スマートフォン版へ

楽に単騎マイペース可能な組み合わせだろう/佐渡S

  • 2017年07月28日(金) 18時00分


◆直線の長い新潟が合っている

 先行力に一段としぶとさを加えている4歳ケンホファヴァルト(父マーベラスサンデー)から入りたい。3歳の夏以降、距離2000mは【2-3-0-2】。格上がりの前回はブラックバゴには完敗の2着だったが、3着馬をゴール寸前に差し返して2着の内容は、このクラスでも十分に通用することを示した。

 新潟の外回り2000m。スローはみえている。別に逃げ一手ではないが、ベテラン柴田善臣騎手が少し強気に出るなら、楽に単騎マイペース可能な組み合わせだろう。

 成長力は父マーベラスサンデー譲り。4歳の後半から大幅にパワーアップしたマーベラスサンデーは、5歳時に1番人気の宝塚記念を制している。スパートして勝ち負けの態勢に入ってからが勝負強い馬だった。

 母方は、種牡馬として再評価されているリーチザクラウンの一族。母エイシンパンジー(父トニービン)のいとこが、09年の日本ダービーを果敢に先行して2着に粘ったリーチザクラウン。

 母の父トニービンはさすがに血統図の表面に登場することは少なくなったが、大変な新潟(東京)巧者を送ったことで知られる。一瞬の切れではなく、速い脚が長続きするから、直線の長い東京や新潟が合っていたのであり、グレイソヴリン直父系であることを考えると、夏の平坦コースに強いことも重なっていた。

 ケンホファヴァルトは、近走のレース運びをみると、それはスケールでは見劣っても父方の良さと、母方に流れるトニービンの真価を思わせる。初コースは死角ではなく、新潟コースに遠征してきたのは大正解だろう。

 土曜は出走の難しい下級条件戦が中心のため、関西馬の出走は少ないが、先週までの福島と違って、輸送時間の短い新潟は関西馬の大攻勢がある。その先陣がこのケンホファヴァルト、そして新潟10Rのラベンダーヴァレイ(父ディープインパクト)であり、日曜の「アイビスサマーダッシュ」の関西馬に連続することになるだろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング