◆新潟1000mを意識した追いきりをこなした 最近5年間の勝ち時計は「54秒1〜3」に集中している。コンマ1〜2を争うのが直線1000mとはいえ、この集中度合をみると、このタイムで乗り切れない馬は「通用する可能性が少ない」と考えることができる。良馬場に限れば、…のことだが、複数回新潟1000mに出走して「54秒台後半」の持ちタイムにとどまる馬は、あきらかにチャンスは少ないだろう。
その54秒1〜3の時計で勝った馬には共通する点もある。脚質、位置取りには関係なく、だいたい「前半400mを22秒0前後-後半600mを32秒前後=54秒前後」になった馬が、勝っているのである。
これには理想となるモデルバランスがあって、レコードの53秒7を記録したカルストンライトオのレースの中身が、「21秒8-31秒9」であり、史上2位の53秒8で抜け出した13年のエーシンヴァーゴウも、これに酷似のバランスだからである。
オープン馬なら「11秒5-10秒0」=21秒5くらいのダッシュは楽に可能。最初の2ハロンを「22秒0」というのは、未勝利馬でも出現するラップ。だが、21秒5前後で飛ばし、54秒前後で乗り切った馬はいない。
欧州の直線5〜6ハロンのレースと同じで、本気でダッシュ(スパート)するのは、ここまでのところ、後半の2〜3ハロンが正解なのである。
今年の出走馬で、すでに54秒そこそこで乗り切れる記録を持つのは、持ちタイムどおり「
ダンシングワンダー、
ネロ、
フィドゥーシア、
レッドラウダ」の4頭である。前後半バランスも満たしている。
そして、おそらく54秒前後は可能だろうと推測できるのが、
アクティブミノル。このアクティブミノルから入りたい。酒井学騎手は13年の回転マン=ハクサンムーンで、「22秒3-31秒9」=54秒2の逃げ切りを決めている。前半22秒3は、逃げ切り勝ちの中でもっとも緩い前半400mである。直線1000mの経験が多くないはずなのに、なだめて進み後半スパートの必勝パターンを最初から知っていて、そのように乗った。
前回のアクティブミノルの追い切りは自分で乗り、きびしいペースで「50秒4-11秒6」。今回は新潟1000mを意識し「51秒2にとどめて、最後を11秒4」。幸運の16番枠から、理想の22秒0くらいにセーブした逃げが打てそうに思える。