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休み明けは死角ではない/函館記念

  • 2017年07月15日(土) 18時00分


◆函館記念を狙った同馬に目算違いはない

 今週ただ1つの重賞は、最近10年の3連単は7回まで「10万〜40万円台」。馬券に関係した30頭のうち、過半数の16頭が「7番人気〜13番人気の人気薄の穴馬だった」という大波乱の重賞である。もちろん、週中に発表された上半期の「JPNサラブレッドランキング」で、上位20傑(レーティング117以上)に入っている馬など1頭も見当たらない、ハンデ戦狙いの馬が大半の組み合わせでもある。

 4ヶ月の休養明けになるが、詰めの甘さ解消のため、初の北海道遠征になる6歳ルミナスウォリアー(父メイショウサムソン)を狙いたい。

 まず、休養明けは不利のように映るが、この馬は別。これまで3ヶ月以上の休み明けの成績は【2-3-0-0】。連対パーフェクト。たたき2戦目は条件が上がるケースも重なるとはいえ、【1-0-1-3】なので、休み明けは死角ではない。また、今期の函館は洋芝とは思えない高速馬場だったが、シリーズ後半の5週目。さすがに高速の芝ではなく、例年と大差ない1分59秒0前後になりそうな点も、第1週の「函館スプリントS(1分06秒8の快レコード)」でアテが外れた組と違って、函館記念を狙った同馬に目算違いはない。

 逃げ宣言をしていたヤマカツライデンが引いたのは15番枠。こうなると2〜3番手でもいいとしていたマイネルミラノステイインシアトルがすんなり引くとも思えず、少なくともスローはないだろう。差すルミナスウォリアーに展開の不利はない。

 隣に人気の1頭ツクバアズマオーがいる。同じような脚質だが、3走前のディセンバーS2000mで対戦して0秒1差の2着に負けているものの、当時は同じ56キロ。今回はハンデ戦で「2キロ」の差がついたから、十分に逆転可能という目安もある。

 騎乗する柴山雄一騎手とはリズムの合う名コンビで【3-5-1-5】。その柴山ジョッキーは、狙い方の難しい騎手で、ダートや短距離での快走は少ない。JRAで勝った重賞レースは11レース。うち10レースまでが芝1800〜2200mに集中している。4日間の騎乗停止が解けたところで、狙いの函館記念2000m。乗りなれない騎手に依頼しなければならない不運に見舞われることはなかった。

 巴賞組は、この10年の馬券に絡んだ30頭中の「13頭」を占めるが、巴賞で連対していた馬はたった「1頭」だけ。また、この函館記念で1番人気に支持された馬も、2番人気になった馬も、ともに連対はたった「1頭ずつ」という難しい記録がある。結びつきはきわめて弱い。巴賞組では、なぜかここで人気薄になった馬のほうが怖いのがパターン。人気の圏外になったナリタハリケーンをルミナスウォリアーの相手筆頭に抜擢したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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