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前走GI組が強いクイーンS

  • 2017年07月28日(金) 18時00分


◆GI馬どちらと組み合わせるか?

 クイーンSは強い馬に有利な斤量設定でもあり、1,2番人気がけっこう強い。その一方で3〜5番人気あたりが奮わず、もっと人気薄の馬がいきなり来たりする。的中頻度確保のための人気馬と、配当を伸ばすための穴馬とをそれぞれ買い目に組み入れていくのがおすすめの買い方だ。

 人気馬で強いのは前走GI組、特に掲示板に載ってきた馬だ。GI勝ち馬が直後に出走するというケースは過去10年無かったが、2〜5着してきた馬が良くて勝ってきた馬がダメということはないだろう。ましてアドマイヤリードは他の古馬と並びの斤量、アエロリットは他の3歳馬と1キロしか違わないという状況だけになおさらだ。

 ただこのGI馬2頭のどちらを優先するかというのは難しい。アエロリットは位置を取れるのが魅力だが初距離。アドマイヤリードは4歳になってからの勢いが素晴らしいが差し一辺倒で開幕週の札幌がどうか。最近は開幕週から差しが届くケースも増えているが、やはり差し遅れリスクは気になる。

 マキシマムドパリは、ハンデ重賞を55キロで勝ってまた55キロという点にお得感がある。脚質に自在性があるのもプラスだ。さらにキングカメハメハ産駒とこのコースの相性も良い。ただ今回はGI馬が2頭いて相手が悪い面がある。前述した「なぜか成績が悪い3〜5番人気あたり」に該当してしまいそうでもあり、扱いが難しい。この馬に重いシルシをつける場合は、GI馬2頭のどちらかについて狙いを下げてからにしたい。

 クインズミラーグロも脚質に自在性がある。重賞で4戦連続して馬券に絡んでいるという安定味は評価せざるをえない。ただ近走は52〜54キロで好走してきて今回は55キロ。絶対値としての55キロはこなしている(山中湖特別)が、近走からプラスになることは当然割引材料。そうでなくてもこの馬はアタマでは買いづらく、2,3着付けが適当なところだろう。

 パールコードは生涯を通じて掲示板を外したことがない。ある程度位置も取れる馬なので、その長所を生かしたいところ。タイプ的にはアエロリットと組み合わせになりやすいのではないだろうか。アエロリット本命の方はヒモに入れておいたほうがよいだろう。

 トーセンビクトリーは最近完全にピンかパーの馬になっている印象。しかも勝っているのは難波S、ジェンティルドンナメモリアル、中山牝馬Sといずれも休み明け。滞在は試したわけではないので結果がどちらに出るか分からないが、今回は中6週。個人的には秋競馬になってから休み明けのレースで買いたいと思っている。

 ヤマカツグレースは穴人気しそう。ハービンジャー=洋芝巧者というイメージが票につながりそうだが、札幌の馬場がどうなっているかは土曜の競馬を見ないと分からない。函館と同様に高速化しているようだと、前に行ってしぶといというこの馬の長所が生かせない可能性がある。

 シャルールは昨年1番人気2着の馬だが、今年のレースは人気薄で迎えることになりそう。近走の内容を考えるとそれもやむをえまい。いったんスランプに陥った牝馬は復活に手間取ることがあり、この馬もしばらく苦戦しそう。個人的には無印でいく予定だ。

 ノットフォーマルは理屈で言ったら買えない馬だが、このレースは5,6歳馬による複穴がけっこう出るので一応ちょっと気にかけておきたい。まさかの3着以内があるとしたら逃げ残りだろうから、人気2頭のいずれかと組み合わせるとしたらアエロリットのほうだろうか。いずれにしても「あくまでダメ元の複穴」という前提で挙げておく。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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