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黙って池江厩舎でいいか? 小倉記念の遠距離恋愛

  • 2017年08月03日(木) 12時00分


先週はクイーンSで上がって、サマーダッシュで落ちた。
恋のサマーダッシュにやられて、恋でも肝試しでもないクイーンSとお近づきになれた。

サマーダッシュはここで記した心配事が当たってしまった。つまり今年もゴーストバスターズされてしまい、肝試しそのものが休館になってしまうという心配事だ。

サマーダッシュの人気はこうだった。
1人気 フィドゥーシア   2.8
2人気 アクティブミノル  3.4
3人気 ネロ        5.2
4人気 レジーナフォルテ  6.7
5人気 レッドラウダ    14.3

オバケポイントは「5人気に近い単8倍台(いない場合は7倍台)」。

例年ならレジーナフォルテが7、8倍台にいる感じだけど、そのポイントには落ちて来なかった。結果的にレジーナフォルテは3着したのだから、ここから買うのはありだったかもしれない。

ただオバケポイントの磁場は強いから、レジーナフォルテが走るならば、自らそのポイントに寄ってくるはず。そう思い静観していたけど、マグニートーな動きは見せてくれなかった。函館記念や中京記念ほどの磁力ではないということだろう。6.7倍なら「アリ」にしても良かったかもしれない。でも、あえて例外を作る必要もないと考え、肝試しは休館と捉えた。

去年はこのパターンで、1・2・3・4人気で1・2・3・4着した。だから今年も1〜4人気を大事にすれば、必然的にレジーナフォルテを買えるという算段もあった。ただ2年連続で1〜4人気の独占はないだろう。っていうかカンベンして! と思っていたので、馬券は恋のサマーダッシュ馬(ナリタスターワンとダンシングワンダー)から1〜4人気を絡めてみた。

1着 ラインミーティア 8人気
2着 フィドゥーシア  1人気
3着 レジーナフォルテ 4人気
4着 アクティブミノル 2人気

1・2・4人気はちゃんと走ったけれど、1着は狂った。恋愛すべき相手はラインミーティアだった。恋のサマーダッシュという語感を気に入っていたので、ぜがひでもこのレースを制したかったけれど、やっぱり遠い日の花火だった。

一方、クイーンSはふつうに上手くいってしまった。恋だのオバケだの考慮しないで、角居厩舎に注目しただけだったのにカンタンに当たってしまった。

「G1以外の重賞では、特に牝馬では無闇に遠征しない印象のある角居厩舎」が「G1以外の重賞に牝馬で遠征するときは何かがある」。

ということを中山牝馬Sのときにここで記した。で、トーセンビクトリーとデニムアンドルビーに注目したら、トーセンビクトリーが5人気で1着した。デニムアンドルビーも6人気で5着だった。

だからクイーンSにトーセンビクトリーが出走すると知って注目した。かつてキャトルフィーユで1着したことと、その時の鞍上も福永騎手だったことなども考慮して、勝算ありと睨んでみたのだった。

結果は2着だったけど、馬券的には上々だった。騎乗した福永騎手の「勝てる手応えだった」というコメントからも、勝算あっての参戦だったことがわかり、それも収穫だった。

ちなみに「何かがある」=「勝ち負け」ではない。クラシックにのせるためにトライアルなどの重賞を使わざるをえないこともあるからだ。そこの見極めは大事だけど、古馬牝馬の場合はそこをそれほど考慮する必要もない。今後も角居厩舎が牝馬をG2・G3で「遠征」させていたら「何かがある」と気にかけたい。

そもそも角居厩舎と池江寿厩舎は常に接近遭遇しておきたい厩舎で、無闇にナイガシロにしたら手痛い目にあう。ただどうしても人気になりがちで、相手の筆頭(◯や▲)にはできても、◎にはしにくい。そういう意味では、1人気で負けて、5人気・6人気で勝ち負けしてくれるトーセンビクトリーは実にありがたい馬だ。

今週の小倉記念には池江寿厩舎の馬が出走してくる。はたして上手に接近遭遇できるか?

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小倉の夏は池江の夏か?
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今年も池江寿厩舎が小倉記念に登録してきた。しかも2頭。

ストロングタイタン 予想1人気
ベルーフ      予想4人気

ストロングタイタンは前走マレーシアCを1人気で1着、それもレコード勝ちだった。そのインパクトが強いのか、1600万条件戦だったにも関わらず、今回予想では1人気に支持されている。これだけでこの馬がものすごく期待されているのがわかる。

重賞は中山金杯、小倉大賞典に出走し、9着、5着と跳ね返されてしまったけれど、そこでも2人気、1人気と支持されていた。ここ6戦、すべて1人気か2人気で、もともと期待されやすい資質を持った馬なのかもしれない。

そして、1600万条件をレコードで勝って、再び重賞に参戦してきたけれど、そもそも夏の小倉で上昇した馬で、小倉適性(小倉3-0-0-1)含めての期待感が予想1人気になっているのかもしれない。

ベルーフは言わずもがなだ。小倉記念2年連続2着で、去年と同じホワイト鞍上で、これまた狙った参戦に思える。

池江寿厩舎は現在4年連続で馬券になっており、今年も強力なラインナップに思える。この2頭のどちらかが来る! でいいような気になる。

ただ2頭ともに人気馬なので、もう少し観察してみる。

『小倉記念は前走5月』

夏の小倉記念を狙うのに調整しやすいのが前走5月馬ではないか? と仮定して、ラブリーデイを狙ったのは4年前。5人気で2着だった。その後もずっと前走5月馬は絡んでいるから、基本的にこのローテは強いローテなのかもしれない。

ただラブリーデイを狙った頃は「穴は前走5月馬」という魅力的な惹句もついていた。でもその後は穴ではなく、走りやすいのは「前走5月馬」に変わってしまった。理由は簡単で、人気の池江寿厩舎がそのローテで参戦しまくっているからだ。

穴の時代
06年 ヴィータローザ   7人気2着 前走5月(新潟大賞典)
09年 ダンスアジョイ   16人気1着 前走5月(目黒記念)
10年 ニホンピロレガーロ 9人気1着 前走5月(新潟大賞典)
11年 キタサンアミーゴ  15人気2着 前走5月(新潟大賞典)
12年 ナリタクリスタル  9人気3着 前走5月(新潟大賞典)

池江厩舎の時代
13年 ラブリーデイ  5人気2着 前走5月(ダービー) 池江寿
14年 サトノノブレス 3人気1着 前走5月(天皇賞春) 池江寿
15年 ベルーフ    2人気2着 前走4月(皐月賞) 池江寿
16年 ベルーフ    4人気2着 前走5月(新潟大賞典)池江寿

09年からずっと「前走5月馬」は馬券に絡んでいるけれど、ここ4年の「前走5月馬」はすべて池江厩舎だ(14年のベルーフは前走4月だったけど)。
池江厩舎は重賞では常に人気になる厩舎だから、こうなるとどうしようもない。ラブリーデイの5人気は貴重だったかもしれない。

池江寿厩舎の小倉記念成績は2-3-0-5。

08年 ドリームジャーニー 2人気1着 前走6月(安田記念) 池添
   ピカレスクコート  14人気11着 前走3月(マーチS) 赤木
12年 ダノンバラード   2人気4着 前走7月(関ケ原S) 小牧太
13年 ラブリーデイ    5人気2着 前走5月(ダービー) 川田
14年 サトノノブレス   3人気1着 前走5月(天皇賞春) 和田
15年 ベルーフ      2人気2着 前走4月(皐月賞) パートン
   オーシャンブルー  10人気8着 前走6月(宝塚記念)松山
16年 ベルーフ      4人気2着 前走5月(新潟大賞典)ホワイト
   サトノラーゼン   2人気7着 前走5月(新潟大賞典)岩田
   リヤンドファミユ  12人気12着 前走5月(目黒記念)藤岡康

前走5月以前馬の成績 1-3-0-3
前走6月以後馬の成績 1-0-0-2

今年の2頭の前走は、
ストロングタイタン 前走7月(マレーシアC)1人気1着
ベルーフ      前走6月(エプソムC)10人気11着

おっと、前走5月じゃない!

前走5月じゃなくても基本的にはアリではある。そもそも前走6月や7月の馬が幅を利かせている。2年前に勝ったアズマシャトルは前走マレーシアCだし、去年3着したエキストラエンドは前走エプソムCだ。

ただここ4年馬券になってる池江寿厩舎の馬はすべて前走5月以前だった。それが池江寿スタイルと思っていたけど、今年は違う。

さあどうしよう。
池江寿厩舎に委任するなら、前走は関係ない。ただ人気の2頭だ。少しでも不安を感じるなら一枚割り引きたくなる。

だから、相手としてリスペクトすることにした。これで勝ち負けするようなら来年から全面的に委任すればいい。

印でいえば、
◯ベルーフ
▲ストロングタイタン
こんな感じ。

今回は最大13頭立て。
香港の騎手は12頭立てくらいの小回り競馬が上手いような気がする(香港のフルゲートは14頭で、12頭前後のレースが多い)。
だからホワイトの騎乗するベルーフを上にとってみた。

先週の小倉でホワイトは4回馬券になったけど、3回は12頭立て以下のレースだった。
12頭立て以下 0-1-2-0
13頭立て以上 0-1-0-8

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小倉記念・注目馬
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タツゴウゲキ(5人気以下で)
ケイティープライド(内枠ベター)

タツゴウゲキの前走の位置取りは3-5-5-11で6着だった。
すごいVラインだ。
これだけで買いたくなる。

レースは内を追走し、3角から後方の馬たちがマクり始めたときに巻き添えを食って、気がつけば11番手に後退していた。内にいたとはいえ、12頭立てだから11番手は最後方系だ。

直線では内から外へ斜めに伸びて6着。上がり36.4は4位だけど、斜めに伸びたことを思えば、勝ったゼーヴィントの36.1と同じくらいか、それ以上とも言える。

とにもかくにも馬に走る気があることはよくわかった。今回は4走前に騎乗して1着したMデムーロが乗る。これで人気が上がったらテンションは下がってしまうけれど、予想では5人気。

前走の七夕賞は6人気だった。Mデムーロ騎乗で5人気なら許容範囲だ。ただし1〜4人気になったら控えようと思う。

ケイティープライドについては、函館記念のときに記したとおり。内枠に入ったら今回も買う。もはや内枠ストーカーだ。

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レパードS・注目馬
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タガノグルナ
イブキ

1人気が、2人気か3人気を連れて来るレースだけど、3着に伏兵が絡むことも多い。

1人気の成績は5-1-2-0。馬券圏外なし。
単オッズは1.7倍〜3.3倍で、すべて馬券圏内。つまり、単オッズが3.4倍以上のときに不安が訪れるのでは? と思っているけれど、エピカリスの予想は1.9倍で、どうみても3倍以上になるとは思えない。

というわけで、半分ギブ気味に、だけど3着馬を探すのなら…そんな感じで、タガノグルナとイブキに注目してみた。

どちらもルーラーシップ産駒で、人気のルーラーシップ産駒のアディラートに引っ張ってもらえないかな?
その逆(みんなコケる)もありえるけど、そこは考えないようにしよう。

どちらも900万馬だから抽選対象。通過するといいな。

今週は「恋」に触れられなかった。ちょっとした遠距離恋愛ってことにしておこう。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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