◆直線の長い新潟が合っている 先行力に一段としぶとさを加えている4歳
ケンホファヴァルト(父マーベラスサンデー)から入りたい。3歳の夏以降、距離2000mは【2-3-0-2】。格上がりの前回はブラックバゴには完敗の2着だったが、3着馬をゴール寸前に差し返して2着の内容は、このクラスでも十分に通用することを示した。
新潟の外回り2000m。スローはみえている。別に逃げ一手ではないが、ベテラン柴田善臣騎手が少し強気に出るなら、楽に単騎マイペース可能な組み合わせだろう。
成長力は父マーベラスサンデー譲り。4歳の後半から大幅にパワーアップしたマーベラスサンデーは、5歳時に1番人気の宝塚記念を制している。スパートして勝ち負けの態勢に入ってからが勝負強い馬だった。
母方は、種牡馬として再評価されているリーチザクラウンの一族。母エイシンパンジー(父トニービン)のいとこが、09年の日本ダービーを果敢に先行して2着に粘ったリーチザクラウン。
母の父トニービンはさすがに血統図の表面に登場することは少なくなったが、大変な新潟(東京)巧者を送ったことで知られる。一瞬の切れではなく、速い脚が長続きするから、直線の長い東京や新潟が合っていたのであり、グレイソヴリン直父系であることを考えると、夏の平坦コースに強いことも重なっていた。
ケンホファヴァルトは、近走のレース運びをみると、それはスケールでは見劣っても父方の良さと、母方に流れるトニービンの真価を思わせる。初コースは死角ではなく、新潟コースに遠征してきたのは大正解だろう。
土曜は出走の難しい下級条件戦が中心のため、関西馬の出走は少ないが、先週までの福島と違って、輸送時間の短い新潟は関西馬の大攻勢がある。その先陣がこのケンホファヴァルト、そして新潟10Rのラベンダーヴァレイ(父ディープインパクト)であり、日曜の「アイビスサマーダッシュ」の関西馬に連続することになるだろう。