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夏競馬を制する者は何を制す!? 恋と肝試しの函館記念

  • 2017年07月13日(木) 12時00分
夏を制する者だけが恋を制する(T.M.RevolutionのHIGH PRESSURE)

今年はT.M.RevolutionのHIGH PRESSUREをテレビやラジオでよく聴く。もう20年も前にリリースされた曲だというのに例年よりオンエアされてる気がする。

あ〜自分も夏を制してみたいな。でも夏のリングはきっと海だの山だの川べりだのにあるはずだから、そこのリングに立って、夏をやっつけないといけない。うむ、お手上げだ。

でも「夏」を「夏競馬」としたらどうだろう。

夏競馬を制する者だけが恋を制する

ジョッキーならやれそうだ。サマーシリーズがあるからだ。そこでチャンピオンになったら、夏を制した感満載だし、そこから恋に発展することも十分ありえる。

だけど、馬券ファンには難しそうだ。経験上、当たり馬券が恋に直結したことはない。間接的にはあったとしても、それだと夏競馬を制した感は薄まる。

たとえば夏競馬で一発当てて、そのお金をポケットに詰め込んで、楽しい感じのお店に行って、ドンのペリニヨンでも開けながら、得意げに馬券武勇伝を話したりしたら、みんな一生懸命リアクションしてくれ、とても気持ちがよさそうだ。たとえ根こそぎ持っていかれたとしても、しかもたとえそれが疑似だとしても、その瞬間は昇天できそうだ。うむ、間接的も悪くないな…って、そういうことじゃない!? そもそも恋に持って行くなって話だ。きっとそうだ。

最終レースを制す者は回収率を制す

『回収率を決める最終レース・一撃とひらめきの教科書』の惹句だ。

これは至極まっとうで、納得だ。買うつもりはなかったのに、つい買ってしまうレース第一位、最終レース。負けていれば有り金勝負、買っていれば勢い買いで、ついつい手を出してしまう。

ならば買わなければいい。最終レースを追い込まれて買いがちな自分なら、買わないだけでも回収率は向上するはず。きっとそれは正解だ。でも、それはできない。少なくとも自分には無理。だったら最初から最終レースを勝つつもりでスタンバイした方がいい。

netkeiba.comで予想やコラムを執筆してる古澤秀和くんは知る人ぞ知る、最終レースの一撃馬券王だ。今年も最終レースでドデカイ馬券(一撃10万円〜30万円。ときには100万円超)をわんさか当てている。それも少点数で。

「一日の最後のレースですから一番当てやすいし、得意です」とは古澤くんの弁だけど、それも納得だ。その日の傾向を反映させて買うのが古澤流で、最終レースはその傾向を一番反映させやすい。古澤くんが当てまくっているのは当然ってことだ。本書にある古澤流のノウハウを読んで、自分も「得意です。最後のレースですから」と涼しげにコメントしたいものだ。

というわけで、毎年夏になると、自由研究をやってみるけど、今年は「最終レース」をテーマにすることにした。

夏競馬の最終を制す者は恋を制す

なんか力が漲ってきたぞ。うは!

それはそうと、夏といえばオバケだ。先週日曜の情熱大陸の主役も稲川淳二さんだった。本格的な夏が始まるよ! と告げられた気がした。稲川さんは怪談噺だけど、自分は肝試しだ。

夏の重賞には夏の重賞特有のオッズがあって、そのサマーオッズにオバケが潜んでいると思っていて、自分はそのオバケで肝試しするのが大好き。特に函館記念はけっこうなオバケ屋敷レースで、オバケポイントから好走馬が出現しやすい。だから毎年オッズを見るのを楽しみにしている。

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函館記念は単10倍台の馬で肝試し。
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単10倍台の馬が過去12年中8年で9頭馬券に絡んでいる。絡まなかった4年のうち、2年は4着に走っており、10倍台のポイントがアツいことがよくわかる。しかも絡まなかった4年のうち、3年は単オッズ10倍未満の人気馬だけで決まっているから、本命サイドの決着はいらないと割り切れるなら、今年も単10倍台の馬に注目でいい。

以下は過去12年の単10倍台にいた頭数と10倍台で馬券になった馬の着順だ。
去年は7頭がひしめいていたけど、例年は頭数が少ないのがわかる。大抵2、3頭。だからポイントを絞りやすい。しかも3連複が万馬券になりやすいこともわかる。

16年 7頭 3着  3連複41470円(以後、配当のみ)
15年 3頭 3着     27810円
14年 2頭 2着・3着  16130円
13年 2頭 2着     21930円
12年 2頭 3着     24550円
11年 2頭 3着 (4着)69140円
10年 4頭        (4080円)
09年 2頭 3着     20140円
08年 6頭    (4着)(3020円)
07年 1頭        (45180円)
06年 3頭    (4着)(1880円)
05年 3頭 1着     5670円

今年はどんな感じかな?

予想オッズ
サクラアンプルール 9.4
アングライフェン  12.6
ルミナスウォリアー 13.7
ヤマカツライデン  21.2

今年は例年どおり2、3頭に収まりそうだ。
今の感じならアングライフェンとルミナスウォリアーになりそうだけど、サクラアンプルール、ヤマカツライデンにも可能性はある。今はまだ確定できないけど、オバケポイントに馬がいたら絶対にナイガシロにしないようにしたい。

ただ、個人的には予想10人気(42.2)のケイティープライドが気になってしょうがない。

ケイティープライドは去年、函館記念を13人気(27.6)で2着した。ハンデは去年と同じ52キロ。去年1着したマイネルミラノが56キロから58キロ、3着したツクバアズマオーが55キロから57キロへと2キロ増えたことを思えば、この据え置きはお得に思える。

16年函館記念
1着マイネルミラノ  6歳 56 →58
2着ケイティープライド6歳 52 →52
3着ツクバアズマオー 5歳 55 →57

これだけで今年もケイティープライドを狙いたくなる。
けど、ケイティープライドを買うにはそれなりの条件も必要だ。

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ケイティープライドの条件
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ケイティープライドは内ラチが欲しい馬だ。だから必然的に内枠が欲しくなる。実際、角田師も「内枠が条件」と語っている。

去年の函館記念は4枠8番から好スタートし、内ラチを取って、そのまま内から抜け出し2着した。13人気だった。4枠8番は内枠とは言いにくいけど、浜中が好スタートから1角に入るまでに内を奪えたことが好走に繋がった。

同じような枠でも、内を奪えないと好走しにくいことが福島記念でわかる。4枠7番だった福島記念では、好スタートしたものの、内を奪えず、中を追走し、5着に敗れた。内や外で好スタートした馬たちが速くて、内ラチを奪えなかった。このときの鞍上は鮫島駿だったけど、意識は明らかに内ラチにあった。

次走のチャレンジCは5枠9番だったけど、好スタートから、内ラチを奪って追走し、直線では中へ出し3着した。11人気だった。鞍上は鮫島駿。その時は上手に内に潜り込めていた。

去年の函館記念から前走まではこんな感じ。

函館記念  4枠8番 13人気2着(内ラチスムーズに獲得)
小倉日経OP 6枠6番 2人気5着 (内ラチ獲得・重馬場)
福島記念  4枠7番 8人気5着 (内ラチ奪えず)
チャレンジC 5枠9番 11人気3着(内ラチスムーズに獲得)
小倉大賞典 5枠10番 9人気14着(内ラチ奪えず)
大阪城S  7枠14番 10人気8着(内ラチ苦労して獲得)
福島民報杯 6枠11番 9人気7着 (内ラチ奪えず)

理想が1枠〜3枠と仮定するなら、ぜんぜん理想の枠に入ってないこともわかる。

面白かったのは、角田師の小倉大賞典直前のコメントだ。
「少々詰まってもいいくらいの覚悟で、内を上手にさばいてくる競馬ができれば」と語っていた。

おそらく11人気で3着した前走チャレンジCを受けてのコメントだ。チャレンジCでは内を奪ったものの、直線では中に出して3着だった。チャレンジCで中に出したのが不満だったのでは? と感じずにはいられないコメントだった。だから小倉大賞典前に念を押すようにコメントしたのだろう。

つまり、角田師の理想は徹底して内にこだわれ! ってことだろう。それはつまり、リスクを避けての3着はいらない、リスクを背負っての勝ち負けにこだわれってことだ。

だから今週の函館記念が楽しみだ。内枠(1枠〜3枠)に入らないかな?
そろそろ入ってもいいんじゃないか?
ちなみにここ2走は8着、7着に負けているけれど、着差は0.4で、しぶとく食らいついていた。走る気は十分あると思っている。

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函館記念注目馬
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内枠のケイティープライド
オバケポイント・単10倍台(10.0〜19.9)の馬

ケイティーブライドが単10倍台に来たら、それはそれでいいけど、できれば今年も人気薄でいて欲しい。単20倍以上ついていたら、ケイティーからオバケポイントの馬を絡められるからだ。

函館記念は1〜4人気の馬が1頭は馬券に絡みやすいから、3連複フォーメーションが買いやすくなる。

1列目 ケイティープライド
2列目 単10倍台の2、3頭
3列目 1〜4人気

12点で万馬券ならブラボーだ。夏を制した感に浸れる!

ちなみにケイティープライドが内枠ではなく中枠に入っても吟味はする。好スタートを切れたら、内枠を奪えるような枠構成ならいいからだ。

仮にケイティープライドが買いにくい場所にいたら、オバケポイントの馬から行く。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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