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今年は例年とは違う展開になる!?/中京記念

  • 2017年07月19日(水) 18時00分

■中京記念(G3・中京芝1600m)フルゲート16頭/登録18頭


【コース総論】中京芝1600m Bコース使用

・コースの要所!

★10〜12番人気など人気薄の好走が目立つコース。穴狙いが面白い。
★信頼度だけでなく回収率や枠番値も「外>内」。外枠はプラス評価。
★中団からの差しや後方からの追い込みも決まるコース。末脚重視。






 夏の中京は今週がフィナーレ。そのラストを締めくくるハンデ重賞・中京記念が行われるのが、芝1600mである。1〜2コーナーにある斜めの引き込み線からスタートする、ちょっと変わったコース形態。なんとなく内有利に思えるが、意外にそうでもないのが、このコースの面白いところだ。

 まずは人気別だが、1番人気はトータル[24-22-16-43]で連対率43.8%、複勝率59.0%と、信頼度の高さはソコソコ。他の上位人気にしても同様で、10〜12番人気や7〜9番人気など、人気薄の好走例の多さが目立つ印象である。しかも、中京記念はハンデ戦で、今年もフルゲートとなる可能性が大。となれば、なおさら穴狙いのほうがベターだ。

 次に枠番だが、基本的には「外>内」のコース。単純に内外を比較したデータにおいても、信頼度、回収率、枠番値のいずれもが、外のほうが高くなっている。馬場が荒れてきている開幕最終週であるのを考えると、この傾向がさらに強まる可能性も十分にあるはず。内枠軽視&外枠重視の姿勢をオススメする。

 最後に脚質。先行勢と中団待機組での信頼度にほとんど差が出ていないように、中団からの差しや後方からの追い込みが、かなり決まりやすいコースである。上がり3Fの上位馬も総じて期待値が高く、ここは「差し優勢」と考えたほうがいいはず。勝ち負けには、末脚のキレ味が高いレベルで要求される。

【レース総論】中京記念(G3) 中京過去5回

・レースの要所!

★1番人気が全滅で3番人気以内馬も[0-0-2-13]と大不振。波乱傾向強し。
★コースデータ同様に外枠が絶好調。内枠を引いてしまうと厳しい面も。
★4角11番手以下からの追い込みがバンバン決まる。完全に差し優勢。
★ハンデ57キロ以上馬が強い。ある程度の馬格がある5〜6歳馬に注目。









 中京競馬場の全面リニューアル以降、現在の施行条件となった中京記念。2012年からの過去5年分が、今回のデータ集計対象である。その平均配当は、単勝1160円、馬連1万3844円、3連複4万1878円という猛烈な高さ。それもそのはずで、1番人気[0-0-0-5]、3番人気以内[0-0-2-13]と、人気サイドがコケまくっているのである。

 対照的に絶好調なのが4〜6番人気の中穴ゾーンで、こちらは[3-2-2-8]で複勝率46.7%と、なんと半数近くが馬券絡み。ふたケタ人気で好走した馬も4頭と、かなり波乱傾向が強いレースとなっている。波乱傾向が強いのはコースデータも同じだが、レースの荒れっぷりはそれ以上。かなり本命党泣かせのレースといえる。

 枠番は内枠不利&外枠有利。開催の最終週というのもあるのだろうが、内枠である馬番1〜4番に入った馬は[1-1-0-18]で複勝率10.0%と、不振にあえいでいる。回収率も単35%、複42%という低さで、割り引いて考えたほうがいいはず。枠番値がプラス0.8と高い馬番9〜12番や、信頼度が非常に高い馬番13〜16番など、外を重視すべき一戦である。

 そして、脚質もかなり重視すべき予想ファクター。もう完全に差し優勢で、4コーナーを11番手以下で回った追い込み勢の信頼度がもっとも高いという、きわめて特殊な結果となっている。最速上がり馬の好成績からも、超・瞬発力型のレースであるのは明白。決め脚のない馬が勝ち負けに持ち込むのは、非常に難しいレースなのだ。

 年齢別では、7歳以上の高齢馬をちょっと割り引いて考えたい。6歳馬は[2-1-3-17]で複勝率26.1%、複勝回収率133%と優秀な成績を残しているのだが、7歳以上馬で馬券に絡んだのは、2014年の2着馬ミッキードリームのみ。まだデータ母数が少なく信頼性が低いとはいえ、5〜6歳が中心のレースであるのは間違いない。

 そして誰もが気になるハンデだが、ここは「背負っている側」の実績馬が強いレース。ハンデ57キロ以上馬とそれ以外とでは、信頼度に大きな差が出ている。ハンデ54キロ以下の牡馬が[0-0-0-11]と全滅しているのも裏付けとなるデータで、馬券の中心に据えるべきは、やはりハンデ57キロ以上馬。軽ハンデの穴馬を狙うならば、牡馬よりも牝馬のほうが面白い。

 最後に、前走馬体重別での成績である。コレが意外に重要で、荒れた馬場が応える面があるのか、前走馬体重479キロ以下馬はトータル[0-1-2-24]で連対率3.7%、複勝率11.1%と低調な成績に終わっている。今年は、マイネルアウラートやグァンチャーレなど前走馬体重479キロ以下がけっこう多いが、人気も穴も前走480キロ以上馬から選んだほうがベターなはずだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開催終盤だが先行勢も相応に残っており、フラットな馬場という印象。

・天候予測
 週末まで天候が大きく崩れることはなさそう。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 チチカステナンゴ産駒◎、ダイワメジャー産駒○、キングカメハメハ産駒▲

 芝の生育がいい時期というのもあり、芝コースに大きな傷みはなさそう。超スローだったとはいえ、2歳新馬が32秒台の上がりを繰り出せるのだから、馬場はけっして悪くないはずだ。週末にかけては降雨予報も出ておらず、土日ともに良馬場での開催となりそう。ならば、先週同様にフラットな馬場バイアスだと考えたほうがいい。

 血統面で注目したいのが、チチカステナンゴ産駒の好成績である。出走数はそれほど多くないのだが、トータル[5-4-3-14]で連対率34.6%、複勝率46.2%という驚異的な数値をマークしており、回収率の高さもズバ抜けている。ピークトラムは昨年の中京記念でも2着に好走したように、コース適性の高さは折り紙付き。今年「もう一発」があってもおかしくないはずだ。

★出走登録馬・総論×各論

 netkeiba.comの予想オッズは現在のところ、前走で米子Sをレコード勝ちしたブラックムーンが1番人気。それにグランシルク、ダノンリバティなどが差がなく続いている。一本かぶりになるような存在は見当たらず、上位拮抗の混戦模様になる──というのが、現在の見立てのようだ。

 しかし、人気馬がまったくアテにならないのが中京記念。そして、今年の登録メンバーに差し・追い込み馬が多く、意外に前有利の展開になる可能性があるのも悩みどころである。末脚のキレ味が問われるレース&コースであるのは解説した通りだが、それだと今年の場合は、人気馬がキッチリ好走する結果になってしまう。

 それでは面白くないので、展開や脚質ではなく、波乱傾向が強いという点を最重視。その結果、トップ評価はウインガニオンとなった。ハンデ57キロを背負う5歳馬で、好走率が高い「4〜6番人気」の中穴ゾーンにも該当してくれそう。2走前にはダノンリバティを、前走ではグランシルクを退けているのだから、地力も十分だ。さらに中京芝も[2-0-0-0]と大の得意で、あとは展開がどうなるか次第である。

 二番手評価にピークトラム。チチカステナンゴ産駒という血統面での強調材料があり、昨年の連対馬という実績、6歳馬であること、中京芝コースとの好相性など、その他のプラス材料も豊富に持ち合わせている。さらに、人気薄が非常に強いレースであることや、前走馬体重が498キロであるのも好材料。リスクよりもリターンのほうが格段に大きい一戦となりそうだ。

 少し離れての三番手評価にダノンリバティ。上位人気の一角に推されそうなのが割引材料だが、それ以外に大きなマイナス評価はなく、上位争いに加わってきておかしくない存在といえる。そして、四番手評価にマイネルアウラート。こちらは前走馬体重でマイナス評価が付いたが、ハンデ57キロの6歳馬で近走内容も安定しているという、非常に買いやすい1頭である。

 以下は、ブラックムーン、グランシルク、アスカビレン、サンライズメジャー、スーサンジョイ、ワンアンドオンリーという評価の序列。あとは枠番次第だが、ウインガニオンとピークトラムから手広く流す3連複や3連単で、積極的に高配当を狙っていくのが面白そうだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




函館11レース 函館記念(G3)
1着 12ルミナスウォリアー
2着 14タマモベストプレイ
3着 15ヤマカツライデン

枠番重視で見事に死亡(#^ω^)ビキビキ

とはいえ、あれだけ繰り返し「内枠有利説」をとなえた以上、ハズレは致し方なし。ヤマカツライデンはともかく、タマモベストプレイを拾うのは難しいデスヨネ。できるだけ再現性の高そうなデータを選んでいるとはいえ、ピンポイントで馬券を的中させるというのはホントに難しい(意気消沈)。

※すべてのデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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