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『最高の最終追い切り』だった馬とは? 日曜福島・中京両メインをチェック!

  • 2017年07月12日(水) 18時00分


ブリンカーの効果があまりないように見えるオウノミチ


 毎日のように夕立が降る栗東。とはいえ、隣の草津市では降っていないなんてこともあり、すごく局地的に降ることが多い印象を受けます。そして、降る時は土砂降り。バケツをひっくり返すという表現がぴったりな雨が一時的に降っています。今週は月曜、火曜と降っていて、今日は正午時点では降りそうな気配はありませんが、どうでしょうか。

 そして、暑さも半端ではなくなってきました。調教開始直後は蒸し暑く、陽が昇ってくると太陽光線の暑さ。厩務員、調教助手は汗だくになって、ホント大変そうですが「ジョッキーなんて、日中のもっと暑い時に何鞍も続けて乗っているんだから、もっとスゴイよ」と。確かにそうなんですが、やっぱり関係者って「みんな頑張ってるんだから」という気持ちがしっかりしているような気がします。

【バーデンバーデンC/オウノミチ】

 昨年の覇者。ただし臨戦過程が違っていて、昨年は1600万下とはいえ、勝ち負けを意識できる着順での出走。今年はオープン、重賞で二桁着順続きでの出走となります。特に前走は「全然まじめに走っていない」と佐々木晶三調教師。というわけで、画像のようなブリンカーを着用しての追い切りでした。

 個人的な結論はブリンカーの効果があまりないような気がしています。というのも、最終追い切り栗東坂路での1F目が15.9秒。これはかなり遅いですし、だからといって、2F目も14.0秒。これも速くありません。前半飛ばして、後半止まるくらいで動いてくれれば、一変するかも知れないというイメージだっただけに、あとは実戦でどこまで。

オウノミチ(7月12日撮影)

ブリンカーを着用しての追い切りを行ったオウノミチ(7月12日撮影)


【バーデンバーデンC/アルマワイオリ】

 前走が長期休み明けの3着。芝1200mは2走前しか経験がありませんが、メンバー最速上がりをマークしたように、決して悪い条件ではありません。あとは2走目のポカがあるのかないのか。この点だけが不安ですが、こればかりは表面上で判断するしかありません。

 見た目には最高の最終追い切り。マインシャッツとダニエリカズマの併せ馬の後ろを単走予定でしたが、右ラチ沿いをぐんぐんと加速して、最後は追い抜いてしまいました。その時計は4F51.7秒。ここまでしっかり動くことができれば、G1で2着した能力をきっちり発揮できると判断したいところです。

アルマワイオリ(7月11日撮影)

見た目には最高の最終追い切りを行ったアルマワイオリ(7月11日撮影)





人気を落とすようなら積極的に狙ってみたいマスクゾロ


【名鉄杯/トラキチシャチョウ】

 休み明けというマイナス材料に加えて、主観的な印象が悪かった最終追い切り。ダイナミックウオーとの併せ馬ではいざ追い出して、きっちり伸びた相手に対して、こちらはジリジリとして伸びることができません。これで大丈夫なのかな、と思うのが当然ですが、過去の好走時と比較すると、この併せ遅れは心配なし。

 というのも、過去2走の最終追い切りはいずれも併せ馬で遅れ。今回の栗東坂路4F55.2秒という数字も遅く感じますが、前走時最終追い切りが55.0秒ですから、全く問題ありません。それよりも4F目最速になるラップを踏めていたことが、2走前と同じですから、勝てる調教内容といってもよいくらい。あとは差すのが難しい今開催の中京ダート1800mでいかに立ち回るかでしょう。

トラキチシャチョウ(7月11日撮影)

併せ遅れも問題は無いトラキチシャチョウ(7月11日撮影)


【名鉄杯/マスクゾロ】

 シリウスSを勝った時はその暮れのチャンピオンズCも楽しみになるようなレース内容。2走前には中京ダート1800mのオープン、ジュライSを勝っており、本来ならここでの実績評価は抜けてトップといってもよいでしょう。

 ただし問題は長期休み明け。過去には7ヶ月半ぶりの堺Sで7着に負けており、当時よりも長い休みです。しかし客観的な追い切り比較をすると、堺Sは最終追い切り栗東坂路で4F目12.7秒。2走前は4F目12.1秒だったので、この数字をひとつの目安にしようと決めていました。そこの比較でいくと、今回は4F目12.3秒。全体的なラップの踏み方も好走時とほぼ同じといってよいだけに、人気を落とすようなら、むしろ積極的に狙ってみてもいいでしょう。

マスクゾロ(7月11日撮影)

むしろ積極的に狙ってみてもいいマスクゾロ(7月11日撮影)


【名鉄杯/オウケンワールド】

 500万下で勝ち切れなかったのが、嘘のような連勝。あっさりオープン入りしましたが、その勢いは追い切りの動きにも表れています。4月以来のレースとなりますが、今回の追い切りでは栗東坂路4F目12秒前後を連発。ちなみに前走時の最終追い切りが4F52.8秒、1F12.7秒でした。

 しかし、今回の最終追い切りは4F53.0秒、1F11.9秒。とにかく終いの脚力が追い切りを見る限りは確実に強化されています。強いて、この数字にケチをつけるなら開門直後に追い切ったものばかりということになりますが、だからといって動けない馬は出すことができない数字です。中京ダート1800mは未勝利勝ちで経験していることもありますから、馬券的にこの馬を軽視するのは相当勇気がいることではないでしょうか。そのくらいの充実ぶりを感じています。

◆次走要注意

・7/9 3歳未勝利【グラスルーチェ】(9人/7着)

 客観的な調教データから推して、ウマい馬券で◎を打ちました。キャリアも浅く、どんなレースをするのか注目していましたが、うまい立ち回りで決して悪くないレース内容。もう少しうまく捌くことができれば、馬券圏内だったと思います。
 次走が新潟競馬場になった場合、瞬発力負けする可能性はありますが、とにかく未勝利レベルは勝ち上がることができる馬。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りトラック馬場で併せ馬馬なり先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・マカオJCT【タガノミルキー】
 休み明けの前走はウマい馬券で◎。追い切りで良く見せるタイプであることは間違いありませんが、12日のCWコースでの動きも抜群。もちろん時計的にも評価できる内容ですし、中京芝1400mという1着経験がある舞台なら。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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