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芝中距離で重賞クラスの活躍が期待できるリシュブール

  • 2017年07月19日(水) 12時00分
イルーシヴグレイス(牝 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母イルーシヴウェーヴ)
 母イルーシヴウェーヴは日本の桜花賞にあたる仏1000ギニー(G1・芝1600m)をはじめ4つの重賞を制した名牝。セレクトセール2017で5億8000万円の値がついたイルーシヴウェーヴの2017、セレクトセール2016で2億8000万円の値がついたイルーシヴウェーヴの2016の全姉にあたる。母の父Elusive Cityはモルニ賞(仏G1・芝1200m)の勝ち馬で、仏2歳牡馬チャンピオン。その父Elusive Qualityは現役時代に芝8ハロンで1分31秒6の世界レコード(当時)を樹立したスピード馬なので日本適性は高そうだ。母方にMr.ProspectorとBlushing Groomを併せ持つディープインパクト産駒には、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI)とヴィブロス(17年ドバイターフ-G1、16年秋華賞-GI)の姉妹、ミッキークイーン(15年オークス-GI、15年秋華賞-GI)などの大物が出ている。芝向きの中距離タイプだろう。

オハナ(牝 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母ハウオリ)
 キロハナ(現1600万下)、ハナレイムーン(17年クイーンC-GIII・5着、17年フラワーC-GIII・5着)の全妹。母ハウオリは芝1600〜2000mが守備範囲で準OPまで出世した。2代母ノースフライトは安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)を制した名牝。「ディープインパクト×キングカメハメハ」はデニムアンドルビー(13年フローラS-GII、13年ローズS-GII、13年ジャパンC-GI・2着)、テンダリーヴォイス(15年フェアリーS-GIII・3着)、グリュイエール(15年きさらぎ賞-GIII・4着)、先週の新馬戦でいい勝ち方をしたワグネリアンなど、これまでに出走した17頭中12頭が勝ち上がり、連対率35.1%、1走あたりの賞金額534万円ときわめて優れた成績を挙げている。また、「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」という配合は出走21頭中15頭が勝ち上がり、そのなかにはハープスター(14年桜花賞-GIなど重賞4勝)、アドミラブル(17年青葉賞-GII)、ポルトドートウィユ(15年京都新聞杯-GII・2着)などが含まれている。連対率33.7%、1走あたりの賞金額466万円とこれも素晴らしい。芝向きのマイラーとして期待十分。馬体が大きければ重賞でも勝負になる。

オールフォーラヴ(牝 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母レディアルバローザ)
 ロードアルバータ(17年プリンシパルS-OP・3着)の全妹で、クイーンS(GIII)を勝ったキャトルフィーユの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)。母レディアルバローザは中山牝馬S(GIII)を連覇したほかヴィクトリアマイル(GI)でも3着と健闘しており、その全妹エンジェルフェイスはフラワーC(GIII)を勝っている。近親がどんどん重賞を勝っているようにきわめて活力のある一族だ。2代母ワンフォーローズは北米で27戦15勝、カナダ最優秀古牝馬に3回選ばれた名牝。本馬を生産したケイアイファームが約1億円で購買し、日本に連れてきた。瞬発力よりも持続力に特長があり、本馬も好位から抜け出すタイプの競走馬になりそうだ。「ディープインパクト×キングカメハメハ」の組み合わせはデニムアンドルビー(13年フローラS-GII、13年ローズS-GII、13年ジャパンC-GI・2着)をはじめ成功例が多い。コーナー4つの芝中距離重賞ではつねに注意が必要だ。

ゴライアス(牡 美浦・高木登 父ゴールドアリュール、母ジョウノファミリー)
 フェアリーS(GIII)を勝ったライジングリーズン(父ブラックタイド)の3/4弟。母ジョウノファミリーは不出走馬だが、ブルーコンコルド(6つのダートGI/JpnIを含めて重賞11勝)の半妹にあたる良血馬で、前出のライジングリーズン、その全兄にあたるグランフィデリオ(1600万下)を出したことで繁殖牝馬としての才能を証明している。母の父キングカメハメハ、2代母の父ブライアンズタイムは、ダート戦でトップクラスの実績を残している大物種牡馬で、これにゴールドアリュールを付けて誕生した本馬はダート向きの高い資質を感じさせる。3/4姉にライジングリーズン、伯父にブルーコンコルドがいる血統背景も素晴らしく、ダート中距離で重賞クラスまで出世しそうだ。

リシュブール(牡 栗東・藤原英昭 父キングカメハメハ、母ラストグルーヴ)
 母ラストグルーヴはセレクトセールで1歳馬としては史上最高の3億7800万円(税込)で落札され、まったく仕上がっていない状態で3歳最後の新馬戦に出走したところ、楽々と勝ってしまい、管理する藤原英昭調教師が驚嘆したというエピソードがある。残念ながら競走馬としてのキャリアはこの1戦で終わってしまったが、素質の面では全姉グルヴェイグ(12年マーメイドS-GIII)に引けを取らないものを持っていたと思われる。そのきょうだいにはほかに、アドマイヤグルーヴ(03、04年エリザベス女王杯-GI)、ルーラーシップ(12年クイーンエリザベス2世C-香G1など重賞5勝)、フォゲッタブル(09年ステイヤーズS-GII、10年ダイヤモンドS-GIII)などがいる。2代母エアグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に輝いた女傑。本馬はヴァナヘイム(16年京都2歳S-GIII・2着)と同血(父が同じで母同士が全姉妹)で、ルーラーシップの3/4同血(父が同じで母同士が親子)、二冠馬ドゥラメンテの7/8同血。芝中距離で重賞クラスの活躍が期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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