泰斗騎手の言葉通りに東京ダービーを圧勝。大井の2000mでの経験値とキャプテンキングにつけた6馬身という着差を考えれば、今回のメンバーでも1着を狙える存在と言えるでしょう。

東京ダービーを6馬身差で圧勝したヒガシウィルウィン(撮影:高橋正和)


 森泰斗騎手負傷のため今回は本田正重騎手と初コンビ。本田騎手は近年の船橋リーディングで常に上位にいる成長株で「馬へのあたりが柔らかい」と騎手同士の間でも評価の高いジョッキーです。一戦一戦レース毎に成長を遂げているヒガシウィルウィンとの新コンビにぜひご注目ください。

 大井のキャプテンキングもまだ見限れない1頭。東京ダービーではヒガシウィルウィンの後塵を拝しましたが、羽田盃では見応えたっぷりの叩き合いを制した実力馬。JRA時代には1月にリゾネーターの2着(中山・3歳500万下、着差は7馬身ありましたが)、2月のヒヤシンスSではエピカリスの5着もあり、巻き返しに期待します。

羽田盃ではヒガシウィルウィンとの叩き合いを制したキャプテンキング(撮影:高橋正和)


 JRA勢からはまず、ユニコーンSを勝ったサンライズノヴァ。スタートはいま一つで中団後方からの競馬となりましたが、直線で大外から伸び、余裕たっぷりで4馬身差の快勝。力強く抜け出した脚は見どころ十分。父ゴールドアリュールで距離が伸びるのは好材料。クリソライト以来となる父子制覇を目指します。

ユニコーンSでは4馬身差で快勝したサンライズノヴァ(撮影:下野雄規)


 ユニコーンSで3着のサンライズソアは5月の青竜S(東京・OP)の勝ち馬。ダートは3戦して【2-0-1-0】。父シンボリクリスエス、母父スペシャルウィークでこちらも距離延長は歓迎。

青竜Sの勝ち馬サンライズソア(撮影:下野雄規)


 伏竜S(中山・OP)の勝ち馬リゾネーター。外枠から好位を進み、直線で先頭に立ち、2着サンライズノヴァに4馬身差をつけました。3連勝で臨んだ兵庫チャンピオンシップでは1番人気で4着に敗れましたが、コーナーを6回まわる小回りコースでの立ち回りに敗因があったとすれば、今回大井の2000mは歓迎。試金石となる戦いです。

伏竜Sを4馬身差で圧勝したリゾネーター(撮影:下野雄規)


 兵庫チャンピオンシップを制したタガノディグオ。ダートで9戦して【3-5-1-0】と実に安定した走り。1月の京都・3歳500万下では今回人気になりそうなサンライズノヴァと1/2馬身差の2着があり、こちらも勢力図の上位を形成する1頭。

兵庫チャンピオンシップを制したタガノディグオ (c)netkeiba


 兵庫チャンピオンシップ2着のノーブルサターン、近走不振も全日本2歳優駿でリエノテソーロの2着だったシゲルコング、前走・鳳雛Sで1着のローズプリンスダムもノーマークでは怖い馬たち。

 難しい1戦となりそうな今年のジャパンダートダービー。ここまでの戦いではレース毎に勝ち馬が変わり、軸を決めるにも熟考が必要ですが、私は応援の意味も込めてヒガシウィルウィンを推したいと思います。2010年マグニフィカ以来となる地方馬による勝利なるか!? 未来ある3歳馬たちの戦いをワクワクしながら待ちましょう。

※次回の更新は7月16日(日)18時。翌日に盛岡競馬場で行われる「マーキュリーC」のコラムをお届けします。


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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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