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中京記念のもう1回、もう1回。函館2歳のもう1回。

  • 2017年07月20日(木) 12時00分


恋と肝試しの闘いは肝試しに軍配が上がった。

函館記念の話だ。

恋はケイティープライド、肝試しは結果的にヤマカツライデンだった。

「夏を制する者だけが恋を制する」というT.M.Revolutionというか西川貴教に触発されて、夏競馬を制する者だけが恋を制するを掲げて「恋」に乗ってみたけど、ただ1頭のオバケポイント該当馬のヤマカツにやられてしまった。

にしても、函館記念のオバケポイントの馬は本当によく走る。これで7年連続の好走だ。しかも今年は1頭しか該当しなかった。迷うまでもないし、実際迷うことなく3連複の相手にしたけれど、ケイティーを主軸に据えたので、馬券はハズレてしまった。

「夏=恋」は自分からは一番遠いシチュエーションなのかもしれない。恋は遠い日の花火ではないと言うけれど、やっぱり自分には遠い日の花火であった。

自分にはオバケがお似合いってか!? ひぃ〜! ロメロ!

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中京記念の肝試し
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それはともかく、今週の中京記念もオバケポイントにいる馬がよく走るレースだ。

中京記念がサマーシリーズに組み込まれて今年で6年目。
単10.0倍を中心にその前後にいる馬がよく走っている。つまり、10.0倍がオバケラインで、その前後にオバケが潜んでいるということだろう。

12年
5人気 フラガラッハ 7.0 1着
6人気 ショウリュウムーン 10.0 2着
7人気 ミッキードリーム 12.6 4着

ほら!
10.0のすぐ上にいたフラガラッハが1着して、
10.0のオバケライン上にいたショウリュウムーンが2着して、
ついでにオバケラインのすぐ下のミッキードリームも4着した。

13年
4人気 フレールジャック 9.1 (競走中止)
5人気 フラガラッハ 11.9 1着

ほら!
10.0のオバケラインの上にいたフレールジャックは競走中止してしまったけれど、すぐ下にいたフラガラッハは1着した。フラガラッハは2年連続で10.0近辺にいたというわけだ。

14年
5人気 ブレイズアトレイル 7.7 4着
5人気 マジェスティハーツ 7.7 3着
7人気 サダムパテック 15.2 1着

ホラー!
10.0の上にいた2頭(同人気)が3着、4着して、10.0のすぐ下にいたサダムパテックが1着した。やっぱりこの近辺にいる馬は走る。

たとえば12年、13年と2年連続で、10.0近辺にいて2連覇したフラガラッハは1人気に支持されて、10着に惨敗した。オバケポイントにいて2連覇した馬が1人気という一番陽のあたる場所に出たら、10着だなんてまさにホラーだ。

15年
3人気 ダローネガ 5.5 3着
4人気 オリービン 10.2 15着

ほら? 
この年は少し苦しかったけれど、それでも10.0のすぐ上のダローネガが3着して、ホラーの伝統をかろうじて守った! 本当は2着してほしかったけれど、クビ差3着なら許容範囲だ。

16年
6人気 ピークトラム 8.9  2着
7人気 ガリバルディ 11.7 1着

ほら、ほら、ホラー!
10.0のオバケラインの上下の馬でワンツー!
やっぱり中京記念で単10倍前後に支持される馬は走る。

だから当然、今年も10.0のオバケラインには注目せざるをえない。

予想ではこんな感じだ。
5人気 マイネルアウラート 9.4
6人気 グァンチャーレ 9.7
7人気 アスカビレン 11.9

マイネルアウラートは今回は川田騎乗予定で、それだけで気になる。この馬を一番わかっているのは柴田大だろうけど、バルザローナで1着したことがあれば、アッゼニで11着したこともある。国分優で2着したことがあれば、ボウマンで9着だったこともある。「乗り替り=好走」というわけではないけれど「乗り替り=ノーチャンス」ではない。

川田は、今開催の中京の芝をわかっているはずで、そこはプラスだ。岡田繁幸氏系の馬への乗り替りといえば、16年の京都金杯で1着したウインプリメーラを思い出せる。あのときもテン乗りだった。仮に柴田大が福島メインのマイネルハニーを選んだとしても、ノーチャンスで川田騎乗とは思えない。

もう1頭の岡田繁幸氏系の馬・ウインガニオンが逃げて、マイネルアウラートが番手を取って、岡田氏系でペースを支配できれば、中京の夏を制することも可能ではないか?

グァンチャーレにもそそられる。この馬はフルキチジョッキーと相性がいい。
この馬にたくさん騎乗しているのは武豊と古川吉だけど、甲乙つけがたい戦績だ。

武豊 1-2-0-3
古吉 1-2-2-2

リゲルSでマイネルアウラートに0.2差つけられているけれど、今回は55キロだからマイネルアウラートに2キロ差だ(リゲルSはマイネル57、グァン56)。
米子Sでブラックムーンに0.3差つけられているけれど、今回は55キロだからブラックムーンに2キロ差だ(米子Sはブラック57、グァン56)。

アスカビレンは面白いと思っていたけど、単20倍くらいかなと思っていた。予想とはいえ、単10倍のオバケライン近辺で支持されているとは思いもしなかった。実オッズでも、ここにいたなら、もちろんナイガシロにしない。

古馬になってからは、55キロ以上より、54キロ以下の方が切れ味が出てるように思われ、今回の54キロにはそそられる。

サマーオッズは乱高下が激しい。函館記念のオバケポイントも結局1頭しか該当しなかった(途中2、3頭該当)。だからまだ決めつけられないけれど、予想どおりに上記の3頭のどれかがそこにいたら、大事にしたい。

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中京記念の恋
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ワンアンドオンリーが約3年10ヶ月ぶりに1600に出走しそうだ。
もうこれだけでざわざわ、にぎにぎしてしまう。

だって、そうでしょう。

もし、このレースを58キロのトップハンデで勝つようなら、どうしましょうだ。

実はマイラーでした…なんてカミングアウトされるようなもんだからだ。

以下はワンアンドオンリーの距離別成績

1600 1-1-0-0
1800 0-1-0-2
2000 1-1-0-2
2200 0-0-0-5
2400 2-0-1-5(2410含む)
2500 0-0-0-4
3000 0-0-0-2
3200 0-0-0-1

1600は2歳時の未勝利2戦のもの。だからそれほど価値はないとも言えるけど、逆に素材としての価値があるとも言える。そもそも国内で馬券になったのは3歳秋の神戸新聞杯が最後だし、その後馬券になったのも15年のドバイシーマクラシックの3着のみだから、一旦、ぜんぶリセットして、初勝利をあげた1600に回帰するのも悪くないのではないか? と思いたくもなる。

危険だ!
危険極まりない!
これで何度騙されたことか!?

だけど、横山の典さんが目黒記念の後に「次は1600に」と進言したとか言われちゃうと、もう1回付き合いたくなる。

典さんがダービー馬を復活させようとあの手この手で施術してるとしたら、もう1回に付き合いたくもなる。

ドクター典さんにのって、もう1回行ってみるか?

もう1回、もう1回って、コードブルーの主題歌(HANABI)みたいだ。でもあの唄でも、もう1回を4回繰り返す。うむ、あと1回か2回くらいもう1回してもいいような気がしてきた。

人気はどうかな?

予想オッズは、単13.7の8人気。
この馬はG1では人気が落ちるけど、それ以外では本当に人気がある。

直近の単オッズ
目黒記念 単18.5
天皇賞春 単113.9
阪神大賞典 単19.6
AJCC 単12.5
ジャパンC 単108.4
アルゼンチン 単16.5
オールカマー 単18.8
宝塚記念 単85.4

おそらく単勝だけの人気なんだろうけど、それにしてもG1との落差がすごい! なんだか同じ人たちがワンアンドオンリーの単勝を買ってる気がする。

ワンアンドオンリーは橋口慎厩舎の馬だけど、もともとは父・橋口弘厩舎の馬だった。橋口弘厩舎といえば、マイルが得意で、特に非社台生産の馬はマイル以下のレースで強かった記憶がある。

ワンアンドオンリーはノースヒルズの馬だから、非社台生産だ。リディルもクラレントもノースヒルズの馬だった。マイラーのポテンシャルでダービーを勝ち、お釣りで神戸新聞杯を勝ったとしたら……

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中京記念・注目馬
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肝試し・オバケライン(単10.0)の上下にいる馬
マイネルアウラート・グァンチャーレ・アスカビレンらがいたらいいな。

恋・ワンアンドオンリー
ここで、マイルを使って、さらに施して、勝負はその次ってことも考えられなくもない。1600のスピードに乗れずに、もしくは乗らずに最後方ポツンだって十分ありえる。だから買うなら、この次も買う覚悟で買ったほうがいいはず。もう1回、もう1回だ。

肝試しで行くか、懲りずに恋で行くか。先週は両方盛り込んで失敗した。今週はちゃんと当てたいものだ。

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函館2歳S・注目厩舎
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武井厩舎のモルトアレグロ

この春、一番楽しかったのは武井師のフリだった。このことはここで何度か書いたので覚えている方もいるだろうけど、NHKマイルとユニコーンSのリエノテソーロに関する武井師のコメントは、フリとして丁寧でとてもよかった。

NHKマイル 「スプリントの体つきになっている」というフリからの13人気2着
ユニコーンS 「ぶっちぎって勝ってほしい」というフリからの1人気7着

「スプリントの体つきになっている」というコメントはユニコーンSに繋がっていたとも取れ、フリはフリなんだけど、一筋縄ではいかないところも披露してくれた。

その武井師が函館2歳Sのモルトアレグロに関して、こんなコメントを発信している。

「吉田隼騎手の感触もよく、『芝でもやれる』と言ってくれましたよ。折り合いがつくので1ハロン延長もまったく問題ありません。このあとはエーデルワイス賞を予定していますが、ここでも楽しみはありますよ」

吉田隼騎手の「芝でもやれる」は、リエノテソーロでもあったコメントで悪くない。父スペイツタウンはリエノテソーロと同じ。両馬に騎乗経験のある吉田隼騎手なので、信用してみたくなる。

問題はエーデルワイス賞だ。

エーデルワイス賞は10月に門別で行われるダ1200のレースで、去年、リエノテソーロで勝ったレースでもある。そのリエノテソーロは札幌で芝1200を2連勝して、ダのエーデルワイス賞に向かい、3連勝した。

モルトアレグロは函館ダ1000を勝って、函館2歳S芝1200に出走し、ダ1200のエーデルワイスに向かい3連勝を狙っているように思える。武井厩舎のもう1回だ。

「エーデルワイス賞」をフリと捉えれば、ここは買える。
「エーデルワイス賞を予定していますが、ここでも楽しみはありますよ」の「ここでも楽しみはありますよ」をフリと捉えれば、ここでは買えない。

東のコメント大将・小島太師がもうすぐ定年で、最近はコメントがとても控えめで寂しかったので、武井師の登場には大いに関心あり!

ちなみに過去10年、前走ダートの馬は1頭も馬券になっていない。そこがもっと強調されて、少しでも人気が下がると買いやすい。

ところで、この夏のマイ自由研究「最終レース」の方が個人的には上手くいきそうな感じだ(参考文献は「回収率を決める最終レース 一撃とひらめきの教科書」です。一日の傾向を読み取って、最終でドカンと儲ける古澤秀和さんの一撃攻略や伊吹雅也さんの最終レースで上がる騎手、下がる騎手等の秘蔵データはひじょうに参考になります)。

函館2歳は、恋とか肝試しとか関係ないです。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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